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和書 507216 (125)



がふいしんぢゆう―合意情死
販売元: 角川書店

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)

人情、エロス、欲望、失望、古今東西人間の営みの上で当然に訪れるこうした要素を、
とても自然でありながらも面白く、鋭く、エロティックに描きあげた感じでした。
この人の才能が溢れている感じがします。
本当は頭のいいこういう天才肌なおばちゃんが岡山ならずも、田舎にいたりして、
結構するどい人間観察なんかしてることもあるかもな、と。






がん宣告マニュアル 感動の結論
販売元: アミューズブックス

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「告知」に関して、よく考えられた本だと思いながら読んでいたが、ここの部分でがっかりした。
> P234 <死んでもまだ生きている>という観念に基づいた、愛する人ときっとまた会えるという希望である。

ここまでは良い。これからが問題である。

> P235 家族との別れという悲しみを乗り越えるには、この世で別れた人との再会が可能であるというコンセプト以外にがんばれる方法はない。
「天国」や「極楽浄土」を信じることが救いだと言っているのである。

日本人であの世や天国の存在を信じている者は殆どいないということを知りながら、このような考えを持ち出すのは、方便とはいえ、読者に対する裏切りであろう。これなら、フランスの実存哲学者カブリエル・マルセルの真の愛が常に永遠への希望を含むものであること、真に愛する者は相手の不死性と死後の生命を必ず欲するものだということを述べたほうが、納得できる。




きいろいふうせん (のびのび・えほん)
販売元: 岩崎書店

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この本を読むきっかけは、幼稚園へ通う5歳になる息子が発表会で”きいろいふうせん”をやることになったことからでした。TVでおなじみの志茂田景樹さんが作ったということから、どんな物語なのかとても興味津々でした。早速、購入し、届いた本を読み始めると・・・それはそれは思ってもみなかったやさしく素敵な内容。両親と離れて暮らす「ことねちゃん」の寂しさと、それを見守るおじいちゃん、おばあちゃん。希望をのせてきいろいふうせんをとばすことねちゃん。やさしい森の動物たち。心が洗われるようでした。ことねちゃんの誕生日には動物たちからのプレゼントは「動物たちのコンサート」と、遠く離れていることねちゃんのお父さん、お母さんを連れてきてくれたこと。清らかな涙を誘う一冊です。




きたぎつね嵐
販売元: KIBA BOOK

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きたれ、甘き死よ (現代ウィーン・ミステリー・シリーズ)
販売元: 水声社

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芸術の都市ウィーンを舞台に、バッハの「マタイ受難曲」のアリア「来たれ、甘き十字架よ」の甘美なメロディーが流れる中、元刑事のブレナーが殺人事件の謎を解く!

というようなかっこよさは実はあまりないのだが、さえない主人公のマイペースさと、それを見つめる語り手「私」の絶妙な語りが心地良い。この小説最大の魅力は、コピーライターをしていたこともあるという作者からこれでもか繰り広げられる言葉遊びにあり、これは原書でないとやはり実感できないだろう。単なるミステリーの枠を越えた、珠玉の一作。




きのうの世界
販売元: 講談社

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冒頭の第一章から、かなり特徴がある。ある町の風景を、通常の小説のように鳥瞰図のように客観的に説明するのではなく、訪れた人物の目線を追う形で語る。これが、個人的には非常に読みづらかった。もちろん、この部分は物語の重要な部分なので、しっかりと読まなければならないのだが、ここで、なんだか、不思議な感覚に襲われる。更に、語り手がどんどん変わり、しかも、超常現象的なテーマも含まれ、物語はどんどん拡散してゆくような印象を与える。いわゆる「殺人」「謎解き」というつくりではなく、謎は舞台となる町の存在自体へと拡大してゆく。
後半、一気にすべてが展開し、最後にすべてが明らかになるが、謎解きの部分はスッキリと腑に落ちる、という感じではなく、読んだあとの爽快感もない。事件が終わったあとに、何が残るのかというと、何も残っていないようにも感じられる。
作者の引き出しの多さがよくわかる。ただ、よくできてはいるけれど、好き嫌いが分かれる作品ではある。




きまぐれ砂絵―なめくじ長屋捕物さわぎ (光文社時代小説文庫)
販売元: 光文社

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きみとぼくの壊れた世界 (講談社ノベルス)
販売元: 講談社

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『世界シリーズ』の1作目,03年11月刊行の作品です.

『本格ミステリ』と銘打たれ,確かに事件は起きるのですが,
それらは,あくまでも物語のためのきっかけに過ぎない印象で,
語られる謎解きやトリックにしても,目だつほどではありません.

実際のところ,事件の解決より,日常の物語に重きが置かれており,
歪んだ愛情や,理解しづらい人間関係,達観したかのようセリフなど,
特に最後は,ハッピエンドっぽくはあるものの,複雑な思いが残ります.

また,異常なまでの言葉の繰り返し,アクの強い長いセリフと,
最近の作品では少し抑え気味な,著者の『得意技』が何度もあり,
ミステリ小説とは,といったことを登場人物に語らせるところでは,
著者の考えが強く出ているようで,異色の1冊という印象を受けます.

ほかでは,イラストの挿入が変わっていて,章の冒頭にまとめて,
マンガのように,コマ割りされて描かれているのが印象に残ります.
大きなネタばれではありませんが,これから読む場面ばかりですので,
そのあたり,気になるのであれば,意識しておいたほうがよさそうです.

07年10月に刊行されたハードカバー(講談社BOXピース)版との違いは,
加筆修正,イラストの有無(あちらにはなし),あとがきとのことです.




被害者は誰だ (邱永漢ベスト・シリーズ)
販売元: 実業之日本社

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きょうも夢みる者たちは…
販売元: 新潮社

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本書に含まれる『ランナーズ・ハイ』と『光る荒地』は、日野氏の超個性的な御家芸である、いわゆる「都市幻想小説」の系譜の作品です。

『ランナーズ・ハイ』では、皇居の周辺を走るランナーたちの心理を三者三様に描き、走行方向から左側に映る、東京の中心である「皇居の森」の深淵で仄暗い様子と、右側に映る、千代田区の高層ビル群のヒリヒリした様子を、両者を断絶したものではなく、ランナーの壊れそうな心理の反映として、混合したものとして描いていたところに、凄みを感じました。私も追体験として、この作品の視点のままに皇居の周りを一周しました(歩きだけれど)。そうしたら、本当にランナーがたくさんいて、まずびっくりしました。そして作品の世界のままに、すなわち日野氏の視点のままに皇居周辺を感ずると、冷涼で煌びやかな都市の美しさ、そしてそうであるのに「中心が森である」という東京の意味深き不思議さというものを、体験として理解しました。東京と言えば、正に日本の中心。その彩られた東京のさらに中心が暗黒の森であるという真理。これは、我々日本人から様々に飾られた外貌を剥ぎ取ったなら、心の奥処には、みな虚無や暗闇を抱えているのだということの証明であると思います。「内面は外界の投影であり、外界は内面の投影だ」という、村上春樹氏が『海辺のカフカ』でゲーテの言葉を引用した「相互メタファー」の実証的な作品が、この日野氏による作品ではないでしょうか。現実の地理学的な見地から、こうした形而上学的真理を告げた作品を描く視点は衝撃的です。

逆に、『光る荒地』では、東京の周辺の荒れ地を舞台に、あらゆるものが密集された東京の内部から打ちひしがれ吐き出されてしまうものの心理描写、すなわち外側から東京を眺める感覚の作品です。

中心と周辺が原生林のような森と荒地であるということの、何某かの必然の予感を、内の視点と外の視点から、小説として書き綴った素晴らしい二編です。今まで生活の中で考えもしなかったことを、こうして日野氏の思想の力によって気付かされるということは、非常に貴重であり、有り難いことです。

因みに、本書を、氏の小説『夢の島』、エッセイ『都市という新しい自然』などと併用して読まれると、さらに都市の素晴らしさが理解出来ます。



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