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和書 3327261 (328)



あふれる涙を、ありがとう―「内観」から「布薩念仏」へ
販売元: 現代書林

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 筆者、宇佐美秀慧師は浄土真宗大谷派(東本願寺系)の古刹・専光坊の子として生まれるが、どうしても浄土真宗と葬式仏教・寺壇制度に満足できなかった。その背景には幼少時代に出会った知り合いの青年の火葬の生々しい体験があった。人間は死ななくてはならない、そのことがとてつもなく恐ろしい、そのことが強烈に少年の心をとらえたのである。

 筆者は本山(東本願寺)からの独立と、檀家の解散、自分の納得のいくかたちの仏教を作り上げて生きてゆく人々の救済に力を注ぐことを条件に寺を嗣ぐことを承諾し、父の没後、それを実行に移す。その時のドキュメントもすざまじいものであるが、ここでは触れない。

 筆者は臨済禅にその答えを探ろうとする。道を求める途上、浄土真宗にも「内観」というすぐれた求道法があることを知るが、筆者は禅に一区切りを付けるまでと、初関(初めての公案)を突破するまで禅に専念する。吉本伊信師のもとで内観を体験した宇佐美師はその帰り、大和郡山の駅で言語を絶する不思議な体験をする。(以下引用)

 夕暮れどきの静けさと、往き来する乗降客の小さなざわめきのなかで、無心に立っている一本の電柱。

 それをじっと見つめているうちに、私のなかで、突然何かが爆発的に起こった。一瞬にしてすべてが破裂した。頭の中の知識や観念がすべて吹き飛んでしまった。何とも奇妙なことであった。”私”がどこかへ完全に消滅してしまったのである。ところが、一方で意識ははっきりしていて、すっかりなくなった自分を静かに眺めているのだ。私はおそろしいほどの静けさに包まれて、平和な幸せに満ちみちていた。(91-92ページ)

 ふつう、内観だけではこのような体験はしない。むしろ、禅の見性体験に近いように思われる。禅で蓄積されてきた体験が、内観をきっかけとして爆発したのだろう。

 宇佐美師はやがて専光坊で一般の人々を受け入れ内観を勧めるようになる。やがて、原始仏教の「不薩」という懺悔の方法も取り入れ、独自の人間修養の場を提供しておられる。

 昭和六十年夏、筆者は喉頭癌を宣告された。その時の心境に動揺はなかったという。
(以下引用)

私はいつの間にか、あの五歳のとき墓地の脇の焼き場で抱え込んだ”生と死”の大命題を乗り越えてしまったのである。(222ページ)

 本書は、現代における仏教の新しい可能性の一つの実例を示すものといえよう。

 品切れになっているようだが、是非復刊して欲しい本である。




あぶ・らぶ (河出文庫―高橋鉄コレクション)
販売元: 河出書房新社

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あべこべの論理―奇想のきっかけ (ワニ文庫)
販売元: ベストセラーズ

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あやかし通信―九夜でおくる怖い話
販売元: 実業之日本社

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あやかし通信『怪』 (ハルキ・ホラー文庫)
販売元: 角川春樹事務所

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 著者が伝聞or体験した実録怪談集。著者の解説によれば、長らく伝説の本となっていたが、今回加筆・改稿を経て文庫で再版されたという。内容は妖怪、幽霊譚など多彩な話で飽きさせないつくり。私は「こうたろう」の話が好きですね。どこか牧歌的なのにゾクゾクして。

 怖い本が爆発的に発行されている現在となっては類話が氾濫しているために読者が麻痺してしまい、本書が超ド級の怖い本とはいいがたい。けれど、重みのある語り口は読むものの恐怖を駆り立ててくれます。某怖い話シリーズの編者は著者の知人らしいですが、収録話の重複についてあとがきに意味深なことが書いてあり、そっちのなりゆきもドキドキ。怖がりさんのために、お札もプリントされていますよ。 




あやこ―Especially for you (The name book (10))
販売元: 学研

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あやしい地球夢中人 アルファとオメガ
販売元: ヴォイス

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あやつられる心―破壊的カルトのマインド・コントロール戦略
販売元: 福村出版

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あやまちから学ぶ―精神分析と心理療法での教義を超えて
販売元: 岩崎学術出版社

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とにかく面白いです。同じケースメントによる「患者から学ぶ」シリーズの第3弾というところですが、相変わらず治療者/患者関係で患者が治療者との関係に何を見ているか、それをどのように無意識的・象徴的にコミュニケーションしてきているか、治療者はそれをどう抱え、どう理解し、どう介入していくか?などに関して優しく深い議論をしています。精神分析の傾聴技法に関して基本的な知識は必要ですが、精神療法に関わるすべての人にオススメしたい本です。




あゆみ (the NAME BOOK)
販売元: 学習研究社

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