和書 492048 (168)

アメリカ経済論 (現代世界経済叢書)

アメリカ決済システムの展開

アメリカ小売業最前線―激変続く業界地図

アメリカ小売業のすべてがわかる本―1兆6000億ドルマーケットの演出者たち

アメリカ産業社会の盛衰 (岩波新書)

　著者は、米国経済の盛衰を、おおまかに三部構成で描く。すなわち、20世紀初頭から1960年代までの黄金時代、1970年代から80年代までの低迷期、そして1990年代以降の「復活」の時代である。

　第一期を特徴づけるのは、世界に先駆けて、かつもっとも先進的な形で大量生産・大量消費社会を実現したことだ。広大な土地、豊富な資源、少ない労働力といったハード要件に、テイラーの科学的管理法、フォード社の大量生産方式、ＧＭ社の事業部制組織といったソフトが組み合わさり、史上かつてない繁栄が築き上げられたとされる。

　第二期は、日本企業の激しい追い上げのなか、製造業が国際競争力を失った時代である。著者は、この没落の原因として、一般に指摘される福祉国家の肥大化、外交・軍事政策の失敗、過度な経済的・社会的規制のほかに、短期的経営、硬直的・敵対的労使関係などに言及する。

　そして、自動車や半導体産業に牽引された「復活」の第三期は、よく言われる株主重視の経営だけではなく、雇用保障や柔軟な人員配置といった日本型の雇用慣行の学習によるところも大きいとする。

　本書全体を通じて、現在光輝いて見える米国経済も、歴史的にみれば大きな浮き沈みを経験してきていること、この繁栄が長続きするという保証はないことなどが、メッセージとして伝わってくる。

アメリカ財政と世界経済―赤字構造の分析

アメリカ資本主義とニューディール

アメリカ資本主義の発展構造〈1〉南北戦争前期のアメリカ経済

アメリカ資本主義の発展構造〈2〉―法人資本主義の成立・展開・変質

アメリカ商業銀行の多角的展開