雑学
カラー放送移行後もなぜ白黒テレビOK
白黒テレビは、白黒放送用の電波が送られて来るのを前提に作られている。
その白黒テレビに、カラー放送用の電波が送られて来ても、
映像情報が白黒放送時の3倍(赤、緑、青の3つ)に圧縮されて送られて来るわけだから、
でたらめなものしか映らない筈だ。
ところが、実際にはそれなり映る。
カラー放送用の電波を白黒放送用に変換する機能が入っているからだと思うかもしれないが、
まだカラー放送がなかった時代に作られた白黒テレビでもそれなりに映るので、
そういう理由ではない。
なぜだろう?
実は、カラー放送では、映像情報を、色なしの明るさの情報と色の情報に分けて送っていて、
しかも、
色の情報は、明るさの情報用の信号の中に、人間の目ではわからない形で紛れ込ませているのだ。
もちろん、明るさの情報用の信号は、白黒放送用と同じ形式にしてある。
それでは、どうやって、人間の目ではわからない形で紛れ込ませているのか?
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○○○●○●○○○
○○○●○●○○○
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○○●○○○●○○
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上の図がテレビ画面だとすると、映像情報は、
1行目の左から右
2行目の左から右
3行目の左から右
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という順で送る。
その中の明るさの情報用の信号の4行目の部分を書くと、下図のようになる(縦軸は明るさ)。
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画面外 画面内 画面外
そこに、色の情報を下図のように紛れ込ませている。
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画面外 画面内 画面外
実際には、人間の目ではわからないくらい細かく上下させていて、しかもサインカーブである。
画面外の上下振動は基準用のサインカーブで、
画面内の上下振動はその位置の色情報のサインカーブである。
そして、基準用のサインカーブと色情報のサインカーブの位相差で何色かを表している。
位相差とは、波形のずれが、一周期に対してどれくらいの割合かを表したものである。
しかしまあ、考えてみれば、
カラー放送に移行したと同時に白黒テレビにでたらめなものしか映らなくなったら、
白黒テレビをもっている人達が暴動を起こしますから、当然の処置なんでしょうが、
それにしても、
赤、緑、青の3つの信号を送る方式より画質が落ちるわけで、少し悔しい気がしますねえ。(^_^)