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和書 1094378 (37)



撃墜―大韓航空機事件 (上)
販売元: 講談社

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撃墜―大韓航空機事件 (下)
販売元: 講談社

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下下戦記 (文春文庫)
販売元: 文藝春秋

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今年は水俣病の「公式確認」50年ということで、雑誌やテレビなどで幾つかの特集がやっていた。それらの特集で「現在の課題」として語られていたのが、「患者は保証金では救われない、社会参加と福祉をもっと考えていかねば」ということだった。私はそれを見て当惑してしまった。正直、「今さらそんなことが課題なの?」と途方に暮れてしまった。

なぜなら、「患者は保証金では救われない、社会参加と福祉をもっと考えていかねば」なんてことは、患者たちと著者が「下下戦記」(初出1980年)で既に繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し主張していたことだったからだ。

「下下戦記」は”異色”の水俣病ルポタージュとされている。その異色さは、「患者たちの生活を赤裸裸」に描いた点にあるとしばしば表現される。しかし私が表現するならば、「下下戦記」は患者たちを「聖なるもの」として描かず「俗なるもの(=わたしたちと余り変わらないもの)」として描いたという点にその”異色”さがある。そして、「俗なるもの」として描いた故に「患者は保証金では救われない、社会参加と福祉をもっと考えていかねば」という「当事者の叫び」が聴こえてくるのだ。

患者たちを「聖なるもの」として描かず「俗なるもの(=わたしたちと余り変わらないもの)」として描いたこの「下下戦記」のスタンスは、水俣病の必読文献として頻繁に挙げられる「苦海浄土」のスタンスとは正反対と言えるかもしれない。私は「苦海浄土」は水俣病を「文学化」することには成功していると思うけれども、患者たちを「聖なるもの」とみなすことにより「当事者の声」を美化し封じ込めた罪もまたあると思っている。

「下下戦記」は「水俣病患者の性」についても語られているためか、水俣病の必読文献として挙げられることは余りない。それは「性」を語ることがタブーであった1980-90年代では無理もないことだったかもしれないが、(例えば「障害者の性」の問題がタブーではなく実は本質的な問題であることが認識されつつある)2006年の現在であるならば、「下下戦記」ももっと”まっとう”に評価されうると思うし、評価されてしかるべきだと思う。是非一読をおすすめしたい。

#意外に思うかもしれないが、「下下戦記」は「水俣病」という文脈を離れても、非常に優れたひとつの「青春グラフティ」としても読めると思う。「水俣病」という「地獄」の中で悶えながらも悲喜こもごもに輝く青春の姿がここにはあり、それは感動的と言ってもよいと思う。(私はサイバラリエコにこの「下下戦記」を是非マンガ化してほしい、と思ってしまった。「下下戦記」は貧しくもたくましい西日本の漁村における青春グラフティでもあるのだ。)




下下戦記(げげせんき)
販売元: 白水社

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吉田司氏はこれで大宅壮一ノンフィクションを受賞した、と帯にあります。
実質的なデビュー作であり、吉田氏のこの後の著述活動の原点なのでしょう。

とにかく圧倒されるのは、取材対象(といっていいものかどうか?)に対する没入の仕方が生半可ではありません。
若い患者の『運動』を支援するためとはいえ、地元の人間からもあらゆる偏見・貧乏という理由で忌み遠ざけられている患者達と正に全身全霊のやりとりを若き吉田氏は行っていきます。
同じ言葉を使い、同じ釜の飯を食い、自分の寝床を彼らに解放して・・・。

そうして聞き取った彼らの叫びは彼らの語った言葉のママ、訛りもどもりも全てそのまま記録されています。
だから最初は少し読みにくいかもしれません。
ただ水俣の若い患者が直接魂から雄叫びをあげているような臨場感があって、こんなモノを読んだことがありません。
患者の一人が恋人にふられた後で書いた直筆の手紙が、直筆のまま掲載されていますが、こんなに心が震えるような文章を人間がかけるのかと思います。

でも、ま、ぶっちゃけていうと、若い水俣病患者でも恋をする、ってのが一番の読ませどころですかね。
恋愛ドラマのさなかでは吉田氏は完全に狂言廻しの役目を引き受けております。ちょっとニヤリとするとこも多いですよ。

当時の吉田氏は・・・20代前半・・・!
これほどまでに『書く』ことを宿命的に引き受けている人が多ければ、ジャーナリストとやらも少しは信頼できるのに。




原色の愛に抱かれて―リゾート・ラバー・シンドローム (青春文庫)
販売元: 青春出版社

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原色の愛に抱かれて―異国のJAPANESE
販売元: 青春出版社

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夢の科学工房(オペレーション・ドリーム)探検 (現代を読む)
販売元: 時事通信

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投手・桑田真澄の青春 (現代教養文庫―ベスト・ノンフィクション)
販売元: 社会思想社

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光ほのかなれども―二葉保育園と徳永恕 (現代教養文庫―ベスト・ノンフィクション)
販売元: 社会思想社

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極道が神を信じる時 (幻冬舎アウトロー文庫)
販売元: 幻冬舎

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「極道」、一般人からみたら、暴力団、世間からのはみ出しモノ、あるいは渡世人、任侠、いろんなイメージがあると思うが、「極道」が信仰という神前に懺悔する姿にわたしは興味を抱いた。

組織に属するとはいえ「極道」は孤独である、組織の秘密を背負ってひとり懲役に行くことも多いだろう、翻って信仰とは個人と神との対話によって成り立つものであり、組織的な信仰などありえないとわたしは思っている、しかし「極道」も組織を重んじる、重んじるがゆえ日本的な組織宗教として神を信仰するのか・・・?

ごく私的なその答えを、本書で見出せはしなかったが、神にすがるその想い(信仰姿勢)は「極道」もその生き方を選ばなかった人間にも普遍的にあるのだという宗教の偉大さ(寛容さ)をあらためて感じた。


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