病院淘汰の時代、病院が選ばれる時代と言われて久しいが、
医療行為を報酬へと変換する部署である医事課の重要性に
ついて、実際に働く立場からの等身大のコメントを読む
ことができます。
本書は全130ページのうちで本文は前半の60ページに満たず、
残り半分は帳票例が書かれていました。
本文も個々の統計帳票の説明(縦が診療科、横が人数など)
程度のことしか書かれておらず、実際の分析や解析などの
例題や演習までは書かれておらず、物足りなさを強く感じ
た次第です。
名実共に真の「入門」ともいえるかもしれません。
実践的な医事課の統計例として確かに帳票例は大切なので
しょうが、本文と帳票とのページ数がほぼ同数とは、あまり
にもバランスが悪いと感じました。
ページ構成に関しては、意図的に帳票類を後半のページに
まとめたのであろうが本文を読んでいるたびに「表2の・・」
とか、「・・が表7である」という記述のたびに後半のページ
を探さなければならないのは読みにくく感じました。
帳票類の中に数種類グラフもあったのですが、このグラフに
対してまで「表」という呼称を使っており(「図」が正しい
呼称と考えます)、これらの些細な点までもボリューム感の
なさとあいまって失望感を抱きました。
本書の内容と比較した場合、\1700という価格はあまりにも
高価であるという思いが強く、今回は星一つという辛口の
評価にさせていただきました。