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和書 492282 (190)



志ん生一代〈下〉 (中公文庫)
販売元: 中央公論社

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 上巻ではまったく売れなかった志ん生も、下巻に入って四十を過ぎたあたりから、徐々に売れ始める。だけど、何で売れ始めたのか?決定的な転機があったようには思えない。こればっかりは風向きっていうか、流れっていうか。ひとつ言えるのは「続けていたから」ってことだろう。もちろん、続けていたからって誰もが売れる訳じゃない。そこは運だ。でも続けない限り、チャンスはそこで途絶えてしまう。まぁ志ん生とは比べられないけど、きみまろだってこだまひびきだって、続けていたからこそのブレイクなんじゃないだろうか。
 志ん生が、カミサンもらって子供3人出来て四十過ぎてから売れたってのは、芽が出なくても夢を追っかけ続けている人にとっては希望である。一方で「カミサンも子供も食わしていかなくちゃいけないし」とか「俺もいい歳だし」って御託は言い訳でしかなくなる。志ん生がある程度食えるようになって、当時二十歳の長男・清(金原亭馬生)に言った「まだ若えな。大きい薬缶は沸きが遅いんだ。焦ることはねえ。(中略)小鍋はじき熱くなるが、さめるのもじきだからな」なんて言葉も、志ん生だからこそ説得力を持つし、ジーンと勇気が沸いてくる。
 ところで、下巻はこうした志ん生の名言が多い。「酒がいちばんいいね。酒というのは人の顔色をみない。貧乏人も金持も同じように酔わしてくれるんだ」とかね。
 下巻の後半は、前座時代の“仲よし”、ゲロ万こと小西万之助を皮切りに、どんどん仲間が死んでいって、悲しい。妻のりんが死に、文楽が死に、そして志ん生にも寿命がやってくる。享年八十三歳。体調を崩し最後の高座から五年たっても死ぬまで独演会の望みを捨てなかった、その芸人としての生き様が美しいし、うらやましい。上巻は星四つ付けたんだけど、上下巻通して文句なしの五つ星である。




志ん生を撮った!―元祖寄席カメラマン秘話
販売元: うなぎ書房

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志ん生滑稽ばなし (志ん生文庫)
販売元: 立風書房

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志ん生の噺 1 (ちくま文庫)
販売元: 筑摩書房

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「聞くは一時の恥、聞かずはマツダケの恥
てェいうくらいだからなァ」
●『千早ふる』より

「蟻(アリ)なんぞネ、つまみ上げてネッ
白めしの上へね、ごま塩のかわりに……
えッ、蟻めしッてンだよ」
●『饅頭こわい』より

「お新香ないの?まだ、漬けてないの?
じゃ、ナマで喰うよ、ナマで喰う!
で、あとから、ヌカァ喰ってェ、
……頭へ石をのっけるから」
●『替り目』より

「さっき来やがった、その犬がね、
酒の徳利をじーいッと見てやがンだよ、ねッ
えッ、犬のくせに酒なんぞ見やがって……」
●『犬の災難』より

「あァ、
実にどうも、義侠に富んだ親方だ。
そういうのは、人間にしておくのは惜しい」
●『狸賽』より

「茶碗になりてえ」
●『猫の皿』より

「むかしは五百円あるてェと、
下駄屋の店が買えたんですが……
昔は安かった、もう鼻緒なんざァ、
三文あるてェと、二足買えたそうです。
二足三文なえくらいで……」
●『宿屋の富』より

「こらッ、手前だろう。
毎晩ここから身を投げるのはッ?!」
●『水屋の富』より

「……ネコに生まれかわれませんか。
黒毛でね、鼻だけチョイと白いんで……
暗いところに寝てると、
おまンま粒だと思って、
ネズミがたべにくるンでェ」
●『無精床』より

「ナエ屋さん、あのー、
オシロイのナエありますか?」
「きょうは持ってこナエ」
●『あくび指南』より

「どれだけ熱いかしンねえが、
たかが灸じゃねえか、べらぼうめィ。
背中で焚き火をするわけじゃあるめえッ」
●『強情灸』より

「こんな鯛……五十銭にまけろィ、
どうせ海で、タダでつかまえるンだろ
それとも何かィ、魚屋ァ、
あの海はオメエが、こしらえたのか?」
●『鮑のし』より

「山谷の痔の神さま、
そんなお尻のほうへ引っ込んでないで、
こっちィおいでよ」
●『天狗裁き』より


『道灌』『和歌三神』『三味線栗毛』
『三人絵師』『麻のれん』『安兵衛狐』
『泣き塩』『元犬』『岸柳島』計22席




志ん生古典落語〈1〉火焔太鼓
販売元: 弘文出版

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志ん生古典落語〈2〉黄金餅
販売元: 弘文出版

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志ん生古典落語〈3〉らくだ
販売元: 弘文出版

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志ん生古典落語〈4〉柳田格之進
販売元: 弘文出版

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志ん生古典落語〈5〉富久
販売元: 弘文出版

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志ん生古典落語〈6〉牡丹灯篭
販売元: 弘文出版

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