雑学

超伝導の電気抵抗ゼロは大袈裟では?

物質の温度を下げて行くと、ある温度で、突然、超伝導状態になって、電気抵抗がゼロになる
と言われているが、いくらなんでも「ゼロ」というのは大袈裟ではないか?
その温度以下でも原子は振動しているのだから、電子がぶつかることだってある筈だ、
と言いたくなる。

ところが、その温度以下になると、本当に正真正銘のゼロになるらしい。

そもそも、電気抵抗があるのは、電子が原子にぶつかるからなんだろうか?

正確にいうと違う。
電子はマイナス、原子はプラスの電荷を持っているので、電子は原子に引かれる。
電気抵抗とは、電子が原子の間を通り抜けて行った結果、電子の速さが遅くなることだが、
惑星の間を彗星が通り抜けて行くときと同じように、
離れて行くときの速さは、近づいて来たときの速さと同じになり、遅くはならない。
ただし、物質が激しく振動していると、つまり、原子が激しく往復運動していると、
通り抜けて行くときの軌道が乱されて、離れて行くときの速さが遅くなる。
これが電気抵抗である。

この説明から、
絶対零度にすると電気抵抗がゼロになるのは、原子の往復運動が完全になくなるからだ、
と思いたくなるが、それが、そう単純ではないのだ。
原子の間を電子が通り抜けたとき、原子の方も電子に引き寄せられて、往復運動が始まる。
絶対零度でも、電流を流せば原子が往復運動を始めてしまう。理由は他にある筈だ。

実は、原子がほんの少し往復運動したままでも電気抵抗がゼロになる理由がちゃんとある。

原子の間を電子が通り抜けた直後は、
原子がそこに集まって、そこだけプラスの電荷が多目になり、
少し経つと、原子はそこから離れて、そこだけプラスの電荷が少な目になる。
別の電子が、
プラスの電荷が多目になったときにやって来て、
プラスの電荷が少な目になったときに離れて行ったらどうなるか?
近づくときに引かれて加速され、離れて行くときに引き戻されて減速されるが、
加速の度合いの方が、減速の度合いより大きくなり、
離れて行くときの速さの方が、近づいて来たときの速さより速くなる。
つまり、前の電子から奪われたエネルギーを取り返すことができる。
超伝導状態では、そういう現象が起こっているらしいのだ。

その結果、トータルで見ると、電気抵抗がゼロになっているのである。

しかしまあ「超伝導で電気抵抗がゼロ」のゼロが正真正銘のゼロだなんて、ほんと驚きました (^_^)


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