雑学
役目終えた宇宙ステーションの捨て方
宇宙ステーションは、人間が暮らすための広さや設備が必要なので、どうしても大きくなってしまう。
例えば、ロシアの「ミール」は、全長13m、直径4.3mもある(下図は予備機。展示用に一部改造あり)
しかも、絶対に空気が漏れてはいけないので、壁はかなり頑丈に作られている。
そういうものが大気圏に突入すると、バラバラになっても、燃え尽きずに地面まで落ちて行く。
役目を終えたからといって、自然に任せて放っておくわけには行かないのだ。
「ミール」も役目を終えたので処分しないといけなくなったのだが、
実は、今年(2001年)の3月に処分された。
そのときの方法だが、ニュージーランドと南米の中間あたりの海に落としたのだ。
もちろんバラバラになって、破片はかなり広い範囲に広がって落ちた。
それで、なぜ被害が出なかったのかというと、その辺一帯には島がなく全く人が住んでいないからだ。
というより、地球上で全く人が住んでいない地域がそこだったので、
ピンポイントで正確にそこに落ちるように逆噴射を制御して、狙い通りにそこに落としたのだ。
落とすだけとはいっても、
北海道から九州まで数分で移動するくらい速いものを落とすのだから、高度な技術は必要である。
しかしまあ、技術の粋を集めたものの捨て方がそんな荒っぽい方法だなんて、何か笑えますねえ (^_^)