戻る

前ページ   次ページ

和書 467254 (144)



トルストイの生涯 (岩波文庫)
販売元: 岩波書店

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)

トルストイは偉大である。作品もさることながら、その思想において、さらに偉大である。

本書は、トルストイの熱烈な信仰者であるロランによって書かれた、トルストイの人生の歩みと、その思想の変遷と、それに伴う苦悩が読み取れる好書である。

トルストイに対して非常に興味を抱いていたのでこの本を読み、もちろんその思想や歩みに魂が揺さぶられたが、問題は本書を執筆したのがロランであるということである。

ここまでトルストイを理解し、時には自分の視点から批判を交える、誠実且つ熱き男ロマン・ロランに、私は新たな興味を抱いた。

いつか彼が書いた『ジャン・クリストフ』を読んでみたいと思わされた。




漱石文明論集 (岩波文庫)
販売元: 岩波書店

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)

小説に評論に、ひたすら「個人とは何か」という事を問い続けた漱石の、代表的な講演と評論が収められています。

いずれの講演にも、その中核にあるのは「独立した個人としての人間」のありようという点です。目まぐるしく日々発展していく明治の日本において、人はいかに流されず、一個の人格として独立していられるか・・・自らの経験と思索に裏付けられた確固とした「個人主義」をバックボーンに、漱石は聴衆に向けて「自分の納得するまで自分の道を追求なさい」と語りかけるのです。

そしてこれら漱石の肉声による語りかけは、明治から年号を三度も変えた平成の世の中にあっても一切その力強さを弱めません。むしろ「人の生き方」というものにがっちりと形を与えられ、それに従って生きていくしか他に選択肢が無いように見える今の世の中にあっては、漱石のこの肉声はより生き生きと心に響くのではないかと、私は思います。明治の学習院を会場として行われた講演(=「私の個人主義」)における漱石の肉声は、時間と空間を越えて読む者に直接届く事でしょう。




思い出す事など 他七篇 (岩波文庫)
販売元: 岩波書店

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)

かなり、苦痛な本です。というのは漱石が闘病生活をしている姿を彼自身が淡々と記述しているからなのです。しかしそこには、なにかぼんやりとした救済が漂っています。血を吐いたり転院したり、そんな苦しいことばかりなのに、どこかひょうひょうとしているのは、彼の語り口のせいなのか性格なのか、僕にはわかりません。ただ、僕はなんだか救われてしまいました。何ででしょうね。




夏目漱石 上 (1) (岩波文庫 緑 85-1)
販売元: 岩波書店

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)






夏目漱石 中 (2) (岩波文庫 緑 85-2)
販売元: 岩波書店

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)






夏目漱石 下  岩波文庫 緑 85-3
販売元: 岩波書店

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)






芭蕉・蕪村 (岩波現代文庫)
販売元: 岩波書店

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)






逆命利君 (岩波現代文庫)
販売元: 岩波書店

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)

 本書は単行本で出た時からの愛読書だが 岩波現代文庫にまで入ってしまったことにはいささか驚いたし 愛読者として 嬉しい。

 本書で描かれているのは 鈴木朗夫という 住友商事の常務だった男である。正確に言うと 常務の時に亡くなってしまった。従い生きていれば 若しかしたら社長になっていたのかもしれない。いや 是非 住商の鈴木社長を見てみたかったものである。

 本書が描く鈴木とは 「サラリーマン」からは程遠い「教養人」だ。フランス文学を愛好し部下に自分をムッシュウと呼ばせながら 果敢に日本の企業社会に挑戦し 半ば「夭折」してしまったかのような 気障な男である。

 この本を読んでいると 鈴木は 詩人ランボーに似ていると強く思った。ご存知の通りランボーは 短い期間に天才的な詩を書き散らした上で 断筆し 商人となってアフリカを商売しているうちに亡くなった 異形の詩人である。
 鈴木自身も 本書を読む限り 個人の資質としては「詩人」が一番近かったと思う。そんな鈴木が 自分の資質を半ば封印して 商社に勤務し続けたという姿は アフリカを放浪するランボーに重なる。
 勿論 ランボーもアフリカが好きだったのだろうし 鈴木にとっての「アフリカ」であった住友商事も 鈴木は好きだったのだと思う。

 但し 断筆したランボーとは異なり 鈴木の懐には 彼の「詩」をしたためる小さな手帳のようなものがあったような気がしてならない。その意味で 鈴木の死は 50歳代であったとはいえ「夭折」なのだと思うのだ。
 





鴎外の歴史小説―史料と方法 (岩波現代文庫)
販売元: 岩波書店

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)

 七作品の考察がなされているが、「大塩平八郎」だけにしぼってみよう。 
 鴎外が歴史小説「大塩平八郎」を書く資料にしたものに幸田成友著「大塩平八郎」がある。これは綿密詳細な歴史叙述になっている。鴎外はその記述順序を組み替えただけで、同名の小説作品を発表した。ただそれだけではなく、当時起きた大逆事件のリアリティに支えられているように受け取ることができる。「未だ覚醒せざる社会主義」米屋壊しの雄という発想が生まれるのである。
 著者はここで、鴎外の「自然」ということに着目して「歴史其儘と歴史離れ」の中の「史料の自然」を強調している。それは「自ら然る」一つの自律的運動の意と解釈している。そこに、現代人としての作者が入ってくるジレンマを克服する方法として「史伝」があるとする。「大塩平八郎」は、現代を「無遠慮に」「ありの儘に」書いたあくまでも「小説」であるとする。暴動失敗後の平八郎の「枯寂の空」に収斂し、あるいは「歴史に借景した明治体制批判」とも見られようか。考えさせられることの多い作品である。
 




島崎藤村 (岩波現代文庫)
販売元: 岩波書店

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)




前ページ   次ページ

戻る

仮想世界 - シューティング/レース/電車ゲーム フライトシミュレータ