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和書 508066 (358)



明治の冒険科学者たち―新天地・台湾にかけた夢 (新潮新書)
販売元: 新潮社

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 著者は、台湾の原住民をテーマにした著書を多数出しているこの道のオーソリティー。「台湾革命」のような駄作(失敗作)もあるが、確たる歴史認識に裏打ちされた記述に揺らぎはない。その分、読者に対して独善的に感じるところもなくはないが、著者の原住民に対する姿勢はあくまでもやさしい。しかし台湾や原住民の話にそれほど興味を感じない読者にとって、彼の記述はやや重苦しく押し付けがましく感じるのではなかろうか。特にこの本は、過去に視点が止まったままになっているように感じるところも多く、トリビア的な知識の蓄積には役立ったが、今日に繋がる思考にはなかなか結びつかなかったのが残念だ。もっとも「だから日本の台湾統治はよかったんだ。台湾人よ、日本に感謝しろ。日本人よ、自信を持て」といった安っぽい結論になびかないところが、この著者のいいところでもあるのだけど。あと、タイトルと内容が今ひとつダイレクトに結びついていないのもマイナスポイント。おもしろいんだけど、なにかが物足りない、悩みに悩んで★三つ。いい本なんだけどなあ。




横井小楠―維新の青写真を描いた男 (新潮新書)
販売元: 新潮社

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 横井小楠に関する本は、けっこう出ているが、現在のところ、本書がもっとも入手しやすい。また内容も、小楠の生涯と思想を全般的に簡潔に記述しているため、小楠のことを知りたいと思う方々にとっては、本書から読み始めるとよいのではないだろうか。

 記述はわかりやすく、読みやすい。著者は、市井の小楠研究者であるが、ときおり挟み込まれている小楠の資料を発見した際のエピソードなどが楽しい。

 小楠は、幕末の影響力のあった思想家で、高邁かつ現実的な日本の針路を示した人であるが、酒などで数々の失敗もしている。本書には、そのあたりの話も書かれており、小楠に親しみを感じた。




清朝の王女に生れて―日中のはざまで (中公文庫)
販売元: 中央公論社

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清朝の王女に生れて―日中のはざまで (中公文庫BIBLIO)
販売元: 中央公論新社

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 東洋のマタハリ 川島芳子の実妹 愛新覚羅顕gが
書いた半生です。歳が離れていたのか期待していた
川島芳子の記述はほんの少しでした。

 前半部分は、あまり面白いとは思わなかったので
すが、15年の刑務所生活を送るきっかけとなる部分
から、ぐいぐいとストーリーに惹かれていきました。

 日本での学習院生活では日本人に馴染んでいると
は思えない感じでしたが、北京での生活を見ると中
国人の気質とも違う方のようです。

 彼女が満州人であったのか、それともお嬢様気質
が災いしてこのような人生を歩むことになったのか、
日本人にも慣れず、中国社会にも沿わず・・・。
しかし、刑務所生活15年強制労働7年の生活の中で
唯一の心の支えになったのは日本留学時代の旧友達。

 物語としては1級の材料ではあるが、洗練されたも
のではなく、彼女自身の肉筆を重要視して出版された
本のようです。それが故に彼女の人柄などがかいまみ
れます。非常に忍耐強く、政府を憎むでもなく、生ま
れを憎むでもなく、そして、時代に媚びることなく生
きてこられた方だと思います。人生の大半を家族や愛
などのために生きることがなかった点が可哀相な人生
を送った方だと思いました。




素顔のダイアナ妃 (新潮文庫)
販売元: 新潮社

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聖書の土地と人びと (新潮文庫)
販売元: 新潮社

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どこがトンデモ本なのかはさっぱり理解できません。
非常に興味深い本でした。
どこか特定の宗派や国に対して敵対的ということはないと思います。
一般の人々よりは、キリスト教やユダヤ教について深い理解を持っている曽野/三浦夫妻がイスラエル在住の知識豊かな日本人ガイドである方にいろいろ話を聞くという対話構成で、非常に楽しく読めるものになっていますが、内容は含蓄の深い本です。
旅人2人がキリスト教に縁の深い方々なので、特に宗教的観点で興味深く読めるでしょう。
逆にもともと宗教に対して非常にこだわりのある方は抵抗を示される場合もあるかもしれません。




戦後史の空間 (新潮文庫)
販売元: 新潮社

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小熊英二『民主と愛国』を読んだ機会に久々に読み直す。
著者は満州事変の起きた1931年生まれ。終戦時は14歳。終戦時30代の丸山真男
(1914年)、20代の吉本隆明(1924年)より後の世代、江藤淳(1933年)や大江
健三郎(1935年)の数年年長。小熊英二風に紹介すればこうかな。
荷風論や三島論で有名だが、『鹿鳴館の系譜』や本書のような文芸や政治的言説の
裏にある、時代の「心情」を浮び上がらせるのを得意とするというイメージをもつ。
本書でも文芸評論の体裁をとりつつ、主題はやはり戦後の心情にあるといっていい
だろう。今では想像もつかない終戦直後の左翼の「愛国」的論調の背後にあるもの
や、アジア諸国のナショナリズムに触発された竹内好の民族主義に対し、武田泰淳
を対置させながら、「弱小民族への感情移入がたどる陥穽」を指摘してみせ、返す刀
で岸信介の逆説的な不徹底ぶりを指摘して見せたのも著者ならでは切れ味。
丸山や竹内のいう成熟した「近代」「国民」に至るには、岸首相すら胸に秘めるだけ
で夢想するしかなかった自立的な安保破棄を経ないことにはありえない、という冷
静な視線をもった評論家だった。存命なら今をどうご覧になったでせうか。
著作は今では古書でしか入手困難なものが多い。纏まったものでは、未完結ではあ
るが小沢書店刊の『磯田光一著作集』(既刊5巻)がある。




戦争の話を聞かせてくれませんか (新潮文庫)
販売元: 新潮社

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 義父は以前から戦争中の話をよくした。通信兵だった義父の戦争体験は、人の生死にかかわらないものばかり。
 ところが最近、聞き手の私がこの本を読んだことでいろいろとコメントすることがあったために変化が起こったのか、あるいは年のせいか、「自分は何人もを餓死に追いやったかもしれない」といった内容を、私の娘に話したという。
 食糧難に陥った隊員らは、現地(南方)に育った芋の生態系をよく知らずに根こそぎ掘って食べたために、その後の食糧に困窮し餓死者が出たといった内容だった。
 義父は現在85歳。戦死した人のほとんどが餓死だった、とよく言っていた。寝言をいって飛び起きることがあるという父。まだ重いリュックを背負っていたのか、と胸が痛む。
 生きていると、いろいろある。しかし、戦争だけはやってはならないと、何度も思う。




大本営が震えた日 (新潮文庫)
販売元: 新潮社

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 私が中学生だった頃、あの戦争に関して教えられた事といえば、日本は周辺国の
侵略を企て、近隣諸国の多くの人々を殺め、苦しめた「悪」であった、その元凶は
暴走した軍部であり、その罪はどの様に償っても償いきれないものだ。日本人は過
去の罪を認識し永遠に忘れてはならない。といったところでしょうか。それ以外
戦争について教師たちは言葉にするのも汚らわしいとばかりに多くを語りませんでした。

 そんな学校教育から開放されて、それと同じくらいの月日が経過しました。
最近あの戦争は何だったのか?という疑問をやっと感じるようになることができる
ようになりました。中学校当時読んだだけで自分が穢れてしまうのではないかとい
う呪縛から開放されたような気がします。幸い日本は戦後の貴重な検証が数百円の
文庫本でそれに触れることができる先進的な文化を有する国でした。

 本作は、昭和16年12月1日皇居内東一のまで開かれた御前会議において、12月8日
対英米蘭開戦の断を天皇が下してから先端を開くに至るまでの1週間、陸空海軍第
一線部隊の極秘行動のすべてを、事実に基づいて再現してみせた作品です。作者の
目は静かでこの種の素材につきまといがちな感傷と批判を抑制し、事実によってす
べてを語っています。読後感はむなしさと徒労感が重くのしかかってきますがその
判断はあくまで読者に委ねられています。

 あの戦争に関して私たちは統一見解など持つ必要はなく、各自が事実を踏まえ
それに向き合って隣国の人々と関わっていけばいいのだと、本作を読み気付かされました。
事実はひとつ、しかしそれはどう捉えるかは各人の判断に任せる。この一見単純な
事が許されている日本に住んでいることの幸福を感じる一作でした。





沈黙のファイル―「瀬島 龍三」とは何だったのか 新潮文庫
販売元: 新潮社

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 他の方も仰っているが 内容が散漫である点が惜しい。散漫である理由はシンプルだと思う。テーマがきちんと絞られていないからだと思うのだ。

 題名では瀬島龍三という方に絞っているかのようだが 中では 731部隊の石井中将であるとか ある意味で 話が違う方向に向いている部分が多い。それはそれでエピソードとしては良いのだが そもそも731部隊は それだけで一冊をなすべき内容であり ちらりと紹介するには向いていない。
 また これはしょうがないと思うが 戦後の瀬島という方の活躍ぶりも情報が少なすぎる気がする。「しょうがない」と言ったのは そもそも かような国家機密を簡単に書けるわけがないという点に因っている。

 瀬島という方は昨年亡くなった。多くのことを墓に持って行ってしまったわけだが それもしょうがないのだと思う。いろんな人がいろんな事を墓に持っていく。僕自身だって 何かを持っていくわけだ。後は 煙となって立ち昇って 消えていくわけだ。


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