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和書 499786 (75)



ある軍法務官の日記
販売元: みすず書房

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著者、小川関治郎氏の実直でまじめな性格がにじみでているばかりでなく、鋭い観察力による率直な意見が書かれている資料性の高い従軍日記である。しかも、高所から客観的に見た、兵士の日記とは趣が異なる従軍日記である。 まさに発展しようとしていた上海の破壊を目の当たりにして、「日本ノ責任重且ツ大ナルコトハ言ヲ俟タザル所ナリ」(昭和13年2月13日)。あるいは、日本人町(虹口)を見て「自分ハ思フ 日本ノ力ハ只武力ニアリト言フベキカ 武力ニ於テ日本ハ世界ニ冠タルコト絶対ニ比スベキ国ナキモ武力ノミヲ以テ列国ニ対シテ何事モ強ク押切ルコトヲ得ルヤ否ヤ」(昭和13年2月14日)と問うている。 軍紀の乱れも法務官として詳しく見聞しており、かなり具体的に書かれている。 金山における村民の射殺斬殺事件は「一ツノ好奇心ヨリ支那人ヲ殺害セントノ念ニ基クトモ認メラル」とし、「前線ノ戦闘ニ加ハラズ従ッテ支那人ヲ殺サントノ一種ノ観念ニ駆ラレタルトトモ認ムベク」(昭和12年12月26日)とし、兵士の戦場での特異な心理を記述している。 一方、官僚的な面も見えている。兵士の強姦事件にも困りはてていたようであるが、憲兵の上砂(かみさご)中佐(著書に「憲兵三十一年」がある)が「近頃強姦事件不起訴ニ付セラルルモノ多ク」と苦情を述べると、「刑法一七八ニ所謂抗否不能ニ乗ズルモノ」とはいえないとはねつけている。(昭和12年12月25日)これは法務部の一般的な見解であったらしく、岡村寧次大将が「銃剣の前に親告などできるものでない」と怒って陸軍刑法を改正したというエピソードが他書にある。(稲垣正夫編「岡村寧次大将資料(上)」(原書房,昭和45年),P301) 小川関治郎氏は東京裁判で供述書を提出しているが、この部分とかさなるところがあり興味深い。(供述書は下記の書籍に掲載されている。洞富雄編「日中戦争資料集8 南京事件Ⅰ」(河出書房新社,昭和48年)P256-257) 宣戦なき戦争が国際法の解釈を難しくしていたことも本書に見られる。パナイ号事件(当時はパネー号事件と呼んだ)について松井岩根大将は日清戦争時の高陞号事件を引き合いにしているので、当時の国際法が司令官に十分理解されていなかったことが分る。(昭和12年12月28日) 氏は もともと第十軍に属したが松井大将のもとでも働いた。松井氏は独特の性格であったらしく「少シ威張ル癖アリ」と感じ、偏見かも知れないがと遠慮しながら「名古屋ノ辺ノ人」は派閥思想があるのではと観察しているのが面白い。(昭和13年12月22日) 巻末の「わが父、陸軍法務官 小川関治郎」はこの日記の意味を知る上にも一読の価値がある。今後、歴史資料としてもこの本はよく引用されるに違いない。 「支那事変」理解のために、その価格以上に十分価値のある本である。




ある遺書―北摂能勢に残るもうひとつの平家物語
販売元: クレイ

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ある都市のれきし―横浜・330年 (たくさんのふしぎ傑作集)
販売元: 福音館書店

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ある零戦パイロットの軌跡
販売元: トランスビュー

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あれ地を田畑に! 東日本編 (きょう土につくした人びと ふるさと歴史新聞)
販売元: ポプラ社

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あれ地を田畑に! 西日本編 (きょう土につくした人びと ふるさと歴史新聞)
販売元: ポプラ社

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あゝ、我が戦友(とも)よ―遙かなる追憶
販売元: ふこく出版

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あゝハイラル「第八国境守備隊」顛末記 (証言・昭和の戦争 リバイバル戦記コレクション―関東軍戦記)
販売元: 光人社

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あゝ同期の桜―かえらざる青春の手記
販売元: 光人社

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 いわゆる青春真っ只中で、勉学に励み、あるいは、運動(当時はスポーツとは言えなかった)に励み、青春を謳歌していておかしくない状況で、戦争に借り出される側の様々な懊悩が、ここにある。
 そういう立場に対する疑問、懐疑を示す手記もあれば、肯定的に捉え、積極的に受け入れる手記もある。そして、判断しかね苦悶する手記もある。
 ただ、全体に共通して言えるのは、自分の人生や、両親や、友人や、そして「日本という国」を真剣に考え、正面から向き合っていることである。
 これらから安易に「愛国心」という言葉を引き出して、同じ立場に立ったら同じようにすべきだなどという短絡的な結論を出すなら、これらの心打つ手記を残してくれた方々に対する冒涜であろう。他方、彼らを軍国主義の手先だなどと評価するのは更にとんでもない侮辱であろう。

 昭和史の正しい認識を持った上で、自分が同じ立場に立ったとしたら、どう反応するのか、考えてみると、「平和」「戦争反対」の本質が見えてくるのではなかろうか。
 残念ながら、「平和」を声高に叫ぶ人の中には、この種の本にアレルギーを持っている人が多いような気がするので念のため。




あゝ回天特攻隊―かえらざる青春の記録
販売元: 光人社

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回天関連の書物で、最初に手にした本である。
筆者は、回天戦の中盤から後半にかけて、3度出撃するも会敵せず、または回天の故障により3度帰還している。
その間に、ともに青春を送った戦友を次々と亡くし、生還したことに対する自責の念、周囲の視線に対する苦悩、そういったものが切々とつづられるくだりは涙なくしては読めない。

また、基地での生活中に起こるさまざまな人間模様なども、ユーモアを交えながらつづられており、そこには過酷ながらも等身大の青春があったのだと良くわかる。
そういった意味でも、誰にも読みやすく、そして回天についてもよく理解できる本だと思う。


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