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和書 508066 (13)



ある情報将校の記録 (中公文庫)
販売元: 中央公論社

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 憲兵将校というと大変恐ろしい印象があるけど、著者は非常に良心的というか、冷静で理性的判断をもって任務に当たっており、憲兵はどうあるべきかを深く考えていたようだ。御自分で書いているとおりだとすればだけど。
 士官学校事件などにも関わってるけど、やはり上海での活動が興味深かった。影佐機関で汪精衛政権樹立に関わったり、晴気慶胤の後任として特務工作を担当したりしている。貴重な記録だ。ただ肝心なところで具体的描写に欠けるような気がする。




ある明治人の生活史―相沢菊太郎の七十八年間の記録 (中公新書 (714))
販売元: 中央公論社

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ある神話の背景―沖縄・渡嘉敷島の集団自決 (PHP文庫)
販売元: PHP研究所

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綿密な調査に基づいた書籍だとされる一方、「集団自決」おける強制を肯定する証言が削除された等の批判が当初からあり、一応参考資料のひとつとして価値はあるとしても、全面的に肯定できる内容ではないように思われます。まあなかなか興味深い本でしたが、内容に関しては半々で見ておいたほうがいいかもしれません。




ある船乗りの太平洋戦争 (新風舎文庫)
販売元: 新風舎

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戦時急造商船戦記

本書は戦時下の数少ない商船士官の戦記である。太平洋戦争開戦当時は神戸高等商船学校機関科2年生で、海軍予備士官の卵としての厳しい訓育の実態と当時の若者の心情をさらっと吐露し、昭和19年4月卒業証書と海軍少尉任官書を手にする。同年5月川崎汽船の戦時標準貨物船利川丸の二等機関士として乗り組み、粗製乱造エンジンの補修に身を投じ、悪戦苦闘の日々を赤裸々に述べている。

 やがて関東軍部隊を釜山からマニラへ輸送の任務についたが、機関故障で船団離脱のうえ再度バシー海峡突破に挑戦。僚船が敵潜に被弾するも、利川丸は幸運にも無事マニラに乗船部隊を揚陸・・・直後、米グラマン機の大編隊の来襲で被弾、沈没。機関長・局長が戦死するなど、敵機の一方的攻撃になしすべもない悲惨な情景や、軽武装商船の悲哀など臨場感をかもした筆致で表現している。

 その他、大叔父の戦局に対する卓見。鈴木貫太郎総理秘書官への直訴。戦時下の船員処遇改善工作秘話。現代社会への警鐘等々、戦記のみに偏しない幅広い内容で読み応えがある。






ある首斬り役人の日記 (白水Uブックス)
販売元: 白水社

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ドイツ、ニュルンベルクの死刑執行人、フランツ親方の日記です。
死刑を第一部、体罰を第二部として編纂してあります。それぞれ、有識者の解説が付記されています。西洋の歴史の一部を読み解く本として、読んで損は無いと思います。

人間的な感情を極力廃し、冷徹に刑場に引き出された人物の罪状と、下された刑の内容を記した覚書です。フランツ親方の心情が吐露される部分は稀で、そのため処刑人自身や罪人と称された人々の人生に対する読み手の想像力はかきたてられます。グリム兄弟やアルニム、詩人ブレンターノが耽読したという話にもうなずけます。ただ、本当に淡々としているので、何もかも説明してもらうことに慣れた方ですと、処刑の覚書の一つ一つが代わり映えのしないものと写り、退屈に感じるかもしれません。

殺人、強盗、暴行、詐欺、そして姦通や男色など罪の内容は様々ですが、個人的には嬰児殺しが多い点に驚きました。フランツ親方が生きた時代には有効な避妊法が無く、あったとしても宗教上の理由から使用を許されなかったことでしょう。当時と現代の嬰児殺しでは動機という点で大きな相違があるかもしれませんが、古くからある深刻な犯罪ついて改めて考える機会になりました。




あゝ海軍特年兵―ある青春の死線彷徨 (光人社NF文庫)
販売元: 光人社

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あゝ疾風戦闘隊―大空に生きた強者の半生記録 (光人社NF文庫)
販売元: 光人社

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冒頭から北九州へ空襲に来たB29を迎撃する為に出撃する場面から始まるように、太平洋戦争の半ば以降の戦記です。
現在に至るも評判の悪い、フィリピンに展開していた陸軍航空隊の司令長官富永恭次氏に関する著者の描き方がとっても興味深いです。

著者はフィリピン戦の途中で内地に帰還してしまっているので、富永中将の無断撤退等については何もふれられてはいませんけど。




あゝ零戦一代―零戦隊空戦始末記 (光人社NF文庫)
販売元: 光人社

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横山大尉の生い立ち、海軍入隊から終戦までの長い道のりが記された回想録です。彼が航空の世界に飛び込む前に巡洋艦、駆逐艦、潜水艦に乗組みしていた時代があったとは知らなかったし、その経験談は非常に興味深かったし、この指揮官の幅を広げる大きな要因にもなったと思います。

横山隊長は零戦がまだ制式採用される前、「十二試艦戦」と呼ばれていた時代から、その性能の熟成に努めた事は良く知られています。中国戦線の長距離爆撃に随伴できる直掩機のなかった陸攻機は無視できない大きな痛手をこうむっていた。前線から、「長距離進出可能な戦闘機を送れ!」との矢の催促により、海軍は、制式採用前の「十二試艦戦」を中国に進出させるという異例の決断をしました。この派遣隊の隊長となったのが、横山隊長なのです。

彼は前線に派遣されてもすぐには出撃せず、その熟成度が納得のいくものになるまで、上官の「陸攻機に随伴せよ」という命令を拒否し続けた。これは零戦のデビューを華々しいものとし、味方を鼓舞するとともに、敵の士気を下げようとする英断だった。これが後に伝説となる進藤大尉率いる零戦隊のデビュー戦における大戦果とつながったのだ。

このエピソードについて横山隊長本人の考え、気持ちが書かれており、その大局的な視点に立った行動には感服した。また、第三航空隊の飛行隊長として戦闘機隊を率いた、彼の一生の大舞台である比島(フィリピン)航空戦も、訓練段階から多くの紙面を割いている。台南空とともに陸攻隊を掩護し、爆撃成功に導くまでの過程を知るには必携の一冊ではないだろうか。

後半は飛行隊長として練成部隊などで若い搭乗員の育成にあたられたが、米軍の進撃の早さに、育成が間に合わないといったジレンマに悩んだ様子が良くわかる。未熟な搭乗員も邀撃や特攻に投入され、不憫でならないが、送り出す指令や隊長の苦悩も尋常ではなかったろう。最後は特攻攻撃へ笑って飛び去っていく若者への畏敬の念と慟哭のみになっているところが、彼の部下への心情が吐露されており、涙を誘った。

この日華事変から大東亜戦争の終結まで戦い抜いた、勇敢で部下思いの飛行隊長に敬意を表する。この彼の渾身の回想録を是非読んで頂きたい。




あゝ飛燕戦闘隊―少年飛行兵ニューギニア空戦記 (光人社NF文庫)
販売元: 光人社

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戦争、特にその航空戦の一断面を切り取ってコラージュしたような戦記であり、空中戦等々、真に迫って読み応え十分である。特に敵戦闘機や爆撃機の撃墜場面には、実体験ならではの迫力がある。三式戦飛燕を駆って、死の跋扈するニューギニアの大空で戦い抜いた青春に、端的に頭の下がる思いがするのは、そこに人間としての勇気と誠実さが如実に表されているからである。




「いき」の構造 (講談社学術文庫)
販売元: 講談社

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恋愛は哲学者の不得意分野といわれる。ゲーテ、ピカソといった芸術家たちに比して、恋多き哲学者という話はまず聞かれない。ニーチェの痛ましい片思いもさることながら、スピノザがラテン語を一少女に教えていたことが詮索されたり、ハイデガーとアーレントの恋が騒がれるのも、いかにも地味なこの業界ならではのことだ。だが、ヴィーナスよりはミネルヴァの使徒である哲学者たちにも例外はある。わが九鬼周造がそれである。名著『いきの構造』の核心は恋愛論であり、九鬼は「<いき>は恋の束縛に超越した自由な浮気心でなければならぬ」(p48)と断言して、結婚という制度的束縛を嘲笑する。

 このたび、詳細な注と解説を付した文庫版が出版された。九鬼は西洋哲学や文学・芸術だけでなく、江戸時代の風俗や衣装、文学などを縦横に引用するので、言葉の注釈や図版が豊富なのは本当に助かる。これによって「いき」のイメージが生き生きと甦る。何よりもまず美的であることを重んじた九鬼周造その人の魅力と、芸の広さにあらためて感服。


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