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和書 492084 (54)



オリエンタリズム〈下〉 (平凡社ライブラリー)
販売元: 平凡社

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 下巻は、上巻でオリエンタリズムの問題領域の提示、19世紀にオリエンタリズムが制度化されていく様子が第一章・第二章として記述されたのをうけ、19世紀末から第一次世界大戦までの間に、オリエンタリズムにイギリス的・フランス的という違いが大きく現れたこと、第一次世界大戦後から第二次世界大戦までの間にオリエンタリズムの担い手がアメリカに移ったこととオリエンタリズム自体の変質を扱った第三章、本編発表の7年後に発表されたオリエンタリズムに関する再説、日本人研究者の杉田英明氏の解説、訳者解説と上下巻共通の原注・索引が収録されている。
 オリエント、特に本書で論じられている西アジア・エジプト・インドで実際に植民地を統治していたイギリスでは、オリエントに対する認識が行政的・経済的・軍事的な操作手法へと変わり、その変化に応じてオリエンタリズムもより現実的になった。頻繁に用いられたのは「我々と彼ら」という区別=差別の図式と骨相学・人類学による人種類型を政治・文化の領域に拡大して適用する手口など、そんな手法でブリティッシュ・オリエンタリズムは植民地支配を正当化するどころかオリエントへの恩恵とさえ表象した。対してフランスでは当該地域にもはや植民地をほとんど持てなかったのでオリエントを自分たちの幻想・異国への象徴として観念し、オリエンタリズムもそれに応じて混乱と暴力と性的奔放さ、というイメージを流通させた。もちろんどちらのオリエンタリズムも実際のオリエントの存在を無視していたことに変わりがない。
 そんななか第一次世界大戦後に国際政治のヘゲモニーを確立したアメリカは、それまでの覇権国家だったイギリス・フランスからオリエンタリズムの使用権を継承することになった。この事実だけでもオリエンタリズムという学問分野が科学というより政治技術であることが示されているが、以下、著者はアメリカでのオリエンタリズムの特質を指摘する。それは、アメリカニズムをプロパガンダする前提としてオリエンタリズムの学習制度を作り上げたことと、アメリカン・オリエンタリズムが強く性行為を含意するようになったこと(男としてのアメリカがか弱い乙女としてのオリエントを組み伏せる)の二つだ。より消費イデオロギーを広げていくアメリカニズムが同時にオリエンタリズムも使いこなすことへの強い疑義と共に、全三章の論述は幕を閉じる。
 1985年に書かれた再説は、本編発表後に起こった著者本人の認識の深まりと、周辺で巻き起こった論争、彼の問題意識を受けた数多くの研究の紹介がされている。

 この著作が発表されたことで、明らかになったことは数多いようだ。そんな意味でこの本は世界を変えた一冊だと思う。内容に賛成するにしても反対するにしても、この著作自体にオリエンタリズムを働かせない限り、この1冊の業績は失われないだろう。




オリエント学論集―日本オリエント学会創立三十五周年記念
販売元: 刀水書房

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オンドル夜話―現代両班考 (中公新書 682)
販売元: 中央公論新社

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オールド上海 阿片事情
販売元: 亜紀書房

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本書は戦前満州・台湾史を専門とされる研究者の手による
戦前中国大陸の阿片史である。
著者は「序」と「結」だけを執筆しており
中心部分は中国の研究者による阿片関係の論文八篇からなる。

中国側から見たこのような論文の邦訳は珍しいため
これだけでも大きな価値があるが、上海総領事館の手による
『上海総領事館内二於ケル阿片及魔薬品』が
附録とはいえ非常に興味深い。

イメージだけが先行するオールド上海の阿片事情であるが
このような足に地のついた研究書の存在は心強い。




オール図解 30分でわかる三国志
販売元: 日本文芸社

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雁鴨池―発掘調査報告書
販売元: 大韓民国文化部文化財管理局

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海域イスラーム社会の歴史-ミンダナオ・エスノヒストリー-
販売元: 岩波書店

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フィリピン南部から東部インドネシアにかけての地域の歴史を再構成する試み。これまで未開の辺境として扱われてきた地域を共通の歴史世界として捉え直そうとしている。但し、ただの通史ではない。陸と国民国家に縛られた従来の歴史を海域という視点から問い直す大胆な試みである。

本書にはもう一つ大きな目的がある。地域研究をはじめとする現代に焦点を当てた学問分野の歴史離れに警鐘を鳴らし、歴史的視点を伴わない地域理解などあり得ないことを力説することだ。

18世紀の位置づけなど課題も残るが、それがきちんと明示されており、これから歴史を学ぼうという人への入門書として広く読まれるべきだろう。2004年に第20回大平正芳記念賞を受賞した。




海峡は越えられるか―日韓歴史論争
販売元: 中央公論新社

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文部省の教員資格審査を経た外国籍初の国公立専任教授・金両基氏と、ジャーナリストとして活躍する櫻井よしこ氏の、日韓の間に横たわる様々な論点についての討論である。

金氏の、歴史を語る上での推理・推測の排除を説きながら「日本政府による従軍慰安婦強制連行はあった」、「三国干渉の時にロシアの脅威はなかった」とする論拠、歴史の検証作業を訴えておきながら、日清戦争の豊島の海戦や、広島平和記念講演の在日韓国・朝鮮人慰霊碑の経緯については自ら検証していないこと、戦争責任をナチスのせいにのみしてしまっているドイツへの高い評価、他のアジア諸国も韓国と同じ対日観を抱いているとする前提、などを櫻井氏にもっと突っ込んで訊いて欲しかったのであるが、最後は明るい未来を予感させるような書き方で、うまくまとめられてしまっている。

また金氏は、韓国の恨の文化は日本の植民地政策のせいとしてしまっているが、櫻井氏は、戦後50年以上経っても日本がアメリカ文化に侵略されているとしたら、それは日本人の責任で、アメリカのせいだと言い逃れすることは許されないとしている。こう言った点なども含め、日韓の隔たりは大きく、海峡を越えるのは非常に難しいと認識させられた著作である。




日韓歴史論争 海峡は越えられるか
販売元: 中央公論社

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文部省の教員資格審査を経た外国籍初の国公立専任教授・金両基氏と、ジャーナリストとして活躍する櫻井よしこ氏の、日韓の間に横たわる様々な論点についての討論である。

金氏の、歴史を語る上での推理・推測の排除を説きながら「日本政府による従軍慰安婦強制連行はあった」、「三国干渉の時にロシアの脅威はなかった」とする論拠、歴史の検証作業を訴えておきながら、日清戦争の豊島の海戦や、広島平和記念講演の在日韓国・朝鮮人慰霊碑の経緯については自ら検証していないこと、戦争責任をナチスのせいにのみしてしまっているドイツへの高い評価、他のアジア諸国も韓国と同じ対日観を抱いているとする前提、などを櫻井氏にもっと突っ込んで訊いて欲しかったのであるが、最後は明るい未来を予感させるような書き方で、うまくまとめられてしまっている。

また金氏は、韓国の恨の文化は日本の植民地政策のせいとしてしまっているが、櫻井氏は、戦後50年以上経っても日本がアメリカ文化に侵略されているとしたら、それは日本人の責任で、アメリカのせいだと言い逃れすることは許されないとしている。こう言った点なども含め、日韓の隔たりは大きく、海峡を越えるのは非常に難しいと認識させられた著作である。




史記雕題〈上〉 (懐徳堂文庫復刻叢書)
販売元: 懐徳堂・友の会

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