雑学

天動説は信じても無理もないほど巧妙

天動説とは、地球は動かずに、他の惑星や太陽だけが動いているという説だ。

ここで注意しなければならないのは、天動説でも地球が自転していることだけは認めているので、
他の惑星や太陽が動いているというのは、飽くまで、恒星を基準にしたときの動きのことを言っている点だ。
例えば、天動説では、太陽は、地球を中心とする円周上を西から東に動いていて、一年かけて一周する、
と言っているのだ。

それでは、惑星の動きは?
これも、基本的には、地球を中心とする円周上を西から東に動いている、と言っている。

しかし、惑星の実際の動きは非常に複雑で、円周上を単純に動いているだけにはなっていない。
天動説で言っていることは、実際の動きと合わない筈だ。昔の人はなぜ天動説なんか信じたのだろうか?

実は、天動説では、地球を中心とする円周上を、惑星自体ではなく周転円の中心が動いていて、
その周転円の円周上を惑星が動いている、と言っているのだ。

    

これなら、惑星の実際の動きにかなり近くなる。これを初めて思い付いた人は凄いと思う。

ただし、一つ奇妙なことがある。
周転円の中心から惑星を見たときの方向が、
どの惑星についても、地球から太陽を見たときの方向と同じになっているのだ。
つまり、周転円の円周上の惑星の動きは、太陽の動きと連動しているのだ。

何んとなく不自然だと感じないだろうか?

上の図では、周転円の大きさが惑星によって異なるように描かれているが、
これらの大きさは作図の際に適当に決めたものであり、
地球を中心とする円の大きさと周転円の大きさの比率さえ変えなければ、
どんな大きさにしてもかまわない筈だ。
そこで、周転円の大きさが、すべて同じになるように描き直してみる。

    

この図を眺めていて、何か気づかないだろうか?

そう、すべての惑星が周転円で同じ動きをしていると考えるより、
地球の方が逆向きに動いていると考えた方が自然ではないだろうか?

惑星が周転円の円周上を動く動きとは、
実は、地球が太陽を中心とする円周上を動く動きがそのまま現れただけのものだったのである。

しかしまあ、天動説も結構よくできているんですねえ。地球を無理矢理止めたところ以外は... (^_^)


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