本書でいう 「電子辞典」 とは、最近流行りのポータブルタイプ(電子手帳のような辞書)ではなく、主に CD-ROM や DVD で提供され、パソコン上で起動するタイプの辞典(ないしは辞書)です。
書籍版の辞典・辞典と比較した場合の電子辞典のメリットや、電子辞典ならではの楽しみかたを紹介しながら、電子辞典を考察していきます。
「統合辞典」 と謳いながら、いくつもの辞典・辞書を詰め込んだだけのものが多いことに対する 「入っている辞典・辞書相互の連携がなされたとき、本当の 『統合辞典』 になる」 という著者の主張に納得。
電子辞典(ポータブルタイプを含む)を購入する際には、留意点の確認として一読をオススメします。
CD-ROMの方は、今年からT-Timeという検索ソフトに変更され、またWorld Carenderという40カ国対応カレンダーも添付されている。T-Timeは、Windows、Palm、PDAにも対応していることはもちろんだが、OSXにネイティブ対応しており、現代用語系のCD-ROMでは現時点ではおそらく最初なのではないだろうか。その点は高く評価したい(World CalenderははMac未対応)。
T-Timeの使い勝手は、レイアウトの良さ、感覚的に操作できる点などはよいものの、全文検索ウインドウがデフォルトで開かないなど、今までのソフトに比べると、仕事などで次から次へとガンガン検索するような時には不満が残る。スペックにもよるが、OSXだと若干重いのも問題であろう。
OSXをメインで使う際のネックの一つが、辞書系ソフトのネイティブ対応の遅れにあると思うのだが、今回のデータパルは、まだ向上の余地はある者の、それを打破した最初の試みとして評価したい。