雑学
市販望遠鏡のレンズはなぜ2枚重ね?
望遠鏡は、レンズを筒の両側の端に1枚ずつ取り付ければ出来上がる筈である。
ところが、市販されている望遠鏡は、眼と反対側には2〜3枚重ねて取り付けられている。
大抵、凸レンズに凹レンズが重ねてある。なぜ、そんな面倒なことをしているのだろう?
それは、レンズを重ねずに作った望遠鏡で、白と黒の境界のあるものを見てみればわかる。
境界の部分が色付きで見える筈だ。
ピントを調整しようとして、青色を消すと赤色が残り、赤色を消すと青色が残る。
これは、光がレンズで屈折させられたとき、無数の色に分かれて少し広がってしまい、
色によって、ピントの合う位置が異なってしまうからだ。
この現象は、屈折率が色によって異なることが原因で起こる現象で、色収差と呼ばれている。
凹レンズが重ねてあるのは、その色収差を補正するためなのだ。
ただし、どんなに上手く重ねても、色収差はどうしても残ってしまう。
色収差をさらに小さくしようと思ったら、レンズの材質を変えるしかない。
だから、値段の高い望遠鏡には、石英レンズやEDレンズが使われているのだ。
石英レンズやEDレンズを使うと、色収差をほとんどなくすことができる。
値段が高いだけのことはあるのだ。
私はEDレンズの双眼鏡を持っているのですが、なぜあんなに高いかわかりました (^_^)