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和書 492242 (245)



アルヴァ・アアルト (SD選書 34)
販売元: 鹿島出版会

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 この本はかつてアアルトの事務所に1年間在籍した著者によるアアルトの描写である。著者は評論家ではなく建築家であり、大げさな分析ではなく、率直な感想、実際目にしたことをもとに書かれている。そのため読みやすく理解しやすい。また、アアルトの建築家としての歴史、有名作品の大まかな情報は網羅されている。
 アアルトには、コルビュジエのドミノシステム、アドルフロースのラウムプラン、ミースのユニヴァーサルスペースに代わるようなものがない。それはなぜだろうか。この本では、アアルトの建築に対する人間的で人情的な接し方が優しく描写されている。
 伊東豊雄さんが「抽象的なモデルに基づいて作られた抽象的な建築という存在が建築家からも現実の生きた人からもどうしようもなく浮き上がってくる」と言うように、使い手から離れ建築家の理想の中で完結してしまった建築は少なくない。現代という時代に、アアルトから学ぶべきことはその辺りに隠れているのではないだろうか。
 この本はアアルトの良き入門編であると同時に、アアルトの人間的で優しい側面を切り取った著者から読者への私信である。




日本建築の空間 (SD選書 37)
販売元: 鹿島出版会

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住宅論 (SD選書 49)
販売元: 鹿島出版会

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 1960年〜1967年にかけて建築学会や雑誌に寄稿された論文集であり、著者の言葉を引用すると「当時の建築の主流の考えや動向に立ち向かっていた」姿勢を垣間見ることができる。

 本書に掲載されている論文のテーマを幾つか紹介する。

 日本伝統論/無駄な空間/住宅は芸術である/様式がつくられるとき/三つの原空間/住宅設計の主体性/原型住宅の提案/黒の空間/空間の思想化 ほか

 『無駄な空間』では、「すまいというのは広ければ広いほどよい」と述べつつ、「ゆとり」ではなく「コアー(核)」としての「無駄な空間」を中心とし、しっかりと機能を有した空間を従えたようなすまいをつくることを主張している。それは本来の目的を見失い、ただ無駄なく計画するという技術にこだわる日本の機能主義批判であろう。

 続いて『住宅は芸術である』という名言が登場する。芸術とは新しい自分を発見させてくれるもの、つまり自分の可能性を拡げてくれるものである。そう考えると、著者は住宅というものに、機能性や快適性以上のものを追及し続けたのであろう。その真意は以下の言葉からも明らかでる。

 「つくりだされたこの小空間(=住宅)が人間の心の奥に強く触れるなにかをもつことができたとき、それが芸術であり、そのことによって注ぎ込まれたエネルギーの代償が得られる。」(抜粋)

 さらに『住宅設計の主体性』と題して、住宅設計はいかなる都市デザインからも敷地の形や環境からも、さらには施主からも自由でなければならないと主張する。これは言葉どおりに読み取ると非常に危険だが、全責任を負うという覚悟に基づいて、建築家自身の出発点を大切にすべきであると捉えられる。

 ただし読み方によっては、著者自身都市デザインにはあまり関心がないようにも思えるが、それはただ全体の都市計画ありきという発想への不信感を表明しているだけであることは本人の言葉からも読み取ることができる。都市について考えていないのではなく、都市(全体)を住宅(個)から考えようとしているのである。

 「個を通して全体をとらえるというという過程は、居直りどころか、もっとも正統的な人間の社会への接近法なのである。」(抜粋)

 「たったひとつの小さな人間家族の生活のための空間を拠点として、人間と人間、人間と社会、そして人間と世界の問題を考えていくのが住宅設計の基本の在りかたである。」(抜粋)

 以上簡単に要点だけまとめてみたが、非常に挑戦的な、誤解を招きかねない表現が敢えて多用されているが、それは近代主義によって失われたものを強調するための逆説的表現と考えるべきであろう。技術に依存しながら合理化を進めてきた社会に対して、理性では推し量れないものやひとりの人間のもつ力の可能性を極端な表現で示そうとしている。

 最後に著者自身の態度を明確に伝えていると思われる一文を引用して締めくくる。

 「抽象的なる空間への私の関心は戦後住宅の代表的設計方法であった機能主義や合理主義への反発からはじまった。一方で私は日本建築の空間構成に関心をもち、そのなかに中小空間として様式がひそんでいることを見出していった。」(抜粋)




日本デザイン論 (SD選書 5)
販売元: 鹿島出版会

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 この本は、著者がアメリカで講義した内容を基に新たに書き足し、書き直したものである。今まで日本人として心の隅で感じながらも意識していなかった部分が、明確な言葉となって現れてくる。一章に一つずつ明確なキーワードが与えられており、本を読み終わると日本の文化を考えるための10の観点が頭の中に残る。
 『古いものすべてが伝統ではない。未来への発展や新しい創造への可能性を持った物のみが伝統の名に値する』と著者はこの本の中で述べている。その言葉通り、この本の中に書かれているのは、過去の出来事や物の紹介ではなく、そのデザインの発想に関することである。1966年に出版されたものであるが、まったく古さを感じさせず、今も現代建築デザインの中心で頻繁に語られる内容を数多く含んでいて驚かされる。
 明確な言葉で、日本の曖昧な文化に言葉を与えていくこの本は、未来の建築、都市を考える人に、新たな可能性を感じさせてくれる本であると同時に、『論理的、合理的に物事を捉えること』についても考えさせられる本である。




建築とは何か (SD選書 95)
販売元: 鹿島出版会

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住宅論 続 (2) (SD選書 96)
販売元: 鹿島出版会

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SD選書241 アーツ・アンド・クラフツの建築 (SD選書)
販売元: 鹿島出版会

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SD海外建築情報〈1〉 (SD選書) (1972年)
販売元: 鹿島研究所出版会

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SD海外建築情報〈2〉 (SD選書) (1972年)
販売元: 鹿島研究所出版会

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SD海外建築情報〈3〉(SD選書) (1972年)
販売元: 鹿島研究所出版会

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