雑学
理科年表に光の速さが載ってない理由
光の正確な速さを調べようと思って理科年表の中を捜しても、なぜかどこにも載っていない。
光の速さはあらゆる現象の基本の筈だ。それが載っていないなんて、一体どうなってるんだろう?
実は、理科年表の中に、違った形で載っているのだ。それは...
1mとは、光が 1/299792458 秒の間に進む距離。
これは、光が 1/299792458 秒の間に進む距離を1mと定義する、と言っているのだ。
言い換えると、光が1秒の間に進む距離を 299792458mと定義する、と言っているのだ。
普通に考えると、
光が1秒の間に進んだ距離を、他で作った物差しで測って、これが光の速さだ、と言うのが自然だ。
ところが、実際には、
光が1秒の間に進んだ距離に合わせて物差しを作れ、
物差しを作るときは、光が1秒の間に進んだ距離に合わせて 299792458mとなるように目盛りを付けろ、
と言っているのだ。
つまり、理科年表は、
1mが実際にはどれくらいなのかは、光の速さを基準にして取得してくれ、という考え方なのだ。
昔は、1mが実際にはどれくらいなのかは、メートル原器という棒を元に取得していた。
ところが、メートル原器は、ほんの僅かだが温度によって長さが変化する。
今日のように各種機械の精度が異常に高くなって来ると、その変化の量が無視できなくなり、
基準としては使い物にならなくなったのだ。
そこで、
絶対に変化しないものはないか捜した結果、光が一定時間に進む距離に白羽の矢が立ったわけだ。
もちろんこれは、
1秒の長さも、絶対に変化しない方法で規定されているからこそ成り立つ話なのだが...
光の速さを基準に1mの長さを規定しているのだから、光の速さが秒速何mかなんて測りようがない。
そういうわけで、光の速さの測定値は理科年表から消えたわけだ。
しかしまあ、
一体いつの間に光の速さの方を基準にするようになったんでしょうね。いやー驚きました (^_^)