では、ムックを読んでいない人にはどうかというと、これまたカスタム/メンテのハウツーでもなく、きちんとしたインタビューがあるわけでもなく、カスタムの哲学(そんなものが存在するとしてですが)について何か語っているわけでもなく、カスタムの歴史を系統だってまとめているわけでもなく、と、まあ、ムックが絶版だからお手軽に抜粋して、というつもりで作ったと誹られても仕方のないような本で、資料性も大してありませんから「SRに関する本は全部集めないと気が済まないコレクター」の方以外にはお薦めはいたしません。
たくさんのVWが紹介されているわけではないし、歴史やメカが詳しく解説されているわけでもないけれど、タイプ2がある生活の雰囲気を伝えています。フツーに動くだけで、オーナーの生活に雰囲気を与えるVWタイプ2をさらっと紹介した文庫サイズの本。
ただLightningのタイプ2特集の再編集で多くが同じ内容のため、雑誌をもっているひとは、よほどのマニアでない限りいらないかも。
若い二人の手紙のやり取りの内容は、一見たわいの無いものである。しかし、文面にはお互いが相手を思いやる気持ちが滲み出ている。読み進めていくと、二人が励ましあいながら一生懸命に毎日を生きている姿が浮かび上がってくる。
若い二人の交際は成美さんが亡くなるまで三年半続いたが、そのうち成美さんの闘病生活は二年半に及ぶ。成美さんと秀樹君の二人は一緒に病魔と闘ったといっても過言ではない。
母親・政子さんの日記にもあるように、成美さんにはやりたいことがたくさんあったに違いない。病のため人並みのことが殆どできなかった。不登校になっている人には理解ができないかもしれないが、成美さんは学校も満足に行けなかった(行きたくて、行きたくてしようがなかったのに…)。別段、贅沢な望みなどは一つも無い。人並みのことがやりたいだけなのに、それができなかった成美さん。気の毒というほかは無い。付き添う家族の人々も辛かったに違いない。
しかし、成美さんは短い生涯を秀樹君からも励まされながら「一生懸命」生きた。病と闘った。凄いと思う。立派だ。
近年は、ニュースなど報じられているように、自ら命を絶つ若い人が増えている。成美さんのように生きたくても生きられなかった人のことにも、是非、思いを馳せてもらいたいと願う。生きることの意味を見出せずにいたり悩んだりしている人が本書を手に取り、一日一日を懸命に生きることの大切さを感じてもらえれば、天国の成美さんも喜んでくれるのではないかと思う。
ところで、本書のような素晴らしい記録は、「ケータイ(携帯電話)」のメールなどが普及してしまった現代では生まれないだろう。その意味でも本書は大変貴重なものであると思う。
あの世とは、単純に天国・地獄に2分類されるようなものではなく、実際にはその人の精神性に応じて様々な段階の世界にわかれているということを教えてくれています。
また、「あの世の世界」について書かれた本にありがちな、オドロオドロしいものや恐怖感を煽るものとは完全に一線を画しており、理知的で清清しい世界観を提供しているのが類書との大きな違いだと思います。
「自分が死んだらどういう世界に帰るのか」は、自分の心が本書に書かれた各世界の心のあり方のいずれに当てはまるかで自明の理となり、占いや霊能者に頼ることなく判断できる思考材料を提供していますので、死ぬまでに1度は目を通してみると良いかもしれませんね。