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和書 508066 (333)



歴史に学ぶ「勝者」の組織革命 (集英社文庫)
販売元: 集英社

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 本書は、戦国時代と明治維新という日本の大変革期から、5つのトピックをとりあげている。
(1)世界最初の自由経済政策をとった織田信長、(2)秀吉の名補佐役であった豊臣秀長、(3)関が原の合戦で負け戦の中を東軍の中央を突破し薩摩に帰った島津義弘、(4)偉大なる1代目の後を継いだ毛利輝元、上杉景勝の2人それぞれのサバイバル、(5)商品経済の中で矛盾を呈した幕末の武士社会と倒幕運動(奇兵隊の高杉晋作)、である。
 戦国時代や明治維新の場合、個々の戦いや薩長同盟などドラマになる部分が多く語られることが多いが、本書は、その基礎となる経済状況や社会の動きなどを解説している。
 有名な織田信長でも経済政策や組織づくりにスポットをあてているし、その他の人物はどちらかといえば脇役の人物を取り上げている。それにもかかわらず、どの話も堺屋太一氏の優れた洞察と独自の分析があり、「なるほどそういう見方もあったのか」と感心しながら読んだ。とても興味深い本。




歴史に学ぶ「叛逆者」の人生哲学 (集英社文庫)
販売元: 集英社

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歴史に学ぶ「乱世」の守りと攻め (集英社文庫)
販売元: 集英社

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西暦はどうやって決まったか (集英社文庫―大発見)
販売元: 集英社

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一個人が人類の歴史のすべてを通して物語っていく。
それだけで貴重な作業ですが、
ダニエル・ブアスティンは、
人間の好奇心・発見・驚き・新たなものへの興味、
それらによる状況の変化をつむいでいきます。

よくある歴史物の無味乾燥性は希薄です。

ただ、読み始めた頃は、
事実(情報・知識)の羅列に思われるページも
なくはないでしょう。

そういう箇所は、
読むスピードをはやくして(ぱらぱらと飛ばして)、
自分が面白く読めるところまで進みましょう。

この本は全5冊ですが、
2冊ほど、読んだ頃には、
著者の書き方や本のリズムに
なじみだし、
ページをめくるのが待ち遠しいような読書体験になります。


第1巻は、
人類の時間(歴史)を語っていく上で、
時間そのものについての叙述から始まります。

たとえばこんな文章があります。
「中世の町の放送媒体は鐘の音だった。人間の声では遠くまで届かず、
 都市の公示をすべての人に知らせることができなかったので、
 鐘の音が時間を告げ、消防の援助を求め、
 敵の接近を知らせてて男たちに武器をとらせ、
 人々を仕事に就かせたり床につかせたりした」


「時間」の次は「空間」です。
空間認識は、世界認識であり、
それが地理学へと直結していきます。

ブアスティンは、こう書きます。

「結果として、プトレマイオスはこの誤り(彼が作成した地図の不正確さ)によって
 コロンブスの偉業に貢献したわけだが、
 彼の貢献はそれにとどまらなかった。
 入手しうるかぎりの事実によって地球が球形であることを確証し、
 緯度と経度の方眼を張りめぐらしたうえで、
 そこに新たな知識を加えることによって、
 プトレマイオスはヨーロッパが世界の探険に乗り出すための準備をととのえた。
 プトレマイオスは、この世界が人の住めない大洋にとりかこまれているという 
 ホメロス流の考えを否定した。
 そのかわりに、
 これから発見されるべき未知の広大な陸地が存在することを示唆し、
 人々の知識欲をかきたてたのである」


こうした文章からもわかるように
ブアスティンは、歴史を年表的なものにとどめておかない。
あらゆる出来事や地域は、
それ単独で存在しえない。

他との関わりの中で、影響しあい、変化していく。

その多様で、興味深く、人間的な織物が
「人類史」というものだとして彼は書き進めていく。


そしてその彼の思考し、叙述していく行為そのものも
「発見」をベースにしている。

膨大な知識を知識を基礎にしながら、
彼は、物事の核心部に迫る。

なぜその出来事が起きたのか?

その原因な何か? 誰か?

その結果、この本を読み進めていくと、
意外な人物が重要な存在として登場し、
今まで知らなかった物事の連関に気づかされる。

その彼の省察・洞察は、
歴史の中に分け入っていくサーチライトのようで、
生き生きとした情景(知的連関)を鮮やかに浮かび上がらせる。

それは歴史好き(歴史に興味がある)人にとっては
なによりのご馳走になる。


この間の最後は、第5章「東方への道」。

ブアスティンは、モンゴルの世界制覇と、チンギス・ハーンについて
独特の見解を述べていく。

「モンゴルのハーンは、太祖チンギス・ハーンからその子、および孫たちまで、
 かつて大帝国を支配した王朝としてもっとも有能であった。
 彼らは、軍事的才能、個人としての勇気、行政的手腕、文化的な度量の広さを
 あわせもっていたが、それはヨーロッパの世襲の支配者のどの血統にも  
 見られないものだった・・・
 
 タタール族の首都カラコルムにあるモンケ・ハーンの宮廷で 
 教皇に派遣されたフランシスコ会の修道士ギョーム・リュブリュキは、
 世界各地のあらゆる宗教を代表する聖職者たちが
 なごやかに議論を交わし、競ってハーンの助言を求めていることを知って驚いた。」
 ハーンはまた、国家間の自由な貿易も奨励していた。
 税金を低く抑え、隊商を保護し、山賊に襲われないよう道路を警備して
 商人を迎え入れていたのである。

 タタール族がペルシャを征服したことから、モンゴルのいつもの方針ー
 低い関税、治安の行き届いた道路、万人の自由な通行ーが行きわたり、
 インドへの道が開かれた。
 タタール族がロシアを征服したことから、中国への道が開かれた。
 アジアを横断する壮大な理路であるシルクロードは、
 何世紀ものあいだ往来がさかんだったとはいえ、
 ヨーロッパ人がその道をしばしば通行するようになったのは、
 タタール族の制服以降のことであった」
  

なお、巻末には参考文献のページがある。
それはよくある書名の羅列型ではない。

ブアスティンはそれぞれに、彼らしいコメントをつけている。
そこには彼の姿勢や誠実さが、よく現れている。   




宗教は国家を超えられるか 近代日本の検証 (ちくま学芸文庫)
販売元: 筑摩書房

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宗教学者として精力的な活動を続ける著者の本です。
特に異端的な宗教に関する扱いは著者ならではの手法です。が、
国家論となるとどうでしょうか。
「前夜」という雑誌では1868年明治元年から明治政府(国家)のキリシタン弾圧がはじまったかのように
述べていますが、その頃はまだ藩政がしっかりと残っています。
江戸幕府のキリシタン弾圧は江戸時代も延々と続いており、著者のあげる例は
本来歴史学者によって江戸時代最後のキリシタン弾圧として研究されています
(こういう所が歴史学者に宗教学者が馬鹿にされる所なのかもしれませんが・・)
宗教問題は、江戸幕府が倒れたとたん、明治国家によって発現されたものではありません。
どうも、歴史的視点はかなりカットされており神道が明治になり突然大ブームになり
敗戦と同時に完全に抹消したかのような感さえうけます。
ある程度資料批判ができる人にはおすすめできるとは思います。




修復家だけが知る名画の真実 (プレイブックス・インテリジェンス)
販売元: 青春出版社

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修復技術のめざましい発展によって、ルネサンスの名画(ミケランジェロ「最後の審判」、レオナルド「最後の晩餐」等…。近年まで、かなり荒く違う絵になってしまう程の加筆修復がなされていました)を、画家オリジナルの絵画として楽しむことができる、幸せな時代に私達は生きています。

本書は、画家がどんなに綿密な計画を立てて絵を描いているか、等とても興味深く書かれています。修復前で、しかも印刷状態の悪い昔の画集などを観て「昔の油絵って茶色っぽいなぁ」と思っているような人には、眼からウロコな情報も満載です。

でも、画家の意思によって(重ね塗りなどによって)葬られた部分というのは、希少価値の為だけに、他人が覗き見て良いものなのか、少し疑問が残ります。勿論、この方は修復家という立場上、また遺族や持ち主の同意の上の話ですから、当然の行為ではあります。しかし絵を観る時に、「なぜこの瞬間で画家の筆は終わりとされたのか」と、画家のメッセージに想いを馳せることは、下地が何かを知るよりも、より深く絵を理解することに繋がると、私は思います。

修復家の眼、という冷静沈着な内容かと思ったら、最後の「贋作」に言及する部分は、著者の絵画への強い愛情が伝わってきて、同じ想いを共有できました。




守衛長の見た帝国議会 (文春新書)
販売元: 文藝春秋

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帝国議会の時代、貴族院においては、議員同士の乱闘などは皆無。貴族院職員は、参議院へ移行してから頻発する乱闘に、慌てて、衆議院の先例を学ばなければならなかったという。
いっぽう、衆議院では、第一回議会から、議場に傍聴席から馬糞が投げられる派、その後も、蛇が投げ入れられるは・・・、波瀾万丈。
そんな混乱からの秩序回復のために、陰に陽に執務に励んだのは、守衛長の指揮の下におかれた守衛たちである。
この本には、衆議院守衛長が書き留めた事故録や守衛長報告を読み解くことから、帝国議会の裏面史を書きつづる名著である。
憲政記念館に眠る貴重な資料を丹念に読み解いてこのような本にまとめ上げた著者の功績は大いに賞賛されるべきである。
この本に描かれるのは、帝国議会時代の衆議院の記録のみであるが、日本国憲法が施行され、国会法の下、帝国議会が国会へと改められた後も、この本に描かれるのと同様の混乱は繰り返されるばかりではなく、警官隊を言論の府に導入しなければならない事態も幾度か生じた。これは、帝国議会時代にも起きなかったことである。
帝国議会から国会へと制度が改まったことで、はたして日本の議会は「成長」したのか?大いに疑問だ…。
選良たる議員も、所詮、人間だ。
議長に警察権を付与し、守衛(現在は、衛視)に、院内警察を執行させる必要は、議会制度が110年を過ぎても変わらないのだろう。




宿敵たちの激闘・日本史―覇権に隠された英雄たちの決断と苦悩 (にちぶん文庫)
販売元: 日本文芸社

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主役たちのその後―追跡・日本史 (ノン・ブック)
販売元: 祥伝社

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春画 浮世絵の魅惑〈1〉 (ベスト新書)
販売元: ベストセラーズ

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福田氏の浮世絵新シリーズが始まった。今回の本を拝読して、<春画>はタリズマン(不思議な力)を持っている、という新解釈に感動した。

着物絵の特殊な彫りの技術や、今回初めて登場した長崎オランダ人の絵等、また別な展開があった。どこまで春画の範囲が広いのか全く読者としては想像がつかない。きっと次編もまた違う趣向で我々を楽しませてくれることだろう。
期待大である。


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