雑学

ビリヤードの押球のキュー切れの要因

ビリヤードにはキャロムビリヤードとポケットビリヤードがあるが、ポケットビリヤードは、
キュー(棒)で手球(白球のこと)を突いて色球に当て、色球を穴(ポケット)に落して行くゲームだ。
大抵、色球を落すと同時に、次の色球を落しやすい(落ちるような当て方をしやすい)ところに
手球が停まるようコントロールする。

例えば、下図のような配置になったとする。
そして、○を突いて、左の●を先に落してから、右の●を落さないといけないとする。

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  | |                     | |
  | |                     | |
  | |        ●            | |
  | |           ○         | |
  | |                    ●| |
  | |                     | |
  | |                     | |
  |/ _________  _________ \|
  | /         | |         \ |
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ここで、○の真中を突いてしまうと、○は滑りながら無回転で左の●に当たって停まり、
少しだけ進行方向左に弾けて、テーブル中央の少し左下あたりで停まる。
これでは、右の●を落すにはクッションで跳ね返らせる以外になく、異常に難しくなってしまう。

そこで、大抵は、○の上を突く。
すると、○は前進回転しながら左の●に当たって一旦停まるが、
停まったまま前進回転し続けているので再度転がり始め、
左上の穴の少し下のクッションに当たって跳ね返って右に転がり、
テーブルの右上あたりで停まる。
これなら、右の●を落しやすくなる。

このように前進回転をかけて再度転がり始めるようにすることを、「押球」という。

ただし、前進回転が不充分だと、テーブルの左や中央あたりで停まってしまう。
そこで、どれくらい強い回転をかけられるかが問題になるわけだ。
どれくらい強い回転をかけられるか、つまり切れ味のことを、「キュー切れ」をいう。

手球の上を突けば突くほど強い回転をかけることができるが、
あまり上を突き過ぎると、キューの先が滑ってキューの側面が手球に当たり、反則になる。
だから、そうならない範囲でぎりぎり上を突くわけだが、そのことに関して、
「上手い人は、球の移動速度を上げずに回転だけ強烈にかけることができる」と言われている。

ところが、ある人が実験した結果、これが誤りであることがわかったのだ。
この実験でわかったことは、
球が転がっている状態の回転速度が最大であり、回転速度だけ速くすることは不可能である。
回転速度を上げたければ、球の移動速度自体を速くする以外に方法はない。
ということだ。

昔、エフレン・レイズが強い前進回転をかけるところをすぐ近くで見たことがあるが、
手球は、色球に当たった後、転がるというより、まるで生き物のように走っていた。
じっくり思い出すと、確かに、色球に当たるまでの球の移動速度も異常に速かったように思う。

しかしまあ、手球をどれだけ自由自在に操れるかは、
どれだけ強く突くことができるかにかかっていたんですねえ (^_^)


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