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和書 503672 (22)



観光英語入門
販売元: トラベルジャーナル

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この書が発行されたのは1991年。 バブル景気の最中、海外旅行に行くことはもはや贅沢ではなくなった時代である。当時の運輸省のテンミリオン計画も最中のころである。

リピーターという言葉が示すとおり、休みをとって海外へ遊びにでかけることは珍しくなくはなったものの、当時の日本人の旅行はいまだ団体スタイルが主流で、観光コンテンツを満た、食べる・買う・見るにおいてはまだ一人歩きができるほどではなかった。
当然のことながら、多くの人が旅には現地の言葉や英語が必要であると気がつき始めたのである。

80年代後半からは旅のマニュアル本や観光会話集の電子媒体などがさかんに出版されている。この手の本は空港から始まって、ホテルのチェックインやら、食事のオーダーの仕方、チップについて等場面別に語彙と表現を紹介していくという内容が、現在も当時も主流で、といってもそれしか方法はないだろうと思うのであるが。

この本はまったく使える英語表現には目もくれず、香り高く、アガサクリスティやヘミングウエィ、テネシーウイリアムス等の英米文学の一節を盛り込みながら、世界を観光して行く(しかしながら、アジアは極端に除かれている。)という構成になっている。

各文芸作品の舞台が旅先である。会話は表現集の為にシーンを設定して作り出されたものではなく、文芸作品の中の登場人物が話す言葉を引用しているところはフィクションながら、かなり口語表現を含み臨場感もある。しかしそれは作家の英語であり、登場人物の社会的地位もさまざまなので、その人物が話す表現は必ずしも、いちげんさんに近いトラベラーにとって適切なものかどうかは状況的に怪しいが。

アーサー・ヘーリー「空港」のなかからの引用の例文では、“I would very much like to get on that next flight”
“I’m sorry, sir, the flight is fully booked. There’s also a long standby…”
満席で便にのれない乗客と航空会社とのやりとりである。
基本表現 ….would like「〜したいのですが。」を含むが、wouldと likeの間にvery muchが挿入されていたり、that next flightであったり、とにかくコンテキスチュアルなのである。
この一節はその後、客がマイレージの上顧客であることが判明するので一席なんとか、確保できる方向へ展開していく。このあたりの状況の変化も実際にはありがちなので、上級旅行者にとってはリアル感じである。しかし初心者にとってはあまり参考になるとは思えない。とにかく良くも悪くもまったく、旅の素人向きではないのである。

現在、再び手にしてもそこにはネット社会の手軽さも微塵もないし、世界遺産のようなイマ的なコンテンツも全く伺えるはずもないので、時代遅れの書物となってしまうのであろうが、古典にはやはり不変的な魅力があるのである。

これにはグランドツアーを思わせる旅への憧れや脱日常のワクワクする感じが散りばめらているからである。ネット社会になってから、人はいつでもどこでも簡単に情報にアクセスでき、疑似体験すら可能になった。しかし旅心を誘われ、憧れ、実際に訪れてみたいという、原始的な人の心のつくりは太古からも、これからも変わることはない。

この本が出版されてから16年。日本人の旅行スタイルは時を経て、マーケットはグループから個人へ、周遊型から滞在型へ、観光から目的のある旅へと多様化して、成熟化しつつあるが、このような時代だからこそ、画一的ではなく、旅の本質へと近づける英語教本があったら良いのではないだろうか。

時を経てなお、代わり映えのしない会話集が種類を増やしている現状は相変わらずである。またその間にこれほど個性ある観光英語本もでてきてはいない。
出版時同様、古典的なつくりで異彩を放つこの本は、まだジャンルが確定していない観光英語というものを見る時にいまだ欠かせぬ一冊である。






トラベル英会話―観光からビジネスまで (桐原語学ライブラリー)
販売元: 桐原書店

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カンタン!通じる!トラベル英会話
販売元: ジオス

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 この手の本は読者が中学生程度の英語力が無いと結構使いこなせないのではないかと思うのですが、どうなんでしょう?英語には単語のアクセントや文章全体のリズムや抑揚があるのに、この本は例文の発音を単語ごとにカタカナで示していて、単語がくっついた時の発音で書いていません!旅行者が質問に答える際に一語一語丁寧に発音する分には良いでしょうが、それよりも本場の英語の発音に慣れていない旅行者がこの本を読んで相手は何を質問しているのか、果たしてきちんと聞き取れるのか疑問です…少なくとも2、3回はカタカナの発音を基に自分で言ってみる必要はあります!そうすれば、このカタカナ通りの発音にはならないことが分るでしょう…
 また、この本は状況を示す絵や写真も無いので、指差し旅行会話の本よりも使い勝手が悪いかもしれません…まあ、ツアー旅行なら添乗員が何とかしてくれるでしょうが、少なくとも一人旅をしようという人で、英語は日本語訛りでないと聞き取れないなら百害あって一利無しかもしれません…一応、旅のトラブルに対する英語表現もありますが、軽い病気や何かなら良いかも知れませんが、事件や事故ならお手上げです!私は英会話力は中級くらいですが、英国の駅のトイレでデジカメを忘れましたが、失った事実は言えても、失くしたときの状況や自分がどうして欲しいかを係りの人に上手く説明できませんでした…盗難は証明できないからと受け付けてもらえず、拾得物が無いか問い合わせるので、翌日に電話で確認することになりましたが、電話のかけ方がよく分らず、デジカメは結局、諦めました…
 この本の良いところを挙げれば、さすがは英会話学校らしく、旅先で見かける英語の案内標識(英語の意味が分らないと面食らいます!)や旅行中の注意事項が詳しいことですが、それよりも大事なことは出発前に少しでも英語の発音や表現を覚えることでしょう!




マイク・フーザーのかんたん旅の英会話
販売元: 明日香出版社

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絵でみるかんたん旅行英会話―出国から帰国まで場面別会話集
販売元: 大泉書店

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カーリーおばさんのこれでOK!英会話―海外旅行編
販売元: 朝日出版社

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聞かれて困る外国人の“WHY?”―外国人観光客を案内する (CDブック)
販売元: 三修社

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聞かれて困る外国人の“WHY?”―来日外国人をガイドする60のポイント
販売元: 三修社

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危険から身を守る英会話決まり文句―増補版 あなたは狙われている
販売元: 南雲堂フェニックス

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気分はアメリカン―まんが旅行英会話 (ムックセレクト)
販売元: ロングセラーズ

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