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和書 548206 (313)



ある犬の伝記
販売元: 晶文社

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ある生涯から
販売元: 文芸社

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ある男の一日
販売元: 近代文芸社

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ある男の投影
販売元: 審美社

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ある男の聖書
販売元: 集英社

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 一言でいえば、文化大革命をストーリーの中心に据えた、「女たちのやさしさ」とでも言うような小説。でも、これがバラードの小説に劣らず、面白い。
 高は一昨年のノーベル文学賞受賞者。中国系フランス人なんだけど、亡命してしまったからで、創作は中国語で行なう。その点は同じ中国系フランス人でもヤー・ディンとは違う。元々は劇作家なんだけど、亡命語に2冊の長編小説を書いていて、これはその2冊目(戯曲については、THの16号で紹介したからね)。自伝的長編だという。
 中国の現代小説というと、文化大革命と天安門が二大テーマなんじゃないかというくらいのもので、いろいろ書かれている。先に触れたヤー・ディンの「赤いコーリャン」もそうした小説だった。それらは、訳されているものについてはそれなりに水準が高いし、読んだ限りではだいたい面白いんだけど、高の場合、とりわけっていうのがある。それは、この小説をめぐって、主人公が求めているのが、アイデンティティだというところにある。それは、亡命し、中国系フランス人になったということだけではない。香港の思想家レイ・チョウが「ディアスポラな知識人」で述べているように、ディアスポラな中国人にとって、中華人民共和国の政府に対してはアイデンティティがないということでもある。それは、その土地を管理する「政府」でしかないのだから。だから、高はこの小説の主人公に、この男の聖書であるこの小説を書かせる。
 もう一つは、この小説が、文化大革命をめぐる、中国を舞台にした遠い過去と、出国後の当時はまだイギリスの植民地だった香港を含む西側を舞台にした比較的近い過去が、交互に語られる点にある。遠い過去の「彼」は、近い過去では「おまえ」として、人称まで変えてある。そして、この二つを結ぶのが、性的に抑圧された中国と奔放な西側との、それぞれにおける女性関係ということになる。主人公たちは、しばしば、セックスによって癒されようとするのだけど、実際には癒されることはなく、ただその生命力だけが後に残る。セックスする存在、というのがアイデンティティの一つであるかのように。それでも時には助けられ、時には傷つける。そうした意味で、高による「女たちのやさしさ」と言えるんじゃないだろうか。




ある男の話
販売元: 日本図書刊行会

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ある画家の作品
販売元: 林道舎

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ある異邦人の旅立ち (シンプーブックス)
販売元: 新風舎

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ある病棟の物語
販売元: 健友館

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ある知的障害者の呟き
販売元: 文芸社

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