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和書 467254 (146)



俳人漱石 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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 タイトルに掲げた句は松山で当時発行されていた『海南新聞』に掲載された漱石二十九歳の句。句作において師である子規はこれに想を得て「柿くえば・・・」の秀句を詠んだという。
 仮想の鼎談で、子規・漱石の対話を著者が取り持つという趣向を凝らしたものになっており、鼎談は思いの外明朗。小説家・漱石の巨大さが再認識されるなかで、子規・漱石の交友ではぐくまれた友情の深層がいかなるものであったか、興味は尽きない。ひょっとしたら、漱石の散文的才能にとっては、絶妙のコピーライターとしての子規は半ば煩わしい嫉妬の対象だったかも知れぬし、『こころ』の「私」と「K」も子規と漱石の自画像の投影関係的葛藤から子規への鎮魂物語に結実した作品であると言えるかも知れない。




蕪村 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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蕪村とは「菜の花や月は東に日は西に」という句の作者であり文人画家として有名という教科書的知識しかなかった。この本を読んで、初めて蕪村の人となりの全体像をイメージできた。俳諧宗匠に就いたのが55歳だったということ大阪人で晩年は京都に住んでいたということ、与謝と名乗った由来もまた、初めて知った。蕪村の世界に一歩踏み込むには格好の入門書だ。菜の花の句の絵画性、その成り立ちの背景と創意についての解説は具体的でわかりやすい。また第6章春風のこころの「春風馬堤曲」は、蕪村の創造性と力量を多面的にとらえられる入門書の域を超えた解説であり、蕪村の遊び心が楽しめる。




森鴎外―文化の翻訳者 (岩波新書 新赤版 (976))
販売元: 岩波書店

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ここまで原典(北欧の言語とドイツ語訳)にあたり鴎外の翻訳とのずれを探し、そこに鴎外のある一面の本質を探し出した著者の力量はさすがです。また鴎外の手法の変貌を幅広い翻訳という範疇の中で整理した手際は見事です。鴎外の引用による史伝への最終的な到着についてはその持つ意味が独創性並びに必然性について十分に評価されています。しかしながらこのようにしか生きられなかった鴎外の日本回帰を”妄想”として切捨て(213ページ)、かつ結語において、突然、”自立した人間”にとってのグローバルな現代社会における”薄っぺらな”指針なるものを呈示した著者の真意はどこにあるのでしょうか。




ラフカディオ・ハーン―虚像と実像 (岩波新書)
販売元: 岩波書店

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 英米に日本を紹介した親日家、『怪談』の作者として高い評価を与えられる文学者。日本におけるハーンのイメージといったら、こういうものだろう。しかし、本書はそうしたイメージが誤りであったことを明らかにしている。ハーンを書き換える、画期的な著作といえる。
まず示されるのは人種決定論者としてのハーン。ハーンは日本人と(自らを含む)白人は決して相互理解に到らないと考えていた。続いて、ハーンの文学の未熟さ。これはまあ、従来から言われていることであろう。最後に、忠実でない日本イメージの紹介者としてのハーン。どのような書き換え、勝手な描写が行われているか、克明に分析される。
 英文に巧みな著者は、日本ではあまり知られていないようなハーンの著作も利用しつつ、精緻な研究を行っている。結果として導き出された上記のような「真の姿」も、おおむね、正しいのだろうと思う。
 ただ、やりすぎという印象は否めない。些少な言葉遣いや書き換えを敷衍しすぎているように思える。なにより、公平な立場から結論を出そうという態度が見られない。最初からアンチ・ハーンの姿勢を全面に押し出してしまっているのである。たぶん、研究しているうちに著者はハーンのことが嫌いになってしまったのだろう。




ドストエフスキー (岩波新書評伝選)
販売元: 岩波書店

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人間ゲーテ (岩波新書評伝選)
販売元: 岩波書店

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私はゲーテを本当に好きになったことがありません。波長が合いません。波長が合わない理由をたずねてみても仕方ないのかもしれませんが、本書を読んでその理由がわかったように感じました。反ゲーテは私だけではなかったようで、これで安心して(?)反ゲーテでいられます。

反ゲーテである私には、正直ゲーテを支持する人たちにこの本がどんなふうに読まれるのか予想できません。著者はもちろんゲーテをおとしめるためにこの本を書いたわけではないでしょうから、私のような読まれ方をするのは心外かもしれません。いずれにしろ、ゲーテを特別視して崇拝する、というような態度からは遠く、とても客観的な人間臭いゲーテが描かれていると思います。私が連想したのは、ご自身クリスチャンでありながらこれまで語られてきたイエス像を否定されている方たちの著作です。読者の側にゲーテのすべてを神聖視する類の偏見がなければ、ゲーテを支持する人たちにも充分読みごたえがあるのではないか、と想像します。 本書に書かれている内容をいくつか拾ってみます。ーーゲーテにとって恋愛は芸のための肥し、女は材料だった。本質的にエゴイストである彼は、たとえばエッカーマンの自分に寄せる愛情をいいことに、彼をほとんど使用人のように扱った。グレートヒェンを誘惑して捨て、平和に暮らす老夫婦フィレーモンとバウツィスを殺したファウストが天国に行けるのなら、豚にだって天国に行く権利があるーー。−−もちろん、ゲーテが単にこれだけの男だったら、現在のような高い評価を得ているはずはありません。ただ、私はゲーテを特に優れた作家とは思わないし、「ファウスト」を言われているほどの傑作だとは思わない、というだけです。ーー人は偉大であるよりも善良であることのほうが優る、などという言葉が、頭をよぎります。




ドストエフスキーのおもしろさ―ことば・作品・生涯 (岩波ジュニア新書)
販売元: 岩波書店

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岩波ジュニア新書は、そのシリーズ・タイトル通り若い世代をターゲットに書かれた新書であるのだろうが、他方、このジュニア・シリーズはそれぞれの知識に疎い初心者にも適したシリーズである。本作では、複雑で難解というイメージばかりが先行してしまっているドストエフスキーの作品の面白さを極めて分かりやすく解説している。ジュニア向けということもあり、内容は広く浅くという形になってはいるが、それでもドストエフスキーの主要作品に散りばめられた面白さのエッセンスを存分に伝えてくれている。




樋口一葉 (岩波ジュニア新書)
販売元: 岩波書店

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ラフカディオ・ハーン―日本のこころを描く (岩波ジュニア新書 (405))
販売元: 岩波書店

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ハーンはギリシア人の母とアイルランド人の父を持つが、父は母を捨て初恋の人に走ったため生涯父を許さなかった。欧州を去り米国に渡って苦労しながら新聞記者になった。そして欧州に戻ることは無かった。
記者時代に培った創作による読者への訴求力は日本へ来ても十分な効果があった。1890年に来日し1904に亡くなった。その間松江、熊本、大阪、東京で暮らした。各地で教鞭を取ったが評価の高い先生だった。
多様な文化、風習、風俗を尊重し途上国の日本を見下すことなく日本と市井の人を好きだった。また当時の欧米人としては珍しく妻セツとは法律上の婚姻関係にあり夫婦仲も良かった。
文学的功績は当時の様子を描いた紀行文もさることながら再話物語で(再話物語とは昔話や伝説をアレンジして創作しなおした物語です)ハーンの再話はオリジナルよりすごく感動的になっています。




漱石をよむ (岩波セミナーブックス)
販売元: 岩波書店

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