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和書 554250 (80)



幸田姉妹
販売元: ショパン

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日本の洋楽の黎明期を知るにはこの二人の音楽家の功績をたどることが必須だと感じました。恵まれた才能をいかし、音楽の本場ウィーンやベルリンへ留学した幸田延、安藤幸の姉妹の生涯をおうことは日本の音楽史をたどる作業でもありました。
千島列島を開拓した探検家の郡司成忠大尉と『五重の塔』で知られる幸田露伴が二人の兄にあたります。皆、類稀なる異才に恵まれた兄弟姉妹ですね。

10数年前に公開された瀧廉太郎の生涯を描いた『わが愛の譜』のヒロインのモデルとされた安藤幸に関心を抱いていました。勿論これはフィクションですが、ヨーロッパを舞台とした美しい映像をこの『幸田姉妹』を読みながら思い出しています。

日本の童謡の魁となった「鳩ぽっぽ」「お正月」を作詞した東くめと安藤幸とが幼い頃からの親友であったとか、山田耕筰が留学した際、幸田延に相談した会話だとか、興味深いエピソードが満載でした。
日本人として初めて国際音楽コンクールの審査員に招聘されたり、女性として初の文化功労者に選ばれた安藤幸の業績の素晴らしさを知りました。日本の音楽界の先駆者として燦然とした輝きに包まれた生涯ですので驚きをもって読み進めました。

東京音楽学校校長の伊沢修二、お雇い外国人教師メーソン、19世紀ドイツの有名なヴァイオリニストのヨアヒム、国際的なソプラノ歌手の三浦環など明治の音楽界を考察するのには避けられない著名な音楽家や関係者がキラ星のごとく登場します。幸田延のお弟子さんも当時の華族の令嬢が多く、華麗なる人々の登場も本書の魅力の一つでしょう。




表現の現場―マチス、北斎、そしてタクボ (講談社現代新書)
販売元: 講談社

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マチスと北斎の線が現実に隠れたエッセンスを再構築する。ゴーギャンに人間の野性味を呼び起こされる。絵画の中の樹木や巨石、廃墟に過去と未来が自在につながっている感覚を知る。鳥獣人物戯画に自由人の心で戯れにものをつくるシャレた感覚をみる。無欲で粋な生き方、天性の品のよさ。

このように、著者の視線は自在に、私たちがこれまで知り得なかった感覚、感性を教えてくれる。これからこの視線を頼りに、絵画やアートを見直してみると新たな発見ができるのではないか。この本を読み終わってそう思った。

人間は結局、自然とともに、地に足をつけて生きていかねばならない。また、自然に対して常に謙虚に素直な姿勢で望まねば見えるものも見えなくなる。こうした著者の姿勢が「林檎の礼拝堂」、風!景芸術の根底にあると感じとれる一冊だ。




踏みはずす美術史―私がモナ・リザになったわけ (講談社現代新書)
販売元: 講談社

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タイトルだけ見ると「美術の見方を踏み外すのはどうなんだろう」とか、
あるいは「モナ・リザを真似してもねぇ」と思ってしまうかもしれない。
だが本書を読むと教科書的な見方がいかに美術鑑賞をつまらなくしているか、
逆に言えば通説と違った見方もよいのではないかと思えてくる。

著者は“入れ知恵”に惑わされず、自分の視点でモノを見るように説く。
美術作品と向き合い、ジックリ鑑賞し、自分のものにしてしまう。
それを「考えるな、食べろ、着こなせ」と表現している。
美術鑑賞も普段の生活の中にあるということなのだろう。

また「着こなせるのであれば模倣は是である」という考えにも共鳴できた。
そこから解釈が広がって、自分と他者のつながり、共通点を探し、
違いも読み取って理解を深めたいという大きな発想がユニークである。

最後にモナ・リザに関する章はいろいろと参考になった。
プラド美術館の模写の存在、視線のマジック、ポーズのとり方など、
言及されているようでされていない部分を実に巧みに見せている。
本書は単なる「異説」ではなく、これからの鑑賞に生かせる見方を提供している。




美術の眺め (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ)
販売元: 講談社

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新宿ルイード物語―ぼくの青春と音楽 (講談社文庫)
販売元: 講談社

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魂を彫る―鑿に賭けた大仏師父子の「心の王国」 (講談社文庫)
販売元: 講談社

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深田祐介の最先端ウーマン学 (講談社文庫)
販売元: 講談社

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平成NG日記 (講談社文庫)
販売元: 講談社

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放熱の行方―尾崎豊の3600日 (講談社文庫)
販売元: 講談社

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著者の吉岡忍氏は、1948年生まれの団塊の世代であり、1965年生まれの尾崎とは、年齢の差があり、尾崎のファンではなかったそうです。とはいえ、尾崎の生前から、リリースしたアルバムはすべき聴き、コンサートにも足を運んでいたというだけあって、本書では、歳の離れた友人としての気持ちを込めて、尾崎を「尾崎は」という三人称単数扱いではなく「きみは」という二人称単数で呼びながら、共感と違和感を、やさしさときびしさをもって記述・批評しています。これがまず特色です。

次に、尾崎の父、妻、音楽プロデューサー(須藤晃氏)、雑誌編集者(見城徹氏)、アート・ディレクター(田島照久氏)、元マネージャーはもちろん、元所属事務所社長、旧友、通っていた高校の校長にまで取材を行い、尾崎の著作、インタビュー、ファンクラブ機関紙にまで眼を通しているので、尾崎の伝記として非常に読み応えがあります。

第三に、著者自身がノンフィクションは文学とジャーナリズムとのあいだにあると書いているように、本書は、尾崎の歌詞に対する文学的理解・批評と、尾崎とその同時代的背景・歴史的背景に対するジャーナリスティックな分析・批評とを兼備しています。岡林信康、都はるみ、消費社会、学校教育、高度成長などの話題が出てくることや尾崎のジャーナリスティックな視点・分析の欠如を厳しく指摘することが読者の鼻につくこともあるでしょう。でも、批判が当たっていないことはないですし、いやなら読み飛ばせばいいことです。

一般的な尾崎観は20代の尾崎の作品すべてに厳しいものです。著者の尾崎観は、尾崎はよるべきなき時代の申し子としての成功のゆえに失敗したと主張し、『街路樹』や『誕生』に批判的でありながらも、『放熱の証』に一種のわびさびの境地を積極的に見出すものです。そこに、本書の独自性があるように思います。




寄せ鍋人物図鑑 (講談社文庫)
販売元: 講談社

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