難しい年頃の少女の心情にミステリーを合わせた児童文学です。トリックも謎解きもまあまあ。終戦後の混乱した世相をブラジル移民にからめて描いた事件の背景はおもしろい。
でも肝心の主人公がなあ…双生児で片割れに密かな劣等感を抱いているという設定は、あまりにもありふれていないでしょうか?また、アイの作った自転車にしても、サムの作ったテレビゲームにしても、彼らにとってはものすごく大切な自己実現の手段であるはずなのに、説明が外見だけで終わっているので嘘っぽいんです。作者も良く知らない分野なんだろうな、と感じてしまいました。テレビゲームとか、髪をカーラーで巻くとか、細かい風俗描写が古くなっているのは仕方ないでしょうけど。
活発なお話なので、牧野鈴子さんの繊細な挿絵は似合わないように思います。表紙のお茶目なイメージで通してもらえたら…
小学校5・6年向け。
ちょっと気になることがあります。
前半で南軍が四姉妹一家の町が占領される章があります。
そこで敵である南軍の「敵」の色が濃過ぎるのが気になりました。
確かアニメでは南軍の兵士の大将が彼女たちの家を捜索するとき、
べスのピアノで彼は少年時代を想起し、思わず涙するシーンがありました。
ところで宮崎晃さんは「敵・悪」の人もそれなりの理由があって
「敵・悪」の立場に立つのではないかと考えていられる方です。
この大切なシーンが省かれてしまったは惜しいです。
おまけのCDですが、「いつかきっと!」と「おとうさまへのララバイ」の方が
良かったのではないでしょうか。
個人的にこの2曲が『愛の若草物語』らしさを醸し出しているように思います。
それでも四姉妹の喜びや苦悩が自分のことのように感じられました。
原作ももちろん面白いですが、やや宗教的だと思います。
その点で小説版『愛の若草物語』の方が読みやすいのではないでしょうか。
そして今では私のバイブルだ。
ただ、残念なことに、この本は平成元年の十一月に出版されている
ので病状はわかれども治療が不明や確立されていないものばかり
なので、この著者による最新版がほしいと強く思っている。
病状から原因がわかるので現在販売されている治療薬で
それぞれ細菌・真菌性治療薬などを使い病気を克服できるので
治療法が書かれていなくとも、古くても貴重な文献だ。