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和書 492084 (228)



中国歴史研究入門
販売元: 名古屋大学出版会

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いままで中国史で卒論や論文を書くとしたら、山川出版社の『中国史研究入門』上下を参考に、時代別での研究を拾い、時代ごとの資料解説を読んで参考にしていたわけであるが、この『中国歴史研究入門』は、『中国史研究入門』が比較的網羅的であるのに対し、その後の研究が細分化したことや1冊本であることもあり、山川以後の研究動向を概括的に紹介し、主として日本語による研究の紹介にしている点が前者と異なる点である。そのため、各部分の筆者によって、とりあげる論点や資料解説に若干の偏りがあるが、致し方ないことだろう。
本書の特色としては、近年の出土文字資料の増加に伴い、各時代での資料案内でそうした分野での工具書や学習案内に富んでおり、また「序説」で歴史書に対する考え方や工具書を丁寧に紹介し、さらに第2部では「史資料を読むために」として資料学的な側面からの研究案内があり、近年の中国史研究を踏まえ初学者にとっても有益である。
趣味で中国史を勉強しているものにとっては、難しかったり、記述が概括的でその背景のことが見えてこない点があるかと思うが、その点は山川『中国史研究入門』や、それ以降のことであれば河合教育研究所『戦後日本の中国史論争』や汲古書院の各時代の『基本問題』シリーズが詳しい。
本書は、最近の研究動向を「中国歴史」全体でとらえ、知るには必読の書と言える。




中国歴史人物図鑑〈上〉古代から漢まで
販売元: 光栄

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中国歴史人物図鑑〈下〉三国から清まで
販売元: 光栄

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中国歴史人物大図典 歴史・文学編
販売元: 遊子館

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中国歴史人物大図典 神話・伝説編
販売元: 遊子館

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秦の始皇帝―多元世界の統一者 (中国歴史人物選)
販売元: 白帝社

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 本書は始皇帝の伝記が基本軸ですが、それに止まらない一冊となっています。中国古代史の基礎を知るための程よい入門書としても有用であるという事です。当然秦を始めとした戦国時代の主な国の簡単な建国史や遊説家達の諸相、五行相勝説など独特な運命思想、戦国七雄の貨幣制度など、基礎的なことであって名前は聞き知っていても、その内容をなかなか知りえないようなことを秦の統一という文脈に沿って、簡単ではあっても要点をついた解説がなされています。しかし、何と言ってもその白眉たるは秦国の法制についてのものでしょう。君主の命令はどのような形式でどんな名称で以って発せられていたか、それはどのように整備されてきたのかが説明され、そして今度は運用段階にあってはどのように法律が使われ、制度が動いていたかを当時の墓より出土した法律文書から明らかにしていくのです。古来よりイメージの芳しくない法家の国、秦の硬質な冷たい印象を著者は変えようと試み、ある程度成功しています。本書を読めば繊細で、思慮の行き届いた秦という国に感嘆することでしょう。
 国のイメージは君主のイメージ。あくまで伝記としてでも本書は優秀であり、読みやすい文章で書かれた、始皇帝に関する数々の逸話はとても躍動的であります。その出生にまつわる疑惑、荊軻による暗殺未遂、巡遊各地に残した碑文、仙人への憧れなどから見える始皇帝は、精緻な機構を誇った自らの帝国のように、先駆者の苦労を一身に浴びて、その正統性を示し、存在意義を示すため、自らの支えとなりそうなものなら何でも必死にしがみ付き喘ぐ、神経質でまじめな人間としての像が浮かび上がってきます。秦と始皇帝に着せられた必要以上の汚名を晴らし、儒教の一方的で独善的な歴史観を打ち破って、一人の人間としての始皇帝を見直すには、本書が大いに助けになろうものであろうと思います。




林則徐 (中国歴史人物選)
販売元: 白帝社

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西晉の武帝 司馬炎 (中国歴史人物選)
販売元: 白帝社

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則天武后 (中国歴史人物選)
販売元: 白帝社

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范仲淹 (中国歴史人物選)
販売元: 白帝社

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 北宋朝きっての名臣范仲淹なんていうと、いかにもマニアックな雰囲気ですが、彼の手になる「岳陽楼記」という文章中の「天下の憂いに先立って憂い、天下の楽しみに後れて楽しむ」という一文を耳にされた方は少なくないことと思います。この「先憂後楽」、その後の中国士大夫層の代表的なモットーとなりました。岡山や小石川の「後楽園」も、この言葉にちなんで名付けられたのだそうです。
 さて、この范仲淹先生、朱熹をはじめとする後世の儒学者たちにより、「士大夫の鑑」なり「中国史上随一の名臣」なりと景気良く祭り上げられていますが、人間としての彼の素顔や、現実の政界で果たした彼の役割を分かりやすく提示しようとするのが本書の企てです。
 複雑な生い立ち、官界における人脈の形成、幾度にも亘る政権批判と失脚、そして自ら担った改革の失敗など、彼の政治家としての成長と蹉跌とが、平易な言葉で比較的丁寧に語られるほか、その背景としての北宋朝の政治・行政制度や国際関係などが簡潔に押さえられており、中国史の中での范仲淹の位置付けを計り、また、北宋という時代のイメージをつかむのに便な本だと思います。
 本書で范仲淹の生涯を眺めてみると、はたして彼は「天下のご意見番」的な儒教精神の精華というべきなのか、それともウルサガタのクレーマーの如き口舌の徒に過ぎなかったのか、よく分からなくなります。およそクセのある大人物というのは、とかく毀誉褒貶の対象となりやすく、その分だけ歴史的な評価も難しくなるということでしょうか。


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