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和書 1104810 (144)



IT革命の虚妄 (文春新書)
販売元: 文藝春秋

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この「虚妄」という言葉は,中谷巌『eエコノミーの衝撃』(review japan,BCKTs folderの書評参照)の(「隕石」級の)「衝撃」と対極に位置する。森谷は電網技術の革新とその社会化は,「産業革命」にも匹敵しないオートメーション革新に比較さるべきだとも言っている。根拠は,対個人(「B to C」)については,社会的な電脳活用能力には限界があり(対応能力のない年齢層の存在,個人を守る法的整備の遅れ,情報過多のマイナス面),対企業(「B to B」)については,合理化の原理内のもの(職場以外での労働強化)だとすることによる。日常生活に必要なものは財布から身銭をきって買う慣習が消えるとは思えないし(生鮮食料品から家電まで),企業間電子商取引がいくら盛んになっても最終的には出張して生身の人間を相手にする以外に商談は成立しないだろうというわけ。これをひとつひとつ丹念に消し潰していって,IT革命は「虚妄」と結論している。

事実や特徴を列挙したうえでの論証は手堅く,これが(東大工学部卒で天下の日立造船に勤めた)技術者の結論することか?と,文系最底辺にいる私などは興味深い。ただし,個人が電脳発注した商品を配達するのに,配送トラックのガソリン消費や排気ガスまで気にしているのは(77~8頁),間違いではないにせよ、ちょっと神経質に過ぎるような気もする(しばらくすれば,電動自動車(トラック)に替わりますよ)。

中谷などIT革命肯定論者の著作に取り上げられている企業は,論者は違ってもすべて同じだとしてばっさりと切り捨てているのは,首肯できる(review japan,書評『リエンジニアリング革命』参照)。アマゾンやらデルの成功を連呼して,淘汰されていった企業(アタリ,オズボーン,フォーチュン・システムなど)には目もくれていないという態度は,社会科学者として以前に,曲学阿世の好個の例だろう。

森谷にとって手強いのは,篠崎『情報革命の構図』(同上書評参照)だと思う。篠崎が数値やら図表やらを駆使して主張を裏づけようとしているのに対し,森谷は論証に終始し,統計的手続きを踏んでいない。新書だから手を抜いたのかな? 




IT革命はまぼろしか?―IT経済サロン講演集
販売元: 経済企画協会

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IT革命は幻想なんかじゃない―誰も否定できないこの現実
販売元: 太陽企画出版

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IT革命への期待と落とし穴 (Yell books)
販売元: エール出版社

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IT革命を読み解く―インターネットとeビジネスの未来を探る
販売元: 技術評論社

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各論者は有名な方々だが、内容的にはこの本のタイトルにある「読み解く」や
「未来を探る」という方向にはなっていない。どちらかといえば、各論者の
実体験をばらばらに述べているという印象が強い。大学の講義をベースに
しているためだろうか?また内容的にも、最新のものではない。

特にeビジネスやネットワークコミュニティに関しての部分は、インターネット・ブーム
の初期の論調そのままなので、あまり期待しない方がいいだろう。




IT革命原論
販売元: 株式会社共同通信社

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i‐Net+COMPLETEテキスト セキュリティ&eビジネス編―CompTIA認定資格「i‐Net+」テキスト〈2〉 (CompTIA認定資格受験ライブラリー)
販売元: DAI‐X出版

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iショップで成功するための50の法則―儲かるショップはここが違う!! (インターネット100倍活用シリーズ)
販売元: 技術評論社

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「iモード」株式売買で儲ける―口座開設から取引まで (アスカビジネス)
販売元: 明日香出版社

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iモードでビジネス〈1〉導入&活用事例アイディア・ガイド
販売元: NECクリエイティブ

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