和書 492412 (285)
われ弱ければ―矢嶋楫子伝 (小学館ライブラリー)
販売元: 小学館
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われ弱ければ―矢嶋楫子伝 (小学館文庫)
販売元: 小学館
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矢島楫子の主たる業績は、「日本キリスト教婦人矯風会」初代会頭として、女性の人権確立のため尽力したことと、「女子学院」初代校長として、現在にいたる私立名門女子校の礎を築いたことであろう。このような「偉人」を育むのが、逆説的にも、人間の弱さ・醜さであることを、本書は教えてくれる。旧幕臣=敗者という境遇から、「麻布中学」を創設した江原素六と多くの共通点を見出すのは、小生だけであろうか。
わん・つう・すりー―アメリカ阿呆旅行 (文春文庫)
販売元: 文藝春秋
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正直、一般的な読者としての視点はわかりません。
けれども、古くからの奇術マニアにとっては、
本書はたまらない内容の紀行文でしょう。
故・江国滋氏はアマチュア・マジシャンとして知られていましたが、
このアメリカ旅行(80年代です)の目的そのものが、テレビ撮影を兼ねつつも、奇術にどっぷりと漬かること。
で、氏が実際に接したマジシャンたちの豪華な面々といったら!
ほとんど神格化されてるダイ・バーノンから、
チャニング・ポロック、スライディーニ、
「浮遊するバイオリン」のノーム・ニールセン、
コインの大家デビット・ロス、親日家マックス・メイビン、
デビッド・カパーフィールド、マイク・スキナー、
フランク・ガルシア、ジミー・グリッポ・・・
故人も多いですが、みんな伝説的なマジシャンばかり。
ただ彼らの紹介が本書のメインというわけでなく、
あくまで奇術を通じた著者のアメリカ紀行ということなので、
味付け程度の描写量ではありますが、
それでも彼らの生の声や、間近でみるたたずまいが描かれていて、
貴重な記録となっていると思います。
また、一度でもマジックの虜になった経験のある方・
現になっている方にとっては、
江国氏自身の体験談も、とても楽しく読めるでしょう。
亜愛一郎の転倒 (角川書庫)
販売元: 角川書店
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◆第一話「藁の猫」
完璧な写実性で有名な画家の内縁の妻が服毒死した。
そして、なぜか遺体の手には藁の猫が握られていて…。
前作『狼狽』の「DL2号機事件」と同じテーマが変奏されます。
◆第二話「砂蛾家の消失」
(人家消失)という大ネタですが、
仕掛け自体は至ってシンプル。
動機の必然性の演出が見事です。
◆第三話「珠洲子の装い」
飛行機事故で死んだ流行歌手の名を冠した
映画のオーディションでの出来事。
これぞ逆説、という論理が冴えわたります。
◆第四話「意外な遺骸」
手毬歌に見立てられた他殺死体の謎。
死体の死因がとにかくユニーク。
廻文のお遊びも楽しいです。
◆第五話「ねじれた帽子」
落とした帽子を頑として受け取らない男の謎。
冒頭、無造作に示される伏線が、とにかく洒落ています。
◆第六話「争う四巨頭」
第一線を退いた、同郷の政財界の大物4人。
人目を避けて、彼らが会合するのはなぜなのか?
「知」の喜びや、それまで気づかなかった自分の
嗜好を知ることこそ、人生の醍醐味でしょう。
◆第七話「三郎町路上」
タクシーの後部座席に突然出現した死体の謎。
昆虫学者・響子の姐御っぷりが忘れがたい印象を残します。
◆第八話「病人に刃物」
「転倒」がキーワード。
誰の身にも起き得る危険ですが、
最終的には因果応報というところ。
作中の、勘違いコント風の会話に、現代でも
決して色褪せない著者の洒脱さを感じます。
亜愛一郎の転倒 (創元推理文庫)
販売元: 東京創元社
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◆第一話「藁の猫」
完璧な写実性で有名な画家の内縁の妻が服毒死した。
そして、なぜか遺体の手には藁の猫が握られていて…。
前作『狼狽』の「DL2号機事件」と同じテーマが変奏されます。
◆第二話「砂蛾家の消失」
(人家消失)という大ネタですが、
仕掛け自体は至ってシンプル。
動機の必然性の演出が見事です。
◆第三話「珠洲子の装い」
飛行機事故で死んだ流行歌手の名を冠した
映画のオーディションでの出来事。
これぞ逆説、という論理が冴えわたります。
◆第四話「意外な遺骸」
手毬歌に見立てられた他殺死体の謎。
死体の死因がとにかくユニーク。
廻文のお遊びも楽しいです。
◆第五話「ねじれた帽子」
落とした帽子を頑として受け取らない男の謎。
冒頭、無造作に示される伏線が、とにかく洒落ています。
◆第六話「争う四巨頭」
第一線を退いた、同郷の政財界の大物4人。
人目を避けて、彼らが会合するのはなぜなのか?
「知」の喜びや、それまで気づかなかった自分の
嗜好を知ることこそ、人生の醍醐味でしょう。
◆第七話「三郎町路上」
タクシーの後部座席に突然出現した死体の謎。
昆虫学者・響子の姐御っぷりが忘れがたい印象を残します。
◆第八話「病人に刃物」
「転倒」がキーワード。
誰の身にも起き得る危険ですが、
最終的には因果応報というところ。
作中の、勘違いコント風の会話に、現代でも
決して色褪せない著者の洒脱さを感じます。
亜愛一郎の逃亡 (角川文庫)
販売元: 角川書店
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◆第一話「赤島砂上」
裸体主義者クラブ(!)の集会が舞台。
トリックは、今では普通にことわざとして流通している
〈ブラウン神父〉シリーズの「アレ」が用いられます。
◆第二話「球形の楽園」
完璧な密室状態の丸いカプセルの中に、前頭部に打撲傷、
背中に突き傷を負った男の死体が…。
強迫観念に囚われた人間の視野の狭さには、
身につまされるものがあります。
◆第三話「歯痛の思い出」
病院での呼び出しである、
「亜さん、井伊さん、上岡菊けこ……?」
が、とにかく印象的。
◆第四話「双頭の蛸」
北海道の湖に現れたという双頭の蛸を取材するため
駆けつけた記者が遭遇した殺人事件。
一枚の写真を見るにしても、人は自分の
「見たいもの」しか見ない、ということでしょう。
◆第五話「飯鉢山山腹」
車体に書かれていた「ニウ島産(屋島ウニ)」の謎。
◆第六話「赤の讃歌」
赤を基調とした絵で名を成し、
画壇のドンにまで上りつめた画家の話。
終盤、すべてが裏返され、反転していく、
逆説の論理が展開されていきます。
◆第七話「火事酒屋」
火事が好きでたまらない酒屋の主人が遭遇した
不審火の現場から発見された他殺死体。
主人は放火と殺人、二つの容疑をかけられるのだが…。
集中の白眉。
背が低いために、消防士になれなかったという
酒屋の主人の人物像が、事件の構造と有機的に
結合しているのが、じつに秀逸。
◆第八話「亜愛一郎の逃亡」
雪中の離れから、亜はどのようにして
足跡を残さず、忽然と姿を消したのか?
亜の正体が明らかに。
祝祭的なラストの幸福感は格別です。
亜愛一郎の逃亡 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)
販売元: 東京創元社
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◆第一話「赤島砂上」
裸体主義者クラブ(!)の集会が舞台。
トリックは、今では普通にことわざとして流通している
〈ブラウン神父〉シリーズの「アレ」が用いられます。
◆第二話「球形の楽園」
完璧な密室状態の丸いカプセルの中に、前頭部に打撲傷、
背中に突き傷を負った男の死体が…。
強迫観念に囚われた人間の視野の狭さには、
身につまされるものがあります。
◆第三話「歯痛の思い出」
病院での呼び出しである、
「亜さん、井伊さん、上岡菊けこ……?」
が、とにかく印象的。
◆第四話「双頭の蛸」
北海道の湖に現れたという双頭の蛸を取材するため
駆けつけた記者が遭遇した殺人事件。
一枚の写真を見るにしても、人は自分の
「見たいもの」しか見ない、ということでしょう。
◆第五話「飯鉢山山腹」
車体に書かれていた「ニウ島産(屋島ウニ)」の謎。
◆第六話「赤の讃歌」
赤を基調とした絵で名を成し、
画壇のドンにまで上りつめた画家の話。
終盤、すべてが裏返され、反転していく、
逆説の論理が展開されていきます。
◆第七話「火事酒屋」
火事が好きでたまらない酒屋の主人が遭遇した
不審火の現場から発見された他殺死体。
主人は放火と殺人、二つの容疑をかけられるのだが…。
集中の白眉。
背が低いために、消防士になれなかったという
酒屋の主人の人物像が、事件の構造と有機的に
結合しているのが、じつに秀逸。
◆第八話「亜愛一郎の逃亡」
雪中の離れから、亜はどのようにして
足跡を残さず、忽然と姿を消したのか?
亜の正体が明らかに。
祝祭的なラストの幸福感は格別です。
亜愛一郎の狼狽 (角川文庫 (5735))
販売元: 角川書店
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◆第一話「DL2号機事件」
爆破予告された飛行機に、あえて乗る男の真意は?
「常識」に安住することの危うさ。
「常識」が非常識に反転する構造が描かれます。
◆第四話「掌上の黄金仮面」
巨大弥勒菩薩像の手の上に立つ怪人―。
乱歩テイスト溢れる舞台設定は、
決してこけおどしではありません。
この状況だからこそ犯行に至ってしまった犯人の
心理の形成過程が無理なく説得的に描かれています。
◆第五話「G線上の鼬」
市道G号線で、タクシー強盗が殺害された事件。
強盗を「鼬みたいに陰険〜」と表現したタクシー運転手。
なぜ「狐みたいに」ではないのか?
不可解にみえて、実は単純な
人間心理の機微が暴かれる、集中の白眉。
◆第七話「ホロボの神」
戦時中、南アジアの小島ホロボで原住民の
酋長が日本兵の拳銃を使って自殺した。
しかし、はたして彼らに「自殺」という概念があるのか?
異なる文明の邂逅によって生み出される密室状況と、
犯人の犯行動機の設定の見事さに舌を巻きます。
◆第八話「黒い霧」
早朝の商店街にばら撒かれた大量のカーボン。
スケールの大きなトリックの必然性が説得的に解明されると
同時に、亜によって、見事な犯人限定の論理が展開されます。
冒頭と結末が美しく円環を結ぶかのように収束する佳編。
亜愛一郎の狼狽 (創元推理文庫)
販売元: 東京創元社
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◆第一話「DL2号機事件」
爆破予告された飛行機に、あえて乗る男の真意は?
「常識」に安住することの危うさ。
「常識」が非常識に反転する構造が描かれます。
◆第四話「掌上の黄金仮面」
巨大弥勒菩薩像の手の上に立つ怪人―。
乱歩テイスト溢れる舞台設定は、
決してこけおどしではありません。
この状況だからこそ犯行に至ってしまった犯人の
心理の形成過程が無理なく説得的に描かれています。
◆第五話「G線上の鼬」
市道G号線で、タクシー強盗が殺害された事件。
強盗を「鼬みたいに陰険〜」と表現したタクシー運転手。
なぜ「狐みたいに」ではないのか?
不可解にみえて、実は単純な
人間心理の機微が暴かれる、集中の白眉。
◆第七話「ホロボの神」
戦時中、南アジアの小島ホロボで原住民の
酋長が日本兵の拳銃を使って自殺した。
しかし、はたして彼らに「自殺」という概念があるのか?
異なる文明の邂逅によって生み出される密室状況と、
犯人の犯行動機の設定の見事さに舌を巻きます。
◆第八話「黒い霧」
早朝の商店街にばら撒かれた大量のカーボン。
スケールの大きなトリックの必然性が説得的に解明されると
同時に、亜によって、見事な犯人限定の論理が展開されます。
冒頭と結末が美しく円環を結ぶかのように収束する佳編。
亜智一郎の恐慌 (創元推理文庫)
販売元: 東京創元社
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1997年に双葉社から出た単行本の文庫化。ちなみに2000年には双葉文庫にもなっている。
1992-97年に書かれた7つの短篇を収める。いずれも、亜愛一郎の祖先である亜智一郎を主人公としたもの。江戸時代、それも家定、家茂が将軍であった幕末が舞台となっている。そんななかで亜智一郎らが隠密的な活躍をしていく。
ミステリというよりは、時代小説にちょっと謎をからめたという感じ。推理小説を期待して読むと、肩すかしを食らうかも。
登場人物がいずれもユニークで、のほほんとした味わいがある。忍術を使ったり、大力であったり。ただ、個々の能力を生かし切れていないような。そのあたり、時代小説とミステリの狭間で苦しみ、消化不良に陥っているように思えた。