雑学
電車のブレーキは空気が抜けると掛る
運転席でブレーキをかけたとき、全部の車両にどうやって伝えているか、
大抵は、車両同士を管で結んであって、管の中の空気の圧力を上げたり下げたりして伝えている。
もちろん、この管は先頭の車両から末尾の車両まで一本になっている。
これらのことはほとんどの人が知っているので、電車の乗るとき、
「もしあの管から空気が抜けたら、ブレーキが掛からなくなるんじゃないのか...」と不安になる人もいると思う。
しかし、安心していい。もしあの管から空気が抜けたら、逆にブレーキが掛かってしまうのだ。
実は、ブレーキを掛けるとき、運転席では空気を抜いているのだ。
各車両のブレーキの部分は、大体、下図のような構造になっている(あくまで構造図なので、配置は実際とは異なる)。
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■■■ 空気タンク コンプレッサー
ブレーキを掛けているのは、車輪近くにあるコンプレッサー(空気タンク付)であり、
管の中の空気は、車輪近くのコンプレッサーがブレーキを掛けようとするのを押し戻すために使われているのだ。
そういうわけで、管から空気が抜けたという理由で、ブレーキが掛からなくなるということはないのである。
それでは、コンプレッサー側の空気が抜けたら、ブレーキが掛からなくなるのではないか!?
ところが、そんなことがすべてのコンプレッサーで同時起こるなんてことはないから、大丈夫なのだ。
少なくとも、2両編成以上であれば、あるいは、1両編成でも1両にコンプレッサーが2個以上あれば、大丈夫だ。
というか、大丈夫になるように、わざわざこういう凝った構造にしているのである。
しかしまあ、
まさか、走行中ずっと、あの管で圧力を掛けっぱなしにしてるとは思いませんでした (^_^)