雑学

高速増殖炉に安全装置不要は本末転倒

普通の原子炉に代わるものを実現しようと、高速増殖炉の実験が再開されようとしている。

ところが、暴走したときに自動的に緊急停止させる安全装置が、高速増殖炉には付いていないのだ。
普通の原子炉にはそれが付いているのに、高速増殖炉には付いていない。

その理由が驚きである。なんと、

   付いていても、どうせ間に合わないから 

暴走したときのための安全装置も作れないのなら、計画を中止するのが普通だと思うが、
暴走しないことを無理矢理前提にして、安全装置を付けないことにするなんて、本末転倒である。

高速増殖炉で使われる原料は、普通の原子炉の原料に比べ、暴走のスピードが 250 倍ある。
普通の原子炉で1秒かかって上がる温度まで、高速増殖炉なら 0.004秒で上がってしまう。
こんなものを制御し切れるのだろうか?

しかも、熱を取り出すのに液体ナトリウムを使っているので、漏れて空焚きになる危険性大なのだ。
発電用のタービンを回すには水を使っているので、熱を液体ナトリウムから水に移すために、
液体ナトリウムの細い管と水の細い管が多数入り乱れている装置があるが、
液体ナトリウムは水と触れただけで爆発するので、ちょっとしたきっかけで、
その装置が粉々に破壊されて、液体ナトリウムが炉から全部抜けて空焚きになる危険性大なのだ。

ここまで危険をおかしてするほど価値があるのだろうか。とても割が合うとは思えない。

しかしまあ、まさに無理矢理という感じですね。今は頓挫してますが再開されるのが怖いです (;_;)


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