数年前の個展からのファンで、佐野さんの写真集が登場するのを、
ずっとずっと待っていました。
(ポストカードで我慢していたので)
HPの写真も、美しい写真で満載で気に入っているのですが、
この写真集でしたら、持ち歩いていつでもどこでも見ることができますね。
しかし、ゆったりソファに座ってじっくり見たりしてほしい、重厚な作品でもあります。
実際、自分は、写真展を見てから、写真集を購入したのですが、もったいなくて、ぱらっとなんて見れませんでした。
ここぞ という時間までとっておき、ゆっくり集中して読みました。
(すっかりトリップ。自分もいつのまにか、カラハリの砂漠に立った気持ちで、読み進めました。)
お気に入りの1冊なので、動物とか自然に特に興味を示さなかった人たちも、色々な機会に、ちらっと見せてみます。
すると、みんなも、言葉を失い、ぐいぐい引き込まれ、一人の世界にはいり、魅入っておりました。
目に涙が光っていたりします。
(迫力のあと、静かな優しい気持ちが伝わってくれてるのだなぁ。うれしい)
地球上の仲間たちの崇高さ、美しさ、強さ が、心にひたひたと静かに伝わる作品が満載です。
お気に入りの写真を1枚、これを選ぶことはまず不可能です。
写真集として、大変贅沢な仕上がりですね。
息遣いを感じます。
筋肉の動き一つ一つに見ほれます。
また、生死をかけた闘いの中、誕生のシーンでの、動物達の表情。
動物園で見る姿とは違って、生き生きしており、感動しました。
このような姿をこのまま残せるかは、人間のこれからの行動にかかっているのだ、、などということも、実は考えたりして。。。
本当に何度でも色々な見方で楽しめる写真集だと思います。
佐野さんは、「写真」の腕も当然すごいのですが(←写真家の方に対して失礼)、私は同時にその「語り」のファンでもあります。
撮影のシーンのお話しをうかがっても、嫌な顔ひとつせずに、迫力のシーンをストーリでお話ししてくれました(ありがとうございます)。
その「語り」がそのまま、この写真集には、そのまま発揮されており、ますますうれしくなりました。
生きものへの愛情に満ちた文章(決してべたべたでない、こぎみよいテンポ)。
そこにいる、すべての存在に対する 敬意 がじわじわ伝わります。
(そんなところも、あたたかでうれしい)
あとがきの文章、泣きました。
こういう思いを持ち、自然を見つめ、自然のすごさを伝えることで、
ヒトが選ぶ道を考えさせてくれる。
その真摯な姿に、打たれます。
実際に現場に入り、自然を残す活動をされる方の写真集。
ひとりでも多くの方に、手にとっていただけると嬉しいなあ。。
早く、第2、3部が 欲しいです。