雑学
蜃気楼って本当はどんな現象?
蜃気楼というと、ないものが見える現象のようなイメージがあるが、調べてみると、
・実際にあるものが浮いて見える。
・実際にあるものが歪んで見える。
・実際にあるものと一緒に倒立像(上下ひっくり返った像)が見える。
のような現象のことらしい。一瞬、大したことないなあと思った。
唯一、倒立像だけは面白そうだけれど、たぶん、倒立像が下側に見える現象、すなわち、
夏の陽射しに強い日にアスファルトの上に水が溜まったように見える現象のことだろう
と思い、「ああ、あれのことか、しょうもなー」と一度は思った。
ところが、倒立像が上側に見える現象も、あるらしい。
4月〜5月頃、富山県の魚津市から富山湾を挟んで対岸(能登半島)の建物を見ると、
月に何回かそれが見えるらしい。
倒立像が上側に見えたら、確かに、かなり異様な感じがして面白い。
倒立像が上側に見えるような場所は、世界中でも数えるほどしかないらしい。
しかし、なぜ富山湾なんだろう? そもそも、なぜ倒立像が見えるんだ?
調べてみた。
海面付近の空気が無茶苦茶に冷たく、上空の空気が温かいと、
対岸の建物から横方向少し上向きに発した光は、
冷たい空気と温かい空気の境界で、下向きに曲がる。
つまり、その境界が鏡のような働きして、上側に倒立像が見える。
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| | 右下の人は
∨∨∨∨∨ ・ 光がこちらからも来ている
|| ・ ように見える
|| ・ 温かい空気
 ̄ ・
―――――――――――――――――――――――――― 境界
_ ・ ・
|| ・ ・ 冷たい空気
|| ・ ・
∧∧∧∧∧ ・ ・
| | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ○
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ―+―
∧
/ \
境界といってもかなり幅のあるボヤッとしたものだろうから、
光の曲がり方もゆるーい曲線を描きながらだと思うけれど、
それでも、曲がり終えた結果は、上手い具合に反射したときと同じになる。
海面付近の空気が無茶苦茶に冷たくなるのは、海水が無茶苦茶に冷たいからだが、
日に日に上空の空気が温かくなれば、海水も一緒に温かくなりそうなものだ。
ところが、富山湾には、その時期、
北アルプスに溜まっていた大量の雪が一気に解けて一気に流れ込むので、
海水だけ無茶苦茶に冷たくなるなんてことが、あるわけ。
なるほど、特殊な地形のなせる技だったんですねえー。(^_^)