2008/12/18更新   

フライトシミュレータ

Boeing 747-400 の操縦

離陸

Boeing 747-400 は、操縦室に機長と副操縦士が居るが、操縦するのは機長とは限らず、副操縦士の場合もある。
操縦する方の人をPF(Pilot Flying)と呼び、操縦しない方の人をPNF(Pilot Not Flying)と呼ぶ。
操縦桿や推力レバーの操作はPFが行うが、フラップ(Flaps)や脚の出し入れ等の操作はPNFが行う(PFが声に出して要求し、PNFが復唱して操作する)。

離陸時のフラップは、滑走路長に余裕のあるときは10°、余裕のないときは20°とし、離陸滑走開始よりも前に設定しておく。

PFは、機首を離陸滑走の方向に合わせたら、全エンジンが安定しているか確認し、それが確認できたら「Take off」とコールしてTO/GA(Take off / Go around)ボタンを押す。
それが押されると、エンジンは自動的に離陸推力まで上げられる。
離陸滑走が始まると、PFもPNFも、対気速度計の表示(PFD(Primary Flight Displays)内の左側の帯で表される)を監視する。



PNFは、自分の側の対気速度計が80ノットを指したら「80(enghty)」とコールする。
PFは、それが聞こえた瞬間に自分の側の対気速度計も80ノットを指しているか確認する(もし他の速度を指していたら、どちらかの対気速度計が故障している)。

離陸を中止してもよいぎりぎりの速度をV1、機首の引き上げを始める速度をVR、安全に上昇できる最低限の速度をV2と呼ぶ。V1もVRもV2もフラップの角度やその日の搭載重量に依存する。V1はさらに滑走路長や路面状態にも依存する。因みに、もしV1を超えてから中止すると滑走路内で停まれない。
PNFは、自分の対気速度計がV1を指したら「ヴィワン」、VRを指したら「ヴィアール」、V2を指したら「ヴィツー」とコールする。ただし、V1のコールだけは、V1の5ノット手前くらいから「ヴィーーー」と言い始め、V1になった瞬間に「ワン」と言う。
PFは、自分の対気速度計がV1を指したら推力レバーから手を離し、VRを指したら操縦桿を少し引いてピッチ(機首上げ角度)を15°まで上げて15°で固定する。これらは、自分の対気速度計の表示がPNFのコールと一致しているか確認しながら行う。
操縦桿を引く際、あまり一気に引くと速度が上がらず、V2に達することができなくなるので、そうならないように引く。

PNFは、V2のコール後、上昇しているか確認し、それが確認できたら「Positive climb」とコールする。
PFは、それがコールされたら、脚の格納を要求するために「Gear up」と言う。
PNFは、それを言われたら、「Gear up」と復唱し、脚の出し入れレバーを格納側に動かす。

PFは、気圧高度(海抜)(PFD内の右側の帯で表される)が規定の高度(一般に数百feetから1000feetの間のどこかに規定)を越えたら、自動操縦開始を要求するために「Push command C」と言う。
PNFは、「Command C push」と(少し語順を変えて)復唱し、Command C ボタンを押す(自動操縦装置は3つあり、ボタンも横に3つ並んでいる。それらのうち中央のボタンを押す)。
それが押されると、自動操縦が動き始める。

上昇

離陸後、自動操縦が動いているが、自動操縦は、移動方向や高度を制御する「auto pilot」と、速度を制御する「auto throttle」の2系統に分かれている。
自動操縦には、FMCに任せる使い方と、その都度つまみやボタンを操作する使い方の2種類がある。
つまみやボタンを操作するとき、高度の制御は、高度と上昇率(降下のときは降下率)を指定して行う。移動方向の制御は、移動方向の方位を指定して行うか、向かいたい無線標識の周波数を指定して行う。速度の制御は、速度を指定して行う。

離陸後は、自動操縦の使い方を、以下の順に変えて行く。
(1) その都度つまみやボタンを操作する使い方。移動方向は、方位つまみの方を操作して指定。
(2) その都度つまみやボタンを操作する使い方。移動方向は、周波数つまみの方を操作して指定。
(3) FMCに任せる。
ただし、(1)をスキップしたり(2)をスキップしたり(1)(2)の両方をスキップしたりする場合もある(本ゲーム内の旅客機は(1)(2)の両方をスキップしていきなり(3)から始めている(つまみやボタンを用意していないため))。
いずれの使い方でも、フラップの制御は手動で行う。

PFは、速度が180ノットを超えたら、フラップを5°にするよう要求するために「flaps 5」と言う。
PNFは、それを言われたら「flaps 5」と復唱し、フラップレバーを5°の位置に移動する。
PFは、速度が200ノットを超えたら、フラップを1°にするよう要求するために「flaps 1」と言う。
PNFは、それを言われたら「flaps 1」と復唱し、フラップレバーを1°の位置に移動する。
PFは、速度が220ノットを超えたら、フラップを0°にするよう要求するために「flaps up」と言う。
PNFは、それを言われたら「flaps up」と復唱し、フラップレバーを0°の位置に移動する。

ただし、どれくらいの速度ならフラップを何°にすべきかは搭載重量により異なるので、上の説明に出て来た速度はあくまで目安である。

進入

自動操縦はFMCに任せて来たが、ある程度目的地に近付くと、自動操縦の使い方を、以下の順に変えて行く。
(1) その都度つまみやボタンを操作する使い方。移動方向は、周波数つまみの方を操作して指定。
(2) その都度つまみやボタンを操作する使い方。移動方向は、方位つまみの方を操作して指定。
(3) 高度や移動方向はILSに任せる。速度はその都度つまみを操作する使い方のまま。
ただし、(1)をスキップしたり(2)をスキップしたりする場合もある。ILSを使わない場合は当然(3)をスキップする。
いずれの使い方でも、フラップの制御は手動で行う。
速度はその都度つまみを操作して行うわけだが、本ゲーム内の旅客機は、レイアウトの関係上、つまみを用意していないため、速度だけはFMCに任せたままにしている (現実世界では、フラップを操作する度に毎回速度をつまみを操作して指定する。例えば、210ノット → 190ノット → 170ノット → 150ノット → 145ノット と段階的に指定して行く)。

PFは、速度が220ノットを切ったら、フラップを1°にするよう要求するために「flaps 1」と言う。
PNFは、それを言われたら「flaps 1」と復唱し、フラップレバーを1°の位置に移動する。
PFは、速度が200ノットを切ったら、フラップを5°にするよう要求するために「flaps 5」と言う。
PNFは、それを言われたら「flaps 5」と復唱し、フラップレバーを5°の位置に移動する。
PFは、速度が180ノットを切ったら、フラップを10°にするよう要求するために「flaps 10」と言う。
PNFは、それを言われたら「flaps 10」と復唱し、フラップレバーを10°の位置に移動する。
PFは、速度が160ノットを切ったら、脚を出すのを要求するために「Gear down」と言う(必ず「flaps 20」よりも先に言う)。
PNFは、それを言われたら「Gear down」と復唱し、脚の出し入れレバーを出す側に動かす。
続けて、PFは、フラップを20°にするよう要求するために「flaps 20」と言う。
PNFは、それを言われたら「flaps 20」と復唱し、フラップレバーを20°の位置に移動する。
PFは、速度が150ノットを切ったら、フラップを25°にするよう要求するために「flaps 25」と言う。
PNFは、それを言われたら「flaps 25」と復唱し、フラップレバーを25°の位置に移動する。

ただし、どれくらいの速度ならフラップを何°にすべきかは搭載重量により異なるので、上の説明に出て来た速度はあくまで目安である。

因みに、(1)を行う際、無線標識がVORの場合は、同時に進入方位を指定することで、まっすぐ向かわせずに、無線標識を通過するときの移動方向が指定進入方位になるように、回り込んで向かうようなコースで、向かわせることができる。
また、ILSに任せる状態にする際には、ND(Navigation Display)内のピンクの長方形の表示が動き始めた(ILSの電波が捕捉された)タイミングで、APRボタンを押す必要がある(タイミングが悪いと蛇行するようになる)。

着陸

PFは、滑走路の数キロ手前まで来ると、自動操縦を解除する旨を声に出して宣言して実際に解除し、手動での操縦を開始する。

対地高度(地面からの高度)は、PFD内の右上に白い数字で表示される。



着陸続行か中止かを決断するときの対地高度を決心高度と呼ぶ。
決断の基準は、決心高度の時点で滑走路が見えていれば続行、見えていなければ中止である。
PNFは、対地高度が決心高度に近付くと「Approching minimums」とコールする。
PNFは、対地高度が決心高度になったら「Minimums」とコールする。
PFは、「Minimums」がPNFによってコールされたら、着陸続行か中止かを決断し、続行を決断したときは「Landing」、中止を決断したときは「Go around」と返答する。
この返答は、すかさず行わなければならない(返答が遅れてはならない)。
PNFは、それが返答されたら、復唱する。
対地高度が決心高度になったら、GPWS(対地接近警報システム)も「Minimums」と(人工音声で)コールして来る。
PFは、着陸中止を決断したら、TO/GAボタンを押して上昇する。着陸続行を決断したら、以下のことを続ける。

PFは、滑走路に正対したら、PAPIの表示が 白,白,赤,赤 と見えるように高度を補正し続ける。
対地高度が100feetになったら、GPWSが「100(one hundred)」とコールして来る。
対地高度が50feetになったら、GPWSが「50(fifty)」とコールして来る。
50feet未満については、GPWSがどの対地高度でコールするかは実装により異なる。

PFは、滑走路端を過ぎたら、PAPIの表示にこだわらずに、降下速度を安定させ(無風時で毎分780feetくらいに固定(10ノットの向い風なら毎分727feet))、対地高度が15feetになったら、フレア(推力を絞りながら操縦桿を引く操作)を開始する。
Auto brake を選択しておくと(普通それを選択しておく)、主脚が接地すると同時に自動的にブレーキが掛かる。
PFは、ブレーキが掛かったら、操縦桿を押して機首を下げ、前脚を接地させる。
ただし、横風のときは、機首の向きが移動方向と一致していないので、接地と同時にラダーを動かし、機首の向きを移動方向に合わせてから、操縦桿を押す。

対地速度計(地面に対する速度を示す。PFD内の左下に白い数字で表示される)が20ノット以下になったら、着陸は完了である(これ以降はタクシー(地上移動)となる)。



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