雑学

証言が矛盾してても両方真実(相対論)

       _____                    _____ 
      | 8:57:00|      ☆      | 8:57:00|
        ̄ ̄ ̄ ̄ ̄         爆弾          ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 


                A→
                       ←B


8:57:00 に爆弾が爆発して光を放った。時計はその光を浴びた瞬間分解した。しかし機能は維持された。
それを見ていたAさんとBさんは、以下のように証言した。

 Aさん:右の時計が先に分解し、その後、Bさんとすれ違い、その後、左の時計が分解した。
 Bさん:左の時計が先に分解し、その後、Aさんとすれ違い、その後、右の時計が分解した。

2人の証言は矛盾している。どっちが真実なんだ?

実は、どちらも真実なのだ。

しかし、何んか納得できない。
矛盾以前の問題として、そもそも光は2つの時計に同時に届くのだから、時計は同時に分解する筈だ。
光の動きはどう見えたのか、2人に聞いてみよう。

そしたら2人は以下のように証言した。

 Aさん:私を基準にして計ってみたけど、光はすべての方向へ秒速30万キロで広がって行った。
     ただ、時計と爆弾がもの凄い速さで左に動いていたから、右の時計に先に届いて、そうなった。

 Bさん:私を基準にして計ってみたけど、光はすべての方向へ秒速30万キロで広がって行った。
     ただ、時計と爆弾がもの凄い速さで右に動いていたから、左の時計に先に届いて、そうなった。

普通に考えると、
Aさんを基準にして計ったら、
左へは秒速30万キロより速くになり、右へは秒速30万キロより遅くなる筈ではないのか?
Bさんを基準にして計ったら、
左へは秒速30万キロより遅くになり、右へは秒速30万キロより速くなる筈ではないのか?

昔の人もそう考えた。
しかし、いくら計り直しても、必ず自分自身を基準にしてすべての方向へ秒速30万キロになる。
当時の人は、一体どうなっているのか訳がわからず、相当悩んだようだ。

ここで、アインシュタインという人が逆の発想をしたのだ。
「理由なんかはなく、自然界はそういうふうにできているんだ。
 必ず自分自身を基準にして秒速30万キロになる(すべての方向へ)ように、できているんだ。
 矛盾が生じるのは他の前提が間違っているからで、そっちの方を直さないといけないんだ。」

アインシュタインは、そう考えて大前提の方を変えて、矛盾が起きないパターンを考えたのだ。
そして、そのパターンをまとめたものが「アインシュタインの相対性理論」と呼ばれるものだ。

その中には、AさんとBさんの証言が正しいまま矛盾が起きないパターンも含まれている。それは...

Aさんから見た風景
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     ← | 8:56:51|      ☆      | 8:57:09|  爆発した瞬間
         ̄ ̄ ̄ ̄ ̄         爆弾          ̄ ̄ ̄ ̄ ̄   

  ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
      _____                   (_(___     
   ← | 8:59:51|      ☆        9:00:09|    Bさんとすれ違った瞬間
       ̄ ̄ ̄ ̄ ̄         爆弾        ( ̄ ̄ ̄( ̄     
                              分解している
  ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

Bさんから見た風景
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    _____                    _____       
   | 8:57:09|      ☆      | 8:56:51| →    爆発した瞬間
     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄         爆弾          ̄ ̄ ̄ ̄ ̄       

  ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
      ___)_)                   _____     
     | 9:00:09       ☆      | 8:59:51| →  Aさんとすれ違った瞬間
       ̄) ̄ ̄ ̄)        爆弾          ̄ ̄ ̄ ̄ ̄     
     分解している
  ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

なんと、右の方と左の方では、見えている時刻が異なっているのだ。
しかも、その異なり方が、AさんとBさんで食い違っている。
すれ違った瞬間は同じ場所にいる筈なのに、その瞬間であっても食い違っているのだ。
時計の表示が異なっているのと混同してはいけない。見えている時間そのものが異なっているのだ。
何か、もの凄く奇妙に感じるが、こちらの方が自然界の本当の姿なのだ。

相対性理論は、他にもいろいろパターンに触れているが、
それらは、正しいか否かを検証するレベルではなく、カーナビなど、すでに世の中で利用されている。

それにしても、アインシュタインっていう人は、
みんなが疑ったこともない大前提の方を疑ってかかるなんて、ほんと、変な人ですね。(^_^)


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