ちなみに表紙で右腕から血を流す鉄男にはちゃんと意味があります。
2巻では影を潜めていた緻密なビル、落書きもこの巻は徹底的に書き込まれています。例によってお決まりなブラック・ジョークも随所に散りばめられていますが、必見はやはり大破壊でしょう。未読な方は「何のこっちゃ?」と思われますが、連続して動かない「漫画」というジャンルでここまでリアルに破壊するシーンは他の漫画では無いのではないでしょうか?
「アキラくん争奪戦」から「大破壊」までどうつながっているのかは、是非とも自分の目で確かめて頂く事をお勧めします。
また、戦う女性が格好良く、これまた強い!ケイちゃん、おばさん最高!
ちなみに金田くんは主人公ですが出番が…
サブタイトルが「ケイ」ですし、ケイちゃんが大活躍の活劇となっています。ツッパリグループに合掌!!
僕はアメリカの大学には通ったことがないので、これがリアルなのかどうかは、よくわからない。ただ、憧れるくらいにアメリカに留学してみてーという気持ちを湧き立たせるほど楽しげなアメリカンキャンパスライフ。超がつくエリート校コロンビア大学の体験入学案内といっても過言ではない。これを読んで留学した人は、多いのではないだろうか(笑)。いやマジで。次作『Natural』でも成田さんの故郷の青森を描いていたが、この人の作品を読むと「そこ」にマジで行きたくなる。もしかして見事なガイドブックなのかも。
内容としては、どうしても傑作だった『サイファ』と比較すると、霞んでしまうし、主人公があまりにも恵まれすぎていていてなぁ。モデル並みのルックスに、空手も!柔道もオリンピックを目指せるレベルの才能な上に、コロンビア大学の学生・・・・。それに出てくる人間が、金持ちのエリートばかりなんだもん。成田さんの主題は、そう言う上辺ではなくて、『自分の居場所を探す心の遍歴』と『マイノリティーの寄る辺なさ』なので、まぁ肩書きや上辺は設定としてどうでもいいんだけどね。
ただ、間違いなく言えるのは『サイファ』が好きならば、読まないなんて事はありえない作品でしょう。アレクサンドライトとは、光に当て具合で色が幾重にも変わる高価な宝石のことです。エジプトでかけらを買ったことがあるが、すげー綺麗。