この1冊を読んでから、普段の生活の中でも、詩の中に出てくるフレーズが何度も何度も頭の中で繰り返されて、勝手に想像しては、すごく切なくなったり、どういう意味なんだろうと、自転車をこぎながらでも、ふと考えたりしている自分がいます。
それだけ、自分の心に伝わってくる、はまってしまうような、素敵な言葉なんだと思います。
読み手によって、心に残るフレーズは違うとは思いますが、きっと自分の心に響く言葉が、この本の中にはあると思います。
ちょっと中には、私には読解不能で?!楽しすぎて、(失礼ですが)同じ人が本当に全部書いてるのかな?なんていうような、全くイメージの違う作品もあったりして・・・それがまた良いんですよね。
人にはおすすめか、プレゼントにはするけれど、自分の宝物としてこの1冊は、ずっと大切に持っておこうと思います。
「このせつなさで生きていよう」と思い
星をたよりに 君に歩き出したんだ・・・
探してみてください。あなたの言葉。
次の作品が楽しみです。
サバンナの象のうんこよ聞いてくれだるいせつないこわいさみしい
短歌は、書き手が命がけでひりだす”うんこ”だといったのは歌人の高島裕です。辛いこと苦しいこと恥ずかしいことを、辛いから、苦しいから、恥ずかしいからという理由で書かないでいたら、よい短歌は生まれません。単純な言葉を使って何気なく書かれたように見えても、作者は存外苦しんでいるものです。
絵のことはよくわかりませんが、やはり握手の心が写しだされているもので、この本の絵のように単純な造形の作品は、じっくりとながめてにじみ出るものを味わうのがよいだろうと素人ながら思います。
で、絵と短歌を組み合わせて楽しむことを考えると、この本の2作者の作品は、それぞれ主張が強いので、組まれたのを見、読むと、なるほど一見妙なほんわか風で合っているように見えますが、両者の主張が強いので、すこしとまどいが感じられました。
二人の作品を一冊で楽しめる本としてみるのがいいかと思います。