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和書 1093102 (123)



プラグマティズム (岩波文庫)
販売元: 岩波書店

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)

私は、本書を読むまでは「プラグマティズム」という言葉に否定的なイメージを抱いていた。何か、軽佻浮薄な考え方のように感じていたのだ。しかし、本書を読んですぐにこの誤解は解けた。プラグマティズムとは、真摯な哲学的問いの末に生まれた方法論なのだ。

ジェイムズの基礎たる主張は次のようなものである。
世界は一であるか多であるか、宿命的なものであるか自由なものであるか、これらはどちらも世界に当て嵌まるかもしれないしまた当て嵌まらないかもしれない観念であって、この論争は果てることがない。しかし、今もし一つの観念が他の観念よりも真であるとしたならば、実際上われわれにとってどれだけの違いが起きるであろうか。もしなんら実際上の違いが辿られえないとするならば、その時には二者どちらを採っても実際的には同一であることになって、全ての論争は徒労に終わるのではないか。

ジェームズは真理というものを相対化して、真理とは実生活において有用であるかどうかである、と言う。その人がその観念を真理だと思えるかどうかが大切なのだということである。ジェームズにとって哲学とは「傍観者的なひややかな真理の探究ではなく、生活の基底そのもの」であり、「彼が生きていくための信仰ないし信念」であった(本書訳者解説より)。彼にとって哲学は、彼を救うものであったのだ。そして、プラグマティズムとはそのための方法論だったのだ。私はこのジェームズの哲学に対する態度に敬服せずにはいられない。

哲学の役割ないし目的をどのように捉えるかによって、好き嫌いは分かれるかもしれない。しかし、本書のメッセージの強烈さはまさに不朽であると言ってよいだろう。哲学をする際には必ず読むべき書物であろう。




宗教的経験の諸相 上 (1) (岩波文庫 青 640-2)
販売元: 岩波書店

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プラグマティスト、ジェイムズの講演録。
講演なのでわかりやすい。


以下概要(下巻もまとめてレビューする)

1章     宗教心の起源は重要ではない。宗教の価値は、それが与える果実によって決まる。
2章     宗教は、苦痛を幸福に変える。
3章     知覚出来ないものの現前(を準認知すること)は宗教へとつながる。人は合理的なものより不合理なものを信じやすい。
4・5章   ある種の宗教は、悪の存在を無視し、世の中の善・正しさを頭から信じることで、実際善い状態になっていく。
6・7章   別の種の宗教は、世の中の本質は悪(失敗)であると見て、そのため反省、悪からの回避、人生への絶望へと至る。
8章     人格統合には、急進的変化と漸進的変化がある。
9章     回心とは心の関心・焦点の変化である。回心には、意識的なものと無意識的(自己放棄的)なものとがある。
10章    急激に起こった回心は、その人にとって決定的で忘れがたいものになる。
11〜13章 宗教は、人を愛・禁欲(自己犠牲)・純潔へと至らしめる。
14・15章 宗教は、知性を持ち合わせていないとアンバランスで偏狭な状況へと人を追いやるが、知性があるならば社会的にきわめて有用である。
16・17章 神秘主義とは、自己と世界・宇宙の同一化の経験である。
18章    宗教は個人的なものであるゆえ論証不可能なものであり、したがって哲学はこれを取り扱えない。
19章    宗教において、祈りは成就の感覚を獲得する役目を果たす。
20章    宗教は、個人の内から起こる感情の知覚によるものであるため、自己中心的である(もっとも、実在はすべて自己中心的なものだが)。したがって、宗教は科学で乗り越えられるものではない。宗教とは、個人の潜在意識から起こるものだが、それは「より高いもの」によって起こされた、つまり外から起こされた、と感じられるものである。



宗教に関する刺激的な叙述が多い。
具体例が多いため、いささか冗長だが、良書である。




宗教的経験の諸相 下  岩波文庫 青 640-3
販売元: 岩波書店

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 プラグマティズムの代表格ジェイムズの主著。
 心理学者であり神学者の家庭で育ったジェイムズは宗教感情を生き生きと描いている。
 上巻で回心までの過程をあつかったジェイムズは下巻で宗教者が外に向かってどのような態度をとるのか。そして大衆がどのように「宗教」を受け取るのか見事に論じている。
 なお本作はシュライエルマッハーの『宗教論』とともにルドルフ・オットーの『聖なるもの』で度々引用されている。『聖なるもの』に入る前に読んでおくといいだろう。




啓蒙の弁証法―哲学的断想 (岩波文庫 青 692-1)
販売元: 岩波書店

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言わずもがなの古典的名著。んで、その翻訳。
長らく日本語訳がなく、やっとこ、それが出て、
なんと文庫本で読める時代になった。
ナチの時代に直面し、「なんで、こうなった?」ということを、
現在の状況からでは想像できないほど、死ぬほど考えてできた著作です。

まずですね。超難しいです。そもそも原著のドイツ語が晦渋を極める。
よって、その翻訳もまた晦渋を極める。内容を本気で理解するのであれば
しっかりした人に講義をしてもらって読むべし。

単独で読んで、難しいとか、読む必要がない、とか言う人は
単純に勉強が足らんだけですわ。一種の散文なので、裏の意味とか、
背景がわからないと当然わかりません。

某先生の講義で輪読したことがありますが、そのあたりの解説も頂けて、
非常によくわかりました。アドルノが死ぬほど考えて書いた著作を
ストレートに読んで、すんなり全部わかるわけないでしょ。

まずは、格闘する文献。書いてる人が、そうなんだから、そう読む本。





聖書物語 上巻 (1) (岩波文庫 青 821-1)
販売元: 岩波書店

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戦前の少年向け啓蒙書であるが、いくら何でもという生硬な訳文が目立つ。
新訳はないものかと思ったら、児童書版元から出ている。
とはいえ、本書はキリスト教文化に未だに馴染みのない者にとっては、まことに有り難い一冊だ。旧約聖書が扱われているこの岩波文庫版の上巻を読んでいると、情け容赦ない不条理世界の論理がザラザラとする文体によって迫ってくる思いだ。
そして、その世界の不可解不条理な論理は、現代社会とさほど変わらないのではないかという思いもわいてくるのだ。
著者は19世紀に生まれ、20世紀の前半に生きた人だ。神学的な、あるいは信仰によるバイアスは殆どない客観的な視点を持っている。科学的とさえ言える文体だ。
ひょっとすると、本書は最もすぐれたキリスト教入門と言えるのかもしれない。




聖書物語 下巻 (3) (岩波文庫 青 821-2)
販売元: 岩波書店

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ファウスト 第1部 (1) (岩波文庫 緑 6-1)
販売元: 岩波書店

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 わたしはこの本を読んだわけではありませんが、森鴎外訳ファウストを呼んだことがあります。
 今までに六人ぐらいの翻訳を読みましたが、鴎外訳が最高だと思います。




宇宙はなぜあるのか―新しい物理学と神 (岩波現代選書 NS (547))
販売元: 岩波書店

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パサージュ論 (岩波現代文庫)
販売元: 岩波書店

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パサージュ論 第2巻 (岩波現代文庫)
販売元: 岩波書店

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