戻る

前ページ   次ページ

和書 467252 (170)



時の廃墟 (沢木耕太郎ノンフィクション)
販売元: 文藝春秋

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)

「時の廃墟」読んだ。
この本は沢木耕太郎の短編を収録している。
短編のテーマは自衛隊からミイラと同居してたおばあさんまで幅広い。沢木耕太郎の嗅覚によって選ばれたテーマたちは読者の好奇心を掻き立てる。独特の文体と取材の進め方、取材内容に対する考察に著者の着眼点の面白さがにじみ出ている。
一度は手にとってほしい本です。




有名であれ無名であれ (沢木耕太郎ノンフィクション)
販売元: 文藝春秋

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)

70年代に世間を騒がした人物たちに関するルポルタージュは、同時代とリンクしていないために、ピンとこないものがあったけれど、無名の人を題材に扱ったものはそれが書かれた時期がもう30年近く前であることを思わせない、ある種の普遍性をそなえていて読ませる。歯科医の老女と詐欺士の老女の話がこの中ではおすすめだ。




激しく倒れよ (沢木耕太郎ノンフィクション)
販売元: 文藝春秋

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)

~ 《栄光を手にすることは難しい。しかし、失った栄光を忘れ去ることはもっと難しいものなのだ》

 スポーツ選手の栄光より、その影に光を当てた傑作。

~~
 プロ野球をあきらめて、ゴルフの道を選んだ尾崎将司。長嶋と一緒に巨人に入団した名三塁手2人のその後。求道的に打撃を追い求め、やがて忘れ去られた天才バッター榎本喜八。長距離ランナー円谷幸吉の孤独。鬼才、輪島功一の本音。そのどれもが、輝かしい時代を持つだけに、本書で書かれた事実は、悲しい。しかしスポーツ選手の光は、その悲しさがあるから~~こそ輝くのではなかったか…。

 正直言って、沢木耕太郎の文体は、名文とは言い難い。しかも本書に収められたものは全て初期の作品であるため、未完成なのはなおのこと。
 しかしそれでも読めてしまうのは、そこに書かれている事実の力。そしてその事実を描けているのは、「見たものしか書かない」という彼の基本姿勢のなせる技だろう。~




男と女 (沢木耕太郎ノンフィクション6)
販売元: 文藝春秋

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)

~「火宅の人」に語られる檀は、破天荒で痛快といった感があるが、沢木が「火宅の人」の妻に長期インタビューを行いまとめたのが本書。彼の著作にしては珍しく、妻ヨソ子が一人称で語る内容になっている。

小説がいわゆる私小説であったことで、檀と愛人のことは周知の事実であったし、また当時のマスコミ(おそらく口コミによる波及だろうが)も放ってはお~~かなかったはずだ。それをネタに小説を作り上げた檀はヨソ子に対してどういった感情を持っていたのだろうか。ヨソ子は、私生活を小説としたことで「二重に苦しめられた」と語っている。

だが、夫婦の事は分からないとよく言われるとおり、この檀夫婦もよくわからない。ヨソ子は一雄が事をおこした時に一度家を出ている。しかし、荷物を取りに帰ったついで~~にまた家で暮らし始めた。このくだりが何とも不思議で、「なぜ帰ったのかわからない。一人で暮らして行く事が心細かったのかもしれない」というものの、よくあるように「子どもの事が心配で」ということは全く無かったと記されている。

一雄が愛人と暮らし始め、帰ってくる時は友人と一緒という環境。そして、一雄が家に落ち着くのは愛人と別れ50歳を迎える~~頃。そしてここから「火宅の人」の執筆が始まる。と同時に始まる一雄の体調悪化。ガンの宣告。ヨソ子は一雄を支え続ける。そして彼女が苦しんだ「火宅の人」の最終章をなんと口述筆記で支えたという。

女性が男性の背後にいて支え続けることが美徳とされた時代。ヨソ子はその時代の女性像を忠実に反映はしていないが、彼女の人生が檀一雄の人生にすっかり~~飲み込まれてしまったような印象がある。檀一雄との生活を振り返りヨソ子は語る。
「私はもう一度檀の妻となろうとしているのかもしれない」~




酒杯を乾して 沢木耕太郎ノンフィクション 9 (沢木耕太郎ノンフィクション)
販売元: 文藝春秋

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)

 本書の大半は既発の「杯」ですので、もうすでに買ったり読んだりしてる人には少し物足りないかもしれませんが、フォアマンVSホリフィールド戦のルポ「象が飛んだ」は必読だと思います(ちょっと短いですが…)。
「杯」(日韓W杯観戦記)ですが、もう一度あらためて読みかえしてみると、
試合内容の詳細なルポよりも、その背景で著者が韓国のアパートを拠点としながらいかにして日本と韓国を行き来してきたのかだとか、あちこちで起こるちょっとしたトラブルだとか、韓国の人々とのふれあいだとか、
また、そこで聞かれる共催国日本に対する微妙な感情とその後の揺れ動きなどの方が面白く読めたりしました。
 本書に収められた観戦記は時間軸的には古いものから新しいものと様々ですが、
リアルタイムで観てないもの、記憶がないものも
まるで旅行記のように楽しく読ませてしまうは、この著者のひとつ真骨頂と言えるでしょう。




ミッドナイト・エクスプレス (沢木耕太郎ノンフィクション8)
販売元: 文藝春秋

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)

私がヨーロッパをバス旅行したのは、沢木青年の旅から30年近く後ですが、それでも、旅する者・地元の旅人に対する反応などは、時代に関係なく、普遍的なものなんだと感じました。私自身、自分の旅を思い起こし、「もう一度旅に出ようか」と思わせてくれました。

東南アジア、特にマカオでのカジノに対する熱狂ぶりは読んでいて楽しく、ギャンブルに揺れる人々の心の変化を実に見事に表現していました。

ストーリーとしては、香港からマレーシア、シンガポールとたどり、そこからインドを抜けるところまでは、心理描写も細かく、ちょっとしたできごともありありとイメージできるように表現していましたが、欧州に入ってからは、沢木氏自身の旅に対する慣れもあってか、なんとなく、トーンダウンしてきた感が否めませんでした。

それでも、「長く何の目的もなく、ブラブラとユーラシア大陸を横断する」という、およそ現実世界からかけ離れたことを疑似体験できるこの小説は、ストレスに満ちた生活をしている人にとっては、とても楽しい1冊になることでしょう。

私は、前の会社を退職し、次の会社に転職するちょうどその谷間に読みました。自分の人生を見つめなおす意味でも、心に残る作品となりました。




城砦 3 (サン=テグジュペリ著作集 8)
販売元: みすず書房

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)






人間の大地 (サン=テグジュペリ・コレクション)
販売元: みすず書房

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)

 サン=テグジュペリは、自然と対峙する瞬間が好きだった。なぜなら、その力くらべこそ、「人間がおのれを発見する」ときだからだ。サハラ砂漠のただなかに時速二百七十キロで激突し、五日後に、駱駝をつれたベドウィン人と出くわして助かったときのことを回想して『人間の大地』でこう書いている。

「うなじまで砂に埋まり、渇きによって徐々に喉をしめあげられながら、星空のマントのしたで自分の心があんなにも熱かったことがどうしてわすれられよう。」(『人間の大地』みすず書房 サン=テグジュペリ コレクション3 一六八ページ)

 サン=テグジュペリにとっては、風や砂、星々、海といった自然と挌闘するときの人間の労苦こそが、人間を鍛え、生きるということの本質のように思えた。だから、頭!だけ砂の上に出して砂漠の夜を過ごす彼はこんなふうに思う。

「万一生きて帰れたら、おなじことを繰り返すだろう。わたしには生きることが必要だ。都会にはもはや人間的な生活など存在しない。」(前掲書一五七ページ)  多くの人々の生活は、自然にたいしてささやかな壁をこしらえ、人間としての条件を忘れることに腐心しているとしか彼には思えないのだ。

 『星の王子さま』に出てくるキツネが、「心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ」と王子さまに秘密を話す。その秘密は、とりもなおさず、砂漠という「なにものも歓びを約束してくれていなかったところで、もっとも熱い歓びを味わってきた」サン=テグジュペリの心の核心なのだ。貧しい砂漠の豊かさ!

なにを求めているのか分からないままにさまざまなものに囲まれ、その結果、私たちは、生きているという歓びで満たされることが希薄になってしまったのではないか。『人間の大地』は、そんなことを我々に考えさせてくれる。




南方郵便機 (サン=テグジュペリ・コレクション)
販売元: みすず書房

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)






夜間飛行 (サン=テグジュペリ・コレクション)
販売元: みすず書房

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)

『夜間飛行』と、
『南方郵便機』の二作。

『星の王子さま』と並ぶ、
サン=テグジュペリの代表作である『夜間飛行』は、
彼を作家としての確固たる地位に押し上げた。
まだ、飛行機で飛ぶことが、
今ほど安全ではない時代に、
自らもパイロットして労働していた作者が、
そのストイックなまでの、
郵便航空機の世界を、
詩的な文体で綴った物語。
「幸福は義務の中に」、
そう言える労働が、
ほとんど失われた時代に、
あこがれてしまうような、
郵便飛行に携わる人々の姿勢。
クールであり、
情熱的な向き合い方に、
強く惹かれていく。

『南方郵便機』は、
サン=テグジュペリのいわゆるデビュー作。
訳者は、
『夜間飛行』以上に優れた作品と評している。
いつ還らぬ人となるかわからない、
危険な仕事に従事する郵便飛行士たち。
未知の航路を開拓しつつ、
彼らは郵便を届け続ける。
その危険な労働は、
命を落とすことも少なくなかった。
作者の自伝的要素の強い作品で、
恋人(不倫・・・?)であるジュヌビエーブとのくだりは、
なんとも言えず、
切なさと、甘いあこがれとを伴っている。
訳者同様、
読みにくさはあれど、
僕もこっちのが好きかもなぁ。


前ページ   次ページ

戻る

仮想世界 - シューティング/レース/電車ゲーム フライトシミュレータ