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和書 492236 (343)



岸田劉生
販売元: 東京四季出版

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劉生自身、及び人間関係について日記や証言をもとに事細かく考察されて
いるのは興味深いのですが肝心の「内なる美」や「卑近美」「デロリの美」
「神秘」など劉生の画業を語るには外せないこれらの諸要素については
ほとんど触れられておらず、劉生の画風の変化、遍歴(あるいはスタイルの変化)
についての文章も、あくまでも劉生の「行動を追った」だけの内容だと感じました。
もともと謎の多い人物、近代日本美術の異端、と言ってしまえばそれまでですが、
劉生は現代の視点から観ても非常に興味深く、むしろ個人的には近代日本美術の
なかでもっとも研究が必要だと思われる芸術家のひとりだと思います。
この本はあくまでも劉生の行動に視点を据えた本だと思いますので
・岸田劉生随筆集 (岩波文庫)
・岸田劉生 内なる美―在るということの神秘 (Art & words)
 または岸田劉生 (新潮日本美術文庫)
などの評論や画集をセットで読まれる事をぜひお勧めします☆





岸田劉生
販売元: 日動出版部

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岸田劉生―近代洋画の偉才
販売元: 佐野美術館

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岸田劉生展―生誕110年
販売元: 東京新聞

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岸田劉生と現代―内なる美をめぐって
販売元: 六花社

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本の解説通り岸田劉生の作品を通じて近代、現代美術の在り方を問う興味深い内容です。
これは芸術だけに限ったことではありませんが日本が開国以来、常に欧米諸国(欧化)を
目標とし急ぎ足に模倣して来たことによる日本人としての自発性や内発性の衰退、喪失、
それ故、常に自己矛盾に苦しまねばならない現代日本人の精神に潜む病根のひとつを
この本は浮き彫りにしているようで、ある意味「警告的」で示唆に富んだ内容です。

かつて夏目漱石が同様に作品の中で警告していましたが日本は欧化を目標とした結果、
表層だけをなぞることしか出来ない浅はかな文化を持つ国となってしまったのかもしれません。
そしてその状態が続けば「滅びる」と夏目漱石は警告しています。
日本人は心、精神から滅びる、と言っているワケです。
あらゆる文化的な事柄は常に欧米によって影響を受け、現代では「日本美術」さえも形骸化し
様式(スタイル)のみの「日本的な美術」となってしまっている傾向が強いと感じます。
中身が無く、あるのは表面をなぞった「表向き」ばかりのような気がします。

そしてそれは岸田劉生の生きた時代も同じだったことが分かります。近代日本が欧米の影響下
我を忘れて疾走してゆく、あるいは流されてゆくなかで劉生は日本の未来を静かに、半ば絶望的に
見据えていたのかもしれません。逆に言えば欧化を目指す日本に疑問と危機感を覚え、自発的に
近代から離れ、我が道を貫き通したタフな精神と稀有な才能を持つ芸術家でもあるわけです。

本についてですが劉生の作品についての考察はとても素晴らしいと思います。
ただし、あくまでも劉生の作品を読者が知っていることを前提として書かれているようなところも
ありますので、この本を読むにあたっては劉生の絵や人生に関する知識がある程度あったほうが
より深く、この本を理解出来るかと思います。
・岸田劉生随筆集 (岩波文庫)
・岸田劉生 内なる美―在るということの神秘 (Art & words)
・岸田劉生 (新潮日本美術文庫)
などの評論や画集を併読されることを是非お勧めします☆





岸田劉生 (1947年)
販売元: 建設社

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岸田劉生 (1948年)
販売元: )創芸社

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岸田劉生 (1948年)
販売元: 小山書店

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岸田劉生 (1952年)
販売元: 美術出版社

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岸田劉生 (1955年) (角川写真文庫〈第15〉)
販売元: 角川書店

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