・ミキサーカイロ…背骨各部と骨盤の矯正の他に、マッサージ、指圧、鍼、電気療法など各種療法を併用。
・ストレートカイロ…上部頸椎(けいつい)(頸椎1番2番)の歪みが背骨や骨盤の歪みの根本原因であり、そこを矯正すれば他の歪みも自然に矯正されるとし、他の療法を併用しない。
の二種があり、現在、他の療法を併用するミキサーカイロが主流であるため、カイロに関する誤解も多く、本書はストレートカイロの立場から、本来のカイロと他の療法の違いを説明しています。
また、主流のミキサーカイロでは上部頸椎を矯正せずに他の部分を矯正しますが、
これは曲げた棒を横から無理に押し戻そうとするのと同じで、危険だそうです(p72)。
しかし、ミキサーカイロで起る事故は本当にそういう意味での無理によって起っているのでしょうか。
本書は背骨を棒にたとえていますが、実際の背骨は弾力があり、私の素人考えでは、ある部分を無理に矯正しても歪みが他の部分に移動するだけで済むのではないかとも思えます。
これはカイロ全体の信用にかかわる問題なので、どの程度しっかりした根拠に基くのか、単に理論的憶測で言っているだけなのか、明確にして欲しいと思います。
上部頸椎が歪みの根本という点については、整体の方面に、骨盤が歪みの根本とする説や、股関節が歪みの根本とする説などもあり、我々素人にはどれが正しいのか分かりません。
(ひょっとすると、歪みの根本は一箇所だけではないのかも。)
上部頸椎はすべての神経が通っているので、神経に対する影響としては根本と言えますが、骨格の歪みの根本と言えるかどうか。そこを混同しているのではないかという気もします。
ミキサーカイロの危険性にせよ、歪みの根本がどこかという問題にせよ、より厳密な構造力学的検証を望みます。
しかしここまで、医療・看護・教育・福祉などの現場における適切なガイドブックはなかった。今回、ともに顔面に血管傷のある藤井輝明・石井政之両氏の編集により、医者・看護婦・研究者・ジャーナリスト、そして当事者による本格的な論集ができあがった。本書は実践的入門書であると同時に、一気に読める社会科学書でもあり、人間と社会の関係を深く考えさせるものとなっている。