雑学
図書券で買うとおつりをくれない理由
小さい書店で本を買うと、図書券を価格より多目に出してもおつりをくれないことがある。
つまり、図書券は価格より少な目に出して、不足分は現金で払ってほしいという意味。
何かセコイような気もするが、
実は、これには深い事情があって、これをセコイといってしまうと書店がかわいそうなのだ。
図書券を発行しているのは、日本図書普及株式会社というところである。
書店は図書券を、日本図書普及株式会社から定価の5%引きで買い、定価で消費者に売っている。
ただし、本の支払いで図書券が使われることもあるから、
消費者に対する収支は、消費者に売った分と本の支払いで使われた分の差額になる。
手元に残った分は、日本図書普及株式会社に定価の5%引きで引き取ってもらえる。
例えば、消費者に対する収支が+100万円だった場合、以下のようになる。
(Aは、日本図書普及株式会社にそのまま返した分だから、いくらでも結果は同じ)
日本図書普及株式会社から購入 − 95−A
消費者に対する収支 +100
日本図書普及株式会社の引取り +A
―――――――――――――――――――――
全体の収支 + 5
ここで聡明な方はお気づきだと思うが...
もし、消費者に売った分よりも、本の支払いで使われた分の方が多かったら、どうなるか?
例えば、消費者に対する収支が−100万円だった場合、以下のようになる。
(Bは、日本図書普及株式会社にそのまま返した分だから、いくらでも結果は同じ)
日本図書普及株式会社から購入 −B
消費者に対する収支 −100
日本図書普及株式会社の引取り + 95+B
―――――――――――――――――――――
全体の収支 − 5
なんと、5万円の損失になってしまう。
図書券を消費者にほとんど買ってもらえないような小さい書店が、
本の支払いで図書券を使われるのを嫌がる気持ちもわかる。
しかしまあ、裏では5%引きで取り引きされてるなんて、思ってもみませんでした。(^_^)