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和書 1094378 (59)



ストロベリー・ロード〈上〉 (文春文庫)
販売元: 文藝春秋

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カリフォルニアのイチゴ畑から始まる作者の<アメリカ>は、<アメリカ>であってアメリカでない。
あるもの・ことに対する幻想と現実、人はその現実にぶち当たらないかぎりその本質は見えてこない。国とは、そこで暮らすこととは、そこで暮らす人とは、そして自分とは、いったいなんなのか。
作者にとってのこういったことのすべてが<アメリカ>に詰まっているように思う。
18歳の作者が小さな挫折を繰り返していく中で感じた<アメリカ>が、イチゴ畑をとおして生き生きと、むしろ生々しい程鮮やかに広がる。




ストロベリー・ロード〈下〉
販売元: 早川書房

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ストロベリー・ロード〈下〉 (文春文庫)
販売元: 文藝春秋

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著者は日本におけるノンフィクションのアメリカもの大半は「フルブライト留学記」か「グレイハウンド旅行記」に大別できると書く。しかし、本書はどちらにも組せず、著者が入り込んだカリフォルニアの日系移民社会を描いたものである。

フルブライト系もグレイハウンド系も米社会にとっては良かれ悪しかれ「ゲスト」であるが、著者は移民として(正確には移民した兄を追って留学)滞在したため、良かれ悪しかれ内部者として扱われる。そのため、アイデンティティの危機に苛まれながらも、(それ故に)同時に60年代後半のアメリカ社会をえぐる鋭い描写が展開されている。特筆すべきことは、何よりもユーモラスに語られていることである。

著者は最後にアメリカ人になるためには国家のボーダーを超えた後に言語や習慣などによって細分化される様々な社会のボーダーに直面することであると結論付ける。

そのような社会の重層性は(アメリカが顕著であるが)アメリカに限ったことではないであろう。読者は笑いながら読み終えてみると、自らがどのボーダーを越え、どのボーダーに留まっているのかを考えさせられるのではないだろうか。国境を越える、越えないにはかかわらず。




スパイM―謀略の極限を生きた男 (文春文庫)
販売元: 文藝春秋

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高校時代、面白くもない日本史の授業の合間、教師がポツリといった文句が甦ってきた。曰く「日本共産党は特高が作ったんだよな…」。何をバカなとガキの身上で思ったわけだが、本書を一読後、彼の言葉がある意味で正しかったのが、今更ながら確認できた。本書は「スパイM」こと松村昇=飯塚盈延の生涯を、昭和7年前後のいわゆる「非常時共産党」の内部事情とともに描いてゆく。とにかく一驚するのは、当時の党の戦略や行動を軒並み松村が動かしていたことであり、特高のスパイであった以上当然のことだが、それは体制側にほぼ筒抜けだったことである。それどころか、特高の指示を受けて松村が党を動かしていた節もあり、さらに極めつけは、党最高幹部クラスの人事をも特高が掌握し、その意見を貫徹できたというのだから驚きだ。作中、Mを操っていた特高課長の部下が「これではまるで“官製共産党”ではないでしょうか」と洩らす記述があるが、この言葉に当時の共産党の位置が極めて明瞭に示されているように思える。非常に興味深い一冊だが、彼の人生を中心に追ったため、敗戦直後から平野謙などが追及したハウスキーパー制度や、リンチ事件など、当時の共産党自体の動きにはやや情報を欠くところがある。それでも、半ば忌避されてきたMの相貌が、手軽に文庫で読めることは大いに歓迎すべきだろう。




復活―十の不死鳥伝説 (Number BOOKS)
販売元: 文藝春秋

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 本作品は、一度は頂点に立った、あるいは近づいたものの、様々な理由により挫折を味わったスポーツ選手が復活を果たすまでを描いた短篇集である。
 近年の著者の作品は、広島東洋カープ設立時からのスカウトとして、カープの黄金期を支えた、衣笠幸雄、高橋慶彦等を発掘した木庭教の半生を描いた傑作「スカウト」を始め、スポーツに関係したものが多いが、どの作品も、取材対象者との面と向かったインタビューではなく、雑談の中から著者の質問以上のことをその者にを語らせる、又は聴き出しているのではないかと感じられるものばかりである。
 これは、著者自身が取材対象者の心の奥深く入っていくことができる人物であるためであると思われるが、著者の作品が優れているのは、
第三者である取材者の目を忘れていないことも作品に現れていることである。
 本作品においても、この特長が発揮されており優れた読み物となっているが、 贅沢を言えば、秋元正博、大野豊、野村克也、ジョージ与那城の4人は中篇(欲を言えば長篇)で読みたかったので★4つとした。




図説 マッカーサー (ふくろうの本)
販売元: 河出書房新社

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零式戦闘機
販売元: 文藝春秋

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世紀末ニッポン漂流記
販売元: 新潮社

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青春の探究―オカルトの投手桑田真澄
販売元: 毎日新聞社

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政治家やめます。―ある自民党代議士の十年間
販売元: 毎日新聞社

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本書を読んだきっかけは、小林照幸という著者に対する興味というものが強かったことだ。史上最年少で、大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した人間がどういう本を書くのか。

本書は、嫌々ながら選挙に出て当選した政治家、久野氏の思いを充分に伝えている。ただ、少し一方的に、久野氏サイドの思いを伝えすぎているとも感じた。取材内容をどこまで中立的な立場で伝えるのか、取材を通して気心が知れていくにつれ、厳しいことが書けなくなる現実はある。この難しさをどこまで突き破っていけるのか。久野氏を批判するという意図は本書にないだろうし、ここまで裏話をしゃべったということで、久野氏が受けただろう批判は充分過ぎるほどだったことは、理解できる。

それでも、週刊誌での連載後、出版に至ったということは、ぎりぎりのバランス感覚でもって、被取材者に気をつかいながら、できるかぎり、中立的であろうとした著者の試みが、成功に終わったといえるのだろう。私個人としては、出版差し止めをいわれた複数のノンフィクションライターがかっこいいと思ったことはあるが……このバランス感覚は難しい。

ひとつ好印象を受けたのは、妙に飾った文体が少なかったこと。映画なんかでいう演出が少ないにもかかわらず、読者を引きこんでいく構成力が素晴らしかった。


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