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和書 492236 (148)



思いっきり味わいつくす伴大納言絵巻 (アートセレクション)
販売元: 小学館

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)

 貞観8年(866年)に起きたといわれる応天門の炎上事件を題材とした三巻の絵巻物。「信貴山縁起絵巻」「源氏物語絵巻」とあわせて三大絵巻と呼ばれる絵巻である。本書では全体を一望する縮小画、見開き、原寸大の部分拡大と三様の大きさで編集されていて、じっくり鑑賞できる。上巻の炎上する炎の描写は、存在感があり、圧巻の一言。駆けつける人々の表情、動きも様々で、集団の捉え方も素晴らしい。
 保存状態が良くなかったのか、特に上巻のはじめは剥落した部分も多く、残念である。上巻の終り近く意図的にくりぬかれたような部分があったり、切り取られたのではないか、と思われるような不連続な絵があったりするのは、題材の政治性に関係するのでは、と憶測も広がり、かえって興味を増加させる。「伴大納言が源信を陥れようとしたが失敗し流刑された」という866年の事件をなぜ12世紀ごろになり絵巻物として描こうとしたのか、という「製作動機」にまで興味は広がっていく。

 時代背景などを良く知らないものにもわかりやすいよう、絵巻物の変遷を説明した特集コラムなどもあり、編集の配慮が感じられる。おしむらくは絵巻物の中の詞書(ことばがき)が、現代語訳だけがのっていることだろうか。原文を活字にして読ませてもらえればもっと味わいが増したと思う。

 このシリーズの「信貴山延喜絵巻」の編集が優れて堪能できるものだったのでこちらも開いてみた。どちらもなかなかよい。 国宝級の素晴らしい作品を細かいところまでじっくりと鑑賞できるのは、こういう本の最大の利点であろう。展示館のガラス越し、よりは得るものが多いかもしれない。





香月泰男 一瞬一生の画集 (アートセレクション)
販売元: 小学館

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金刀比羅宮の美術―思いもよらぬ空間芸術 (アート・セレクション)
販売元: 小学館

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旅のガイドブックより詳細に金刀比羅宮全体を知りたい人には本書は向きません。建物の解説はほとんどなく、普段柵越しにしか見れない表書院障壁画と非公開の奥書院障壁画の図録です。円山応挙、伊藤若冲ファンには必見の一冊。

本の価格は比較的安価ですが、図版の質、解説ともに適切で、類書のない貴重な本だと思います。

星5つとしたいところですが、参考図版の所蔵先が記載されていないため星4つとしました。




信貴山縁起絵巻―躍動する絵に舌を巻く (アートセレクション)
販売元: 小学館

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 三巻にわかれ、信貴山にまつわる三つの話が描かれた絵巻物「信貴山縁起絵巻」。「伴大納言絵巻」「源氏物語絵巻」とあわせて三大絵巻と呼ばれるものである。鉢に乗って倉が飛んでいったり、帝の病を治す護法童子が瞬時に現われたり、とお話一つ一つもなかなか面白いが、なんといっても絵が凄い。人物の表情も豊かだし、動きもいきている。幽玄ともいえる風景を上手く挟み、巻物という世界でお話を動かしていく作者の工夫もある。飛んでくる護法童子の後ろに伸びる線、その前を転がる輪宝の動きをあらわした線など、今の漫画にもなじみのものではないか。日本のストーリー漫画はこんな時代から始まっていたのだな、と思わせる楽しめる絵巻である。タイトルどおり「躍動する絵に舌を巻く」。

 お正月のテレビ番組でこの特集をやっていたので、教科書的な知識しかなかったこの作品をもう一度じっくりみてみたいと思って手に取ったのがこの一冊である。この絵巻の面白さがしっかり味わえる優れた一冊であった。
 詞書(ことばがき)も活字へ直しただけのものと現代語訳とが載っている。絵巻自体は全体を織り込み見開きに縮小した全容、巻物を繰りながら見たであろうほどの長さ、要所の拡大、と三段階を載せてあり、じっくり味わえるようになっている。説明は細やかでもあるし、書き手の感動や楽しさが伝わってもくる。
 もうあとは、手にとってただただ、楽しんでください、と言いたい。堪能できます。

 これが描かれた時代にはコピー手段などあるはずもなく、楽しめた人はほんの少数に違いない。コピーにしろ、手元で気軽に目にすることができる現代人でほんとによかった。





雪舟の「山水長巻」―風景絵巻の世界で遊ぼう (アートセレクション)
販売元: 小学館

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百鬼夜行絵巻―妖怪たちが騒ぎだす (アートセレクション)
販売元: 小学館

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妖怪研究書などで知られている湯本氏が今度は百鬼夜行絵巻に挑戦である。非常に画像を大事にした構成で、特に大徳寺真珠庵本の百鬼夜行絵巻については、現在最も綺麗で大きな画像を備える(中央公論社版の豪華本「日本の絵巻」は別だが、入手しにくいと思う)。この他にも東博本絵巻など全部カラー収載されている絵巻がいくつかあり、細かな妖怪器物の解説や、絵巻同士での異同のチェックなど細かいところで目が行き届いている。眺めていて楽しく、また百鬼夜行絵巻の相互関連についても解りやすい。
この判型ではこれ以上望めないだろうが、いずれ改めてより多くの絵巻や、江戸期の版本、さらに最近ブーム化している三次の絵巻なども含めて大型本でも出してもらえたらなあ、とこれは勝手な夢想である。




広重と歩こう東海道五十三次 (アートセレクション)
販売元: 小学館

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丸子宿の丁子屋にて東海道五十三次の絵を見ていたら、何気なく見ていた絵がすばらしく、何か良い本はないかと思っていたら、丁子屋においてあった。その場は買わなかったが、家に帰りいてもたってもいられず、アマゾンで購入しました。やはりいいですね。




千変万化に描く北斎の冨嶽三十六景 (アートセレクション)
販売元: 小学館

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北斎と言えば「富嶽三十六景」が有名です。本書はその「富嶽三十六景」の1点1点の作品を見開き2頁で紹介して、それぞれの内容についての解説が施されたものです。もっとも全体では、36枚ではなく46枚の図版です。全ての版画をみることでその全容を理解できるように「自然」「構図」「場所」「旅」「営み」と、主題に即した5つの視点で分けられています。それぞれの作品の狙い、意図、隠れた意味などが大久保純一氏の解説によって書かれており、知っているようで知らない世界を分かりやすく解き明かしてくれました。

「神奈川沖浪裏」などは、ドビュッシーに交響詩「海」の制作意欲を掻き立てたと言われているようなインパクトがありますし、そのような影響力を持つ版画をじっくりと眺めているとその凄みが伝わってきます。
錦絵の版元、ジャポニスム、娘阿栄のこと、小布施の北斎、馬琴と北斎等のコラムも楽しく読みました。

「北斎の生涯と画業」の章で書かれているように、「北斎漫画」に代表される刊本や様々な肉筆画、妖怪画も収録してありますので、画狂人というあだ名にふさわしい活躍ぶりを確認できます。まさしく江戸時代を代表する絵師の一人だと感じます。

これだけの技術と魅力があるので多くのファンがいたのでしょうね。なにしろ生涯に30000点ほどの作品を生み出したのですから「浮世絵」の大家として、日本が誇れる絵師でした。




目をみはる伊藤若冲の『動植綵絵』 (アートセレクション)
販売元: 小学館

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日本が、このような斬新を極める作家を持ち得たことを誇りに思います。西洋の絵画の影響を受けるまでもなくこのような技法や極致に至るのは誇らしく思います。
 ぜひ一度、この天才の作品との出会いを楽しまれたらと思い、推薦します。
                    Aug.15 '08




洛中洛外図 舟木本―町のにぎわいが聞こえる (アートセレクション)
販売元: 小学館

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 東京国立博物館の展示でこの屏風を見たことがあります。遠くからのガラス越しでは、「はあ、細かいところまで良く書いてある」と思うばかりで、実際に一つ一つの情景を味わうとまではいきませんでした、展示室もそんなに明るくはないし、絵自体も少しくすんでいましたし。この本の著者も短距離焦点の単眼鏡を持参し、一人ひとりの人物描写に引きこまれたと書いていますが、そうでもしないと展示室では細かいところはわからないでしょう。
 祭りの喧騒から日常の生活、殿上人から武士、町人、農民、とさまざまな人間の情景がこれでもか、と言う感じでかきこまれています。踊っている群衆の一人ひとりの躍動感、商人のもの言いたげな表情など、本当に一つ一つが活き活きしています。まるで平安風俗の「眼で見る百科」。隅の方にまで満遍なく詰め込まれている絵は、場違いかもしれないが、なぜかボッシュの絵に近いかも。
 それを「なめるように」細かいところまでじっくり味わえるのはこういう本の最大の魅力。全体の縮小図から原寸大の拡大、特徴的な人物を切り出したもの、といくつかの現わしかたで編集されているので、この一冊でゆっくり楽しめます。



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