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和書 492048 (210)



世界市場の形成 (岩波モダンクラシックス)
販売元: 岩波書店

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著者によれば「世界市場」こそヨーロッパ諸国が植民地を長期間にわたって保有する契機だった。そして、それを支えたのが世界市場向け商品を生産する「プランテーション」だったという。これを行うためには、生産する商品について、どこにどれくらいの需要があるか正確な情報を持っていること、また商品を最終消費者まで流通させるシステムの存在と、それに参入する手掛かりを持つことが必須条件になるという。

これらの点を考慮すると、プランテーションは誰にでもできるものではなく、先進地域の大商人・企業家が、先進地域の資本を導入して行うのが唯一の方法だろう。もともとそこに住んでいる世界市場とのかかわりのない住民にとっては、ある特定の一次産品を、一定の規格内で大量に生産・流通させるための資本はないし、最終消費者の需要動向についての知識もない。そもそも功利的動機で自分たちの必要量を超えて生産しようという発想自体がない。だからヨーロッパの大商人・企業家の視点からみると、彼らは未開で文明を知らない存在に映ったのだ。

それにしてもこのような構図は、今日でも多くの途上国で観察できるのではないだろうか。途上国社会には世界市場への販売を目的として開発を推進する資本は足りないし、先進国の需要に関する情報は乏しい。多国籍企業あるいは政治家とコネのある特権階層のみが、その資本と情報力を用いて、世界市場向けの商品を企画・開発することができる。だから多国籍企業の視点からみると、この国は途上国であり、特権階層を除く住民の大部分は未開で文明を知らないということになる。本書はイギリスの近代史だけでなく、今日の南北問題の起源をも教えてくれる好著だ。




低開発経済分析序説 (岩波モダンクラシックス)
販売元: 岩波書店

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統合と支配の論理 (岩波講座 近代日本と植民地)
販売元: 岩波書店

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経済学入門 (岩波文庫)
販売元: 岩波書店

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イングランド初期貨幣史の研究
販売元: 刀水書房

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インサイド・ザ・リーグ―世界をおおうテロ・ネットワーク
販売元: 社会思想社

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インセンティブ設計の経済学―契約理論の応用分析
販売元: 勁草書房

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インセンティブと情報の経済分析 (現代経済学研究 (第2号))
販売元: 勁草書房

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インセンティブの経済理論―情報、資源配分、契約
販売元: 三菱経済研究所

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インセンティブの経済学
販売元: 有斐閣

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数字を用いての既述が多いが、適切な文章との補完関係によって分り易い内容となっている。しかし、やはりマクロ&ミクロの標準的教科書を読まないで本書を読むのは適切ではないと思う。私は本書を読んだことで限界効用とインセンティブの関連がチラリと見えて、神の手がどうして救いの手でもあるのかがなんとなくわかった気がした。


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