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和書 508062 (81)



にんげんのおへそ (文春文庫)
販売元: 文藝春秋

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 ヒイキになった魚屋に買い物に行く。めずらしく魚屋の主人が口を開き、ご近所のかたですか、とたずねる。いえ、麻布の永坂町からです、と答える。「それは、わざわざ・・永坂町には女優の高峰秀子さんが住んでいられますよね」「私、その高峰です。高峰秀子のなれの果てです」。

 このとっさの切り返しのジョークがすばらしい。ちなみに彼女は運転手つきの車で行くのだが、魚屋の店先に車を横づけにするようなお客ではないからと、店の手前10メートルほどの場所に車を停め、ぶらぶらと歩いていくのだという。

 このエッセイはここで終わりではない。魚屋に買い物にいったとき、和服の女の人に呼び止められ、ファンだといわれる。その人はベビー・カーに「天使か妖精か」というような愛らしい男の子を乗せている。2年後に、またこの魚屋の手前でその2人に出会う。ベビー・カーは小児用の車椅子のようなものになっている。子供というより少年といってもいい顔立ちの男の子が、毛糸のチロル帽をかぶっている。そして、その3年後にも、そこで銀色の車椅子に出会う・・・。母親と思われる女性は、高峰秀子と会ったことを喜んでくれるが、この親子とはこれ以上顔を合わせないほうがいいと決心する。そして、魚屋に買い物にいく時間を変える。このエッセイの題名は「午前10時30分」。

 彼女はいう。車椅子に乗っている理由を聞いてみても、少年の年齢を知ったとしても、私にはなにかしてあげられる筈もない。「いつかまた、あの母子に会うことがあったら、私はなにか余計なことを言ってしまいそうで、こわい気がする」。この潔癖さ。このときの彼女の甘ずっぱくて苦い思いこそ、人間のオヘソにつながっている。しかし彼女のこの態度を誤解する人や、それとはまったく正反対の態度をとる人も、世の中には多いはずだ。ぶっきらぼうのようでいてぬくもりのある文章には、人生の叡知がつまっている。




にんげん蚤の市 (文春文庫)
販売元: 文藝春秋

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「一生に一度、最初で最後の、お楽しみの花火を、ドカン」と、エーゲ海10日間の舟遊びに出かける話がある(「年金花火」)。費用は、一日分が、都内の中クラスの2LDKのアパートの1ヵ月分の家賃に相当。船客は296人、そのうち日本人のグループは19人。

 もと出版社勤務で、グループの大蔵大臣として収支決算を担当したIさんという人は、デルフィ博物館にある等身大のブロンズ「御者の青年像」をもう一度見たいという、そのことだけで、このツアーに参加する。高峰秀子は自称「風景オンチ」、死んだ遺跡より生きた人間のほうがずっと面白いという人だから、こういう人間観察のチャンスを逃すことはない。青年像をあおぎみるIさんの姿に、「誰がなんと言おうと、好きなものは好きなんだ、惚れたが悪いか」とう真摯な態度を感じる。そして、その像よりも、彼女のほうに感動する。

 人は誰でも、なんとなく気恥ずかしくて他人には言えないような、ナイショのお宝袋を持っているという。それを人間的なことだとみとめる優しさが、高峰秀子の人間観察の根底にはある。この女優のことをまったく知らない人も、こんな人が女優だったということを知っておいて絶対に損はない。ちなみに、十代の少女からファン・レターが七十ウン歳の彼女に届いたとか(「デコちゃんレター」)。そういう話をきくと、まだ日本も捨てたもんじゃないと思いたくなる。「惚れたが悪いか」いい言葉じゃありませんか。一度、こんなタンカを切ってみたい。




ぬくい女 (双葉文庫)
販売元: 双葉社

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 本書は関西弁の言葉のニュアンスや、海外での旅行道中記、また劇団の話が書かれているエッセイ集。わかぎえふのエッセイは幾つか読んではきていましたが、関西弁の言葉のニュアンスとユーモアを取り上げていたのは、おそらく関西人であれば笑いながら読める内容でしょう。その言葉のニュアンスは自分で体験していないだけに、詳しいことはわかりませんが、面白い視点で楽しいエッセイが書かれています。




ぬすまれた『ヒロイン』 (角川ティーンズルビー文庫)
販売元: 角川書店

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ねこの森には帰れない (新潮文庫)
販売元: 新潮社

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ねこまんまの大逆転―無責任一代ねこ物語 (双葉文庫―冒険ゲームブックシリーズ)
販売元: 双葉社

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ねこまんまの鬼退治―ポチは桃の夢を見る (双葉文庫―冒険ゲームブックシリーズ)
販売元: 双葉社

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のうみそGOODハッピー (角川文庫)
販売元: 角川書店

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私はたまたま古本屋で見つけて買ってみたのですがCHARAのかわいさ、しかも内面のかわいさまでも伝わってくる作品です。カラー写真も5,6枚載っていてファンの方にはたまらないでしょう。浅野忠信との写真やスミレちゃん(ちゃらの娘さん)との写真もあり貴重です。

そしてCHARAは私が思っているよりもずっとハッピーに暮らすための努力をしていて、頭の良い人なんだろうなーという印象を受けました。




のぞきからくり気分 (双葉文庫)
販売元: 双葉社

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のびのび教育おもしろ話 (灯台ブックス)
販売元: 第三文明社

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