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和書 507216 (325)



悪意 (講談社ノベルス)
販売元: 講談社

Amazonのカスタマーレビュー(口コミ)

 作家達が繰り広げる殺人劇が、登場人物達の手記や告白により全て一人称で語られる。解説で桐野夏生が指摘するように、文字に書かれた「記録」や人の語る「記憶」の曖昧さ、信用できなさを、そのままトリックに使った着想は見事だし、殆ど「文学」的ですらあると思う。

 一方で、「文学」作品の代表作である漱石の「こころ」なんかもそうなんだが、登場人物達が書く「手紙」「手記」により話の大部分が構成される小説というのは、その肝心の「手記」が妙に長くなってしまうところにリアリティが無くなってしまい、形式自体が弱点になったりする。(こんな長い手紙を書くもんかいな、と。)

 また、この小説の場合、語り手達は全体の構成の中でシナリオをもらってそれを演じる役者のようで、その心情描写には深みがない。いや、心情描写という点では、このタイトルにもなっている、人間の持つ「悪意」の根本的な不条理さがこれでもかというくらいに書かれており、唯一その点での心情描写には成功していると思う。ただ、これをミステリーでやると犯人の動機は結局言語・理屈で解析できない、ということになり、謎解きにはならない。そういう意味で、この小説はメタ・ミステリーとして機能しており、ミステリー作家としては相当巧い作家じゃないと、こういう手法は取れないだろう。

 メタ・ミステリーの構図を構成するためにだけ描かれた登場人物達に魅力が無くて感情移入しにくいのに、それでも人間のドロドロした感情(=「悪意」)が上手に伝わってくるという、不思議な結果オーライの作品。




悪意 (講談社文庫)
販売元: 講談社

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 作家達が繰り広げる殺人劇が、登場人物達の手記や告白により全て一人称で語られる。解説で桐野夏生が指摘するように、文字に書かれた「記録」や人の語る「記憶」の曖昧さ、信用できなさを、そのままトリックに使った着想は見事だし、殆ど「文学」的ですらあると思う。

 一方で、「文学」作品の代表作である漱石の「こころ」なんかもそうなんだが、登場人物達が書く「手紙」「手記」により話の大部分が構成される小説というのは、その肝心の「手記」が妙に長くなってしまうところにリアリティが無くなってしまい、形式自体が弱点になったりする。(こんな長い手紙を書くもんかいな、と。)

 また、この小説の場合、語り手達は全体の構成の中でシナリオをもらってそれを演じる役者のようで、その心情描写には深みがない。いや、心情描写という点では、このタイトルにもなっている、人間の持つ「悪意」の根本的な不条理さがこれでもかというくらいに書かれており、唯一その点での心情描写には成功していると思う。ただ、これをミステリーでやると犯人の動機は結局言語・理屈で解析できない、ということになり、謎解きにはならない。そういう意味で、この小説はメタ・ミステリーとして機能しており、ミステリー作家としては相当巧い作家じゃないと、こういう手法は取れないだろう。

 メタ・ミステリーの構図を構成するためにだけ描かれた登場人物達に魅力が無くて感情移入しにくいのに、それでも人間のドロドロした感情(=「悪意」)が上手に伝わってくるという、不思議な結果オーライの作品。




悪意
販売元: 双葉社

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 作家達が繰り広げる殺人劇が、登場人物達の手記や告白により全て一人称で語られる。解説で桐野夏生が指摘するように、文字に書かれた「記録」や人の語る「記憶」の曖昧さ、信用できなさを、そのままトリックに使った着想は見事だし、殆ど「文学」的ですらあると思う。

 一方で、「文学」作品の代表作である漱石の「こころ」なんかもそうなんだが、登場人物達が書く「手紙」「手記」により話の大部分が構成される小説というのは、その肝心の「手記」が妙に長くなってしまうところにリアリティが無くなってしまい、形式自体が弱点になったりする。(こんな長い手紙を書くもんかいな、と。)

 また、この小説の場合、語り手達は全体の構成の中でシナリオをもらってそれを演じる役者のようで、その心情描写には深みがない。いや、心情描写という点では、このタイトルにもなっている、人間の持つ「悪意」の根本的な不条理さがこれでもかというくらいに書かれており、唯一その点での心情描写には成功していると思う。ただ、これをミステリーでやると犯人の動機は結局言語・理屈で解析できない、ということになり、謎解きにはならない。そういう意味で、この小説はメタ・ミステリーとして機能しており、ミステリー作家としては相当巧い作家じゃないと、こういう手法は取れないだろう。

 メタ・ミステリーの構図を構成するためにだけ描かれた登場人物達に魅力が無くて感情移入しにくいのに、それでも人間のドロドロした感情(=「悪意」)が上手に伝わってくるという、不思議な結果オーライの作品。




悪意と憂鬱の英国式週末テニス (Hayakawa novels)
販売元: 早川書房

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かなり面白い。久しぶりに読み応えのある作品に出会った。登場人物が皆生き生きしていて、現実感があり、一気に作品世界にのめりこめます。英国的(?)なのかどうかわかりませんが、アガサクリスティーの世界が好きな人なら楽しめると思います。




悪意の家 (現代教養文庫―ミステリ・ボックス)
販売元: 社会思想社

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悪意のM (Hayakawa novels)
販売元: 早川書房

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悪意のM (ハヤカワ・ミステリ文庫)
販売元: 早川書房

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悪意の傷跡 ウェクスフォード警部シリーズ ハヤカワ・ポケット・ミステリ
販売元: 早川書房

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ウェクスフォード警部シリーズ第18作。

2件の、実害のない誘拐事件の後、今度は3歳の娘が自分のベッドから誘拐された。折りしも、服役していた小児性愛者の老人が刑期を終えてキングズ・マーカムに戻っていた。周辺住民は恐怖に駆られ、老人が警察にかくまわれているという誤報で警察署に詰め掛ける。その騒ぎの中で、何者かが投げた火炎瓶で警官が焼死するという事件まで起きた。問題の老人は行方不明のままだ。

2件の誘拐事件の謎も解けず、住民も一触即発の状態、火炎瓶を投げた人物も特定できない。一度に多くの謎を抱えつつ誘拐事件の捜査に当たるウェクスフォードは、誘拐された娘の母親が夫から10年以上にわたって虐待を受けていることを知る。誘拐、家庭内暴力(DV)、奇妙な態度を取る2人の息子・!・・全てが一本の線でつながった正にその時、殺人が!

今回は、いつもろくでもない男に惚れてはウェクスフォードを悩ませる次女のシーラではなく、父親とは愛し合いながらもしっくりいかない長女のシルヴィアが、DVに悩む女性たちの電話相談を受けるソーシャルワーカーとして登場。彼女の久々のメイン扱いで、彼女自身の家庭の事情も描かれる。シルヴィアはどうなっちゃったの?と気にかけていた人にも朗報だ。

長いし、いつものように登場人物も多いが、人物造形が巧みで、ごっちゃにならず、途中でだれることもなく、謎はきちんと解明される。

だが、おさまらないのはDVの恐怖だ。読んでいると本当に、結婚するのが怖くなる女性も多いのではないだろうか。まだまだうまく解決される例が少ないことを、この!物語でも知る。ハッピーエンドといえるのかどうか?哀しい話である。




悪意の楽園 (ミステリアス・プレス文庫)
販売元: The Mysterious Press,Tokyo

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ジェッシィ・ストーンの人物像が内面、外面ともにくっきり描かれているのが面白い。野球に対するジェッシィもふふっと笑わせてくれる。元妻のジェニファーとの関係も面白くなってきた。酒に対して、寡黙で自らを律しようとする気合いは相変わらず。




悪虐 (広済堂ブルーブックス)
販売元: 廣済堂出版

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