本書の構成は、次のとおりです。
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・PART1 『急膨脹するインターネットの実像』
・PART2 『インターネットの変遷』
・PART3 『インターネットが拓く近未来』
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PART1では、インターネットの概要やそのしくみが、図を用いて
丁寧に説明されています。
P15 『世紀末の世界をインターネットという妖怪が徘徊している』
P33 『ゴアの情報スーパーハイウェイ構想の真の意図』
P69 『インターネットのゴールとは』等、いずれも興味深い内容です。
PART2では、1984年~1994年までの、インターネットの進化の過程に
ついて述べられています。
インターネットの歴史について書かれた書籍とは、大きく異なり、
P82 『下水道に潜ってコンピュータを接続』
P100『海外ネットワークとの接続に成功』
P102『日本語環境づくりに着手』等、著者の経験に基づく様々な
出来事が、詳しくまとめられています。
まさに、ドキュメンタリーそのものです。
PART3では、
P131『ネットワークを走る大変革の予兆』
P154『賢くネットワークを使う時代となる』といったテーマが並び、
インターネットの未来像が具体的に描かれています。
本書は、1995年に書かれたものであり、今となっては、実用化された
技術も数多くあるのですが、インターネットの成り立ちを知る上で、
書かせない書籍のひとつです。
特に、PART2 『インターネットの変遷』は、読み応えがあります。
本の内容に沿って割と忠実にサイトを作り直してみようと思い、実践。
すると!
今までおよそ100のヒット数に対し1の割合でしか売れなかったものが
30~40のヒットで1つの商品が売れる、といった具合に
購入率が大幅アップしたのです。これには本当に驚きました!
今の Web の世界は、技術的なことばかりが先走りすぎていたり
学校を出て知識を詰め込んできた Web 関連の仕事に携わる多くの人々が
お客さんの心理をつかむことより、自分たちのワザを見せ付け
刺激的にしようとし過ぎているのではないかと思います。
ド派手なサイトと、お客様が買いやすいサイトは違う
そんな、当たり前なのに実は多くの人が見落としてしまっている部分を
丁寧にしっかりと叩き込んでくれる本でした。