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和書 508066 (348)



昭和史発掘 開戦通告はなぜ遅れたか (新潮新書)
販売元: 新潮社

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タイトルがミスリーディングである。「開戦通告はなぜ遅れたか」という問いに対する著者の答えは、野村駐米大使が陸軍大佐新庄謙吉の葬儀に出席し、葬儀が(米国の陰謀のためか?)長引いてしまったからというもの。しかし、これによって、在米国大使館の不手際が帳消しになるわけではない。更に著者は、東条が最初から「不意討ち」を意図していた可能性を指摘したり、日本の暗号電報を解読していた米国が「通告遅延」を画策していたのではないかとの見方も披瀝しているが、いずれも想像の域を出ていない。

むしろ、新庄大佐の米国における活動の方が関心が持たれる。新庄は生前、「数字は嘘をつかないが、嘘が数字をつくる」と述べていた。彼が米国での公開情報のみを頼りに作成した日米の国力の比較は、戦後米側の専門家が作成したものと同じ、むしろ新庄の作成したものの方が遙かに細かな分析をしていたそうだ。その「新庄レポート」を無視して、米国との開戦に踏み切った当時の指導者の責任は重い。







昭和史発掘 (4) [新装版] (文春文庫)
販売元: 文藝春秋

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軍国主義の大日本帝国の学問に対する圧力がどう行なわれたか。
よくかけています。
滝川事件は弾圧事件でカタズけられていますが実は彼は昭和20年に京都大学に復学しています。
そうして、その条件に、文部省の誤りを認めることでした。
当時の前田多門文相は、謝罪したのです。
ここまで書かれている本は珍しい。国の犯罪を実質的に認め、
同時に戦前右翼の否定と謝罪があったのです。皇国史観でゆがめられた
学問を、国も認めた画期的な事件です。
天皇の名で成されたことは、戦争以外に学問文化さまざまであります。
しかもその圧力に学者文化人がいかに無力かも、十分描かれてました。
彼は推理小説よりも歴史のほうが作品として残ると思います。




昭和史発掘 (5) [新装版] (文春文庫)
販売元: 文藝春秋

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松本清張氏による昭和史の検討です。2.26事件へといたる史実が検証されています。当時の陸軍中枢の状況、青年将校の置かれた状況などが詳しいしです。特にこの巻では、相沢事件を中心に書かれています。史実に忠実であるよう、旧文体など多く、読みにくいところはありますが、詳細に記載されています。昭和史を勉強するには良い本だと思います。読み通すのには骨が折れました。




昭和史発掘 (7) [新装版] (文春文庫)
販売元: 文藝春秋

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226の事件現場を有力者別に書いています。
高橋是清は15発は、弾丸を打ち込まれている。
鈴木貫太郎のように3発打たれても、妻のの止めを刺すな
で、命拾いした人。
弟が身代わりで助かった岡田啓介首相。涙が出ました。
そして、命がけの40人の警察は、右翼軍人にピストルの弾が切れると
素手で立ち向かい殉職。
渡辺は、娘を守るために右翼と打ち合い、惨殺。娘はゆうめうなシスター渡辺さんです。
家族のために多勢に無勢でも、戦った立派な軍人の最後です。
これを読めば右翼の正体、恐ろしさの分かる名著です。
一方では布団をかぶって逃げていた警察官もいたんです。
その人間模様も、楽しかったですね。




昭和史発掘 <新装版> 6 (文春文庫)
販売元: 文藝春秋

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226の決起した将校を、有力者別に解説。
特に安藤大尉の葛藤がよくかけています。
いかに、国家思想が人間を不幸にするか。北一輝と言う妖怪が
思想的背景にあること。戦後北の死刑はオカシイという文化人がいたが、これを読めば死刑は当然。むしろこいつを、いけにえにして
逃げた真崎、山下、川島陸相に問題があります。
しかもおかしなことに、これらの反乱将校は天皇のためにやっているのですが、天皇自体は国家主義を望んでいないし、激怒して鎮圧に向かうわけです。
天皇思いの部下が天皇と反対のことを平気でする。
なんという皮肉。天皇が鎮圧しなければ、軍需政権樹立されて、
昭和12年に太平洋戦争になっていたのは確実であります。
ただ読み方により、将校賛美にも読めるところがありますので、7巻
8巻を読んで、著者がこの事件を憎むべき犯罪と捉えている事を
理解してください。そうでない誰かさんの書評のように天皇賛美
めいた事を、平気で書いてしまいます。




昭和史発掘 <新装版> 8 (文春文庫)
販売元: 文藝春秋

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戦前の暗黒裁判と言えば、大杉栄の甘粕事件と思うが、
それよりも、近年に226の裁判が暗黒裁判であることに驚嘆した。
弁護士無し非公開、そして上告無し。それが法治国家なのか?
戦前もこのころになると日本が法治国でない事がよく分かります。
そうして事件の首謀者の真崎山下らの大将クラスには、お咎め無しの
やらせ裁判であった。
それに対する清張の怒りがよく出ています。
他の書評に清張が、天皇支持者の如き嘘コメントを書いていますが、
生前彼は共産党支持者でありました。しかしこの本は彼の主義
におぼれることなく、正確に書いています。315事件ではある点で共産党に、厳しい目が注がれています。一方、同様の大家の
司馬の作品は、新たな資料などの発見で、かなり嘘の記述がおおい。さすがに、清張は資料の選択がいいのか、修正の余地はほとんどありません。
一週間前に、多喜二は銀行解雇であったと報道されましたが、
彼の著書では、小林は拓殖銀行に解雇されたと、30年前のこの
本のシリーズに書いていました。大学教授より優れた歴史家であります。




昭和史発掘 <新装版> 9 (文春文庫)
販売元: 文藝春秋

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226の結末もよくかけていました。
天皇制の問題が浮き彫りにされています。
反乱軍も、裁く軍もともに天皇陛下万歳である。
奇妙な光景です。また天皇のために行動したと思った磯部は、天皇
を呪詛。天皇は実は虚構な存在である事に到達したのでしょうか?
貧農の生まれで家族は死ぬ前に面会すら出来ない。上京の金が無いから
と今では考えられない社会背景を描写。さすがは清張です。
でも、彼の結論、以後軍部統制派の独走が始まるは間違いです。
1990年後半から2000年代の研究では、2日間で鎮圧してことにより、天皇の権力は増大し、統制派の東条とリンクして戦争に突入。
つまり戦争立案に天皇が積極的に参加したのです。
ピックスらの学者は、日本の左翼学者でさえ、騙されている事を
指摘しています。皇室を守るために昭和天皇の言った嘘
が実に巧妙であった。独白録の、戦争に反対すれば精神病院送り
になり、ベトは使えなかったに国民大半は騙されたということです。
残念ながら、日本の学者でそれを指摘し他のは、山田さんしかいません。よって、ピックスの昭和天皇。外人さんの著書で昭和天皇と戦争?
などを併読すれば、昭和史のなぞが、よく分かります。
1970年代の学説の代表として、清張を読めばこれも楽しい。
そうして、以後30年の研究で、真実により近ずいた歴史家の
努力が理解できます。




諸葛孔明―三国時代を演出した天才軍師 (PHP文庫)
販売元: PHP研究所

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 子どもの頃から諸葛孔明が好きで、何回も三国志演義を読みましたが、孔明の生い立ちは知りませんでした。三国志に描かれる孔明は、三顧の礼以降でしたから、当然です。不思議ですね、三国志の人間関係は分かりにくいと思っていましたが、この書を読んで理解が深まりました。
 しかし、この書の初版が古いせいか、中国をシナと表記されていたり、戦時中のことが記されていたり、著者の年齢と書のコンテンツが理解できるような感じがしました。物語がわからなくなったら、人物の解説書を読む事をお勧めします。





書物の出現〈上〉 (ちくま学芸文庫)
販売元: 筑摩書房

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 本書は、フランスの歴史家でアナール学派の創始者であるリュシアン・フェーヴルと「古文書学校教授」アンリ=ジャン・マルタンの手から産み出された、極めて知的興奮に満ちた書物である。

 これだけでも推薦の価値があるのだが、上巻のみ推薦に足るというわけではないので、上下巻のスペースを借りて、ポイントを(もちろん知的興奮を殺ぐようなことにならないよう注意して)述べたい。

 まず、E・H・カーに従うなら、『歴史家』について述べねばならないだろう。ご存知の方には申し訳ないが、「アナール派」について、邦訳者の『解題』から引用してみたい。ひいては、邦訳者の認識も含まれていると考えられるからだ。

『一九世紀ヨーロッパ史学界に広まっていた考証学的研究を偏重する実証主義の風潮に反発し、歴史家自身の問題意識の下に仮説設定・検証の手続きを踏んで行なわれる主体的な歴史学を提唱。そして同時に、外交史、政治史中心の事件史と訣別し…(中略)…隣接の社会諸科学の最新の成果をトータルに理解しようと努めたのである。』(下巻p275)

 こういった視点である。
 したがって、本書の構成は(1)活版印刷による書物が出現するための要件、(2)定着に関わる要件、(3)綜合もしくは影響と役割の見積もり、となる。(1)に相当するのが上巻第一章(以下:上n章と表記)『前提条件』上二章『技術的問題』であり、(2)は上三章『体裁』上四章『商品としての書物』上五章『本造りの世界』下六章『書物の地理』下七章『取引』が、相当する。(3)最終の下八章である。

 すっきりした構成である。それゆえ、ほかのメディア史を考える際の大枠にもなるだろう。応用が広い。
 次は下巻スペースにて、本書の取り上げる問題意識と、読む際に小生の感じたことをお伝えしたい。




書物の出現〈下〉 (ちくま学芸文庫)
販売元: 筑摩書房

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 さて、著者の問題意識はどこにあったのだろうか。再び『解題』から引用したい。
 『一言で言って、伝統と革新のせめぎ合いの中で活字本が演じた役割は何か』ということである。

 対象とした時代は、14世紀中葉から18世紀末までであり、そして対象地域は、ヨーロッパであるのはもちろんだが、比較的フランスを主としている
 
 この手の書物には欠かせぬ、参考文献、地図、年表、(エチエンヌ家のみだが)家系図も添えられている。
 とはいえ、本書の記述に含まれるもののいくつかは、日本におけるヨーロッパ史・フランス史の一般知識より少々高度なので、手元に年譜を置いておくほうが良いだろうと思う。また、地図が付されているものの、――下六章や、下七章のタイトルから察せられるように――地理的要因が大事なファクターとなるので、街道や河川や、都市間の距離確認ができる地図をも、手元に置いておきたい。

 訳文は、フランス語の修辞的表現の影響に惑わされたのであろうか?少々、違和感を感じる点もあった。文中の「未来形」での記述に惑わされないように。
(注:引用ページは単行本によるものですのであしからず)
 ともかく、素晴らしい。
 大いに推薦。


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